結婚前の浮気でも慰謝料請求できる?請求への簡単な対処法3つを解説

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弁護士 籾山 善臣

リバティ・ベル法律事務所|神奈川県弁護士会所属
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。

結婚前の浮気でも慰謝料請求できる?請求への簡単な対処法3つを解説

悩み

結婚前の浮気でも慰謝料を請求されてしまうのか知りたいと悩んでいませんか

結婚していないと聞いて関係をもったのに、突然慰謝料を請求されたら驚きますよね。

結論として、結婚前の浮気でも慰謝料請求できる場合があります

通常は、婚姻関係にない状態における浮気は、慰謝料請求の対象になることはありません。

というのも、恋愛関係にすぎない男女の関係は法的に保護すべき利益がなく、浮気によって損害が発生したとはいえないためです。

ただし、結婚前であっても「婚約している場合」や「内縁関係にある場合」には、慰謝料請求できる場合があります

これは、婚約や内縁という親密な関係に入ったことで保護すべき利益が生じ、浮気によって損害が発生するためです。

そのため、結婚前だからといって慰謝料請求が認められることはないと考えるのは危険です。

実は、結婚していないからと言って、軽い気持ちで肉体関係を持ってしまったことで、トラブルに巻き込まれてしまう方も少なからずいるのです

この記事をとおして、結婚前の浮気により慰謝料を請求されてしまうリスクを知っていただければと思います。

今回は、結婚前の浮気でも慰謝料請求できるのかを説明したうえで、結婚前の浮気が発覚して慰謝料請求された場合の対処法について解説していきます。

具体的には以下の流れで解説していきます。

この記事で分かること

この記事を読めば、結婚前の浮気と慰謝料請求の関係がよくわかるはずです。

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1章 結婚前の浮気でも慰謝料請求が認められることはある

結婚前の浮気であっても、慰謝料請求が認められてしまうことがあります

慰謝料請求は、結婚している男女が浮気をした場合に認められるのが原則です。

結婚前の浮気は単に交際している男女が浮気をしたにすぎず、原則として慰謝料請求は認められません(東京地方裁判所平成21年8月24日)。

しかし、交際を超えた男女の親密な関係については、慰謝料請求の対象になることがあります

例えば、婚約や内縁関係にある場合には、結婚している場合と近い状況にあり、慰謝料請求が認められることがあります。

結婚前に慰謝料請求できるかどうか

そのため、結婚前であっても婚約や内縁関係にある場合、慰謝料請求が認められてしまうこともあるのです。


2章 結婚前の浮気で慰謝料請求が認められやすいケース2つ

結婚前の浮気でも結婚に近い関係にあると、慰謝料請求が認められやすくなります

結婚前の浮気で慰謝料請求が認められやすいケースは以下のとおりです。

認められやすいケース1:婚約している
認められやすいケース2:内縁関係にある

結婚前の浮気で慰謝料請求が認められやすいケース2つ

それでは各ケースについて順番に解説していきます。

2-1 認められやすいケース1:婚約している

結婚前の浮気で慰謝料請求が認められやすいケース1つ目は、婚約している場合です。

婚約は結婚の予約を意味し、婚約が成立すれば当事者は第三者と肉体関係(浮気)をもつことはできなくなります

それにもかかわらず浮気をすると、権利の侵害があったものとして結婚前であっても慰謝料請求が認められやすくなるのです。

婚約と慰謝料の関係については以下の記事で詳しく解説しています。

2-2 認められやすいケース2:内縁関係にある

結婚前の浮気で慰謝料請求が認められやすいケース2つ目は、内縁関係にある場合です。

内縁とは、夫婦として生活を送っているものの、婚姻届けを提出していない状態のことをいいます。

法律上は結婚と同様に扱われることが多く、浮気の場合でも例外ではありません

そのため、内縁関係にある場合に浮気をすれば、結婚前であっても慰謝料請求が認められやすくなります。

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3章 結婚前の浮気で慰謝料請求が認められにくいケース4つ

結婚前の浮気が慰謝料請求の対象になることがあっても、慰謝料請求が認められにくい場合があります

結婚前の浮気で慰謝料請求が認められにくいケースは以下のとおりです。

認められにくいケース1:婚約や内縁関係にあることを証明できない
認められにくいケース2:婚約や内縁関係を知らない
認められにくいケース3:浮気の証拠がない
認められにくいケース4:慰謝料請求の時効期間が過ぎている

それでは各ケースについて順番に解説していきます。

3-1 認められにくいケース1:婚約や内縁関係にあることを証明できない

結婚前の浮気で慰謝料請求が認められにくいケース1つ目は、婚約や内縁関係にあることを証明できない場合です。

慰謝料請求がされる場合、請求者は慰謝料を請求するための条件を証明する必要があります。

結婚前における浮気の場合、権利侵害があったといえるには請求者が婚約や内縁関係にあったことを証明しなければなりません

しかし、この証明に失敗すると慰謝料請求することができなくなってしまうのです。

そのため、婚約や内縁関係にあることを証明できない場合には、結婚前の浮気に対する慰謝料請求が認められにくくなります。

婚約や内縁の証拠としては例えば以下のものが挙げられます。

【婚約や内縁の証拠になるもの】
婚約や内縁の証拠になるもの

3-2 認められにくいケース2:婚約や内縁関係を知らない

結婚前の浮気で慰謝料請求が認められにくいケースの2つ目は、婚約や内縁関係を知らない場合です。

慰謝料請求が認められるには、浮気相手に故意過失があったといえる必要があります。

結婚前の浮気であれば、婚約や内縁関係にあったことを知っていた、又は知ることができたといえる必要があります。

しかし、浮気相手が婚約や内縁関係にあることを知らなかった場合、浮気相手に故意があったとはいえないのです

そのため、婚約や内縁関係を知らない場合には、慰謝料請求が認められにくくなります。

3-3 認められにくいケース3:浮気の証拠がない

結婚前の浮気で慰謝料請求が認められにくいケース3つ目は、浮気の証拠がない場合です。

慰謝料請求が認められるには、浮気があったことが前提となります。

具体的には、慰謝料請求を行うためには、一般的には肉体関係があったことが必要となります。

しかし、肉体関係を証明するための証拠がない場合、浮気の事実がハッキリとしないため慰謝料請求は難しくなるのです

浮気の証拠としては例えば以下のようなものが挙げられます。

・性交渉それ自体の写真又は動画
・ホテルや自宅への出入りの写真又は動画
・旅行の写真又は動画
・肉体関係があったことを明確に認めている録音
・ホテル近くのレストランを2名で利用した領収書
・2名でホテルや旅館に宿泊した領収書
・SNS(LINEやメール)
・交通ICカードやETCカードの利用履歴
・手帳やスケジュール帳

浮気の証拠については、以下の記事で詳しく解説しています

3-4 認められにくいケース4:慰謝料請求の時効期間が過ぎている

結婚前の浮気で慰謝料請求が認められにくいケース4つ目は、慰謝料請求の時効期間が過ぎている場合です。

慰謝料請求権も債権なので時効によって消滅します

具体的には以下の期間を経過すると慰謝料請求権は消滅することになります。

・浮気の事実と浮気相手を知った時点から3年
・浮気があった時点から20年

権利が消滅すると慰謝料を請求するための理由がなくなり、慰謝料請求が認められにくくなります。

ただし、時効期間が過ぎていたとしても、慰謝料が消滅しないケースもあるので注意が必要です

慰謝料が消滅しないケースについては以下の記事で詳しく解説しています。


4章 結婚前の浮気と慰謝料相場の関係

結婚前の浮気の慰謝料相場は、5万円~200万円程度です。

これに対して、婚姻中の不倫慰謝料の相場は30~300万円程度とされています。もっとも、結婚前の浮気の慰謝料については、必ずしも婚姻中の不倫慰謝料の相場と同じように考えることはできないでしょう。

例えば、婚約であれば、夫婦関係が未だ始まっていない状況ですので、長期間婚姻関係を継続してきた夫婦に比べて、侵害された利益が大きいということはできません。

そのため、結婚前の浮気の場合には、慰謝料については、婚姻中の浮気に比べて低くなる傾向にあります

加えて、婚約や内縁関係の立証も難しいことが多いため、実際上、解決金額は高額化しにくい傾向にあります

したがって、万が一、結婚前の浮気により慰謝料を請求されてしまった場合には、適正な金額になるように正しく対応していく事が重要なのです。

浮気の慰謝料相場については、以下の記事で詳しく解説しています。

婚約中の浮気の慰謝料相場については、以下の記事で詳しく解説しています

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5章 結婚前に浮気をしたくなる心理3つ

結婚前に浮気をしたくなる心理は人それぞれですが、浮気をする心理には共通しやすい部分があります

結婚前に浮気をしたくなる心理は以下のとおりです。

心理1:責任から逃れたい
心理2:癒しが欲しい
心理3:遊びたい

結婚前に浮気をしたくなる心理3つ

それでは各心理について順番に解説していきます。

5-1 心理1:責任から逃れたい

結婚前に浮気をしたくなる心理1つ目は、責任から逃れたいためです。

結婚は将来を約束し合うものですが、大きな責任を伴うことになります。

責任感が強いと精神的に追い詰められてしまい、中にはマリッジブルーになってしまう人もいるとされています。

特に、結婚前は将来への不安ものしかかり、浮気をすることで結婚による責任から逃れようとしてしまうのです。

5-2 心理2:癒しが欲しい

結婚前に浮気をしたくなる心理2つ目は、癒しが欲しいためです。

結婚が決まると、どこかパートナーの雰囲気が変わってしまい、その変化に戸惑うこともあるといわれています。

変化に慣れるため疲労が溜まるなど、パートナーといる時間に疲れてしまい癒される環境を求めてしまうのです。

5-3 心理3:遊びたい

結婚前に浮気をしたくなる心理3つ目は、遊びたいためです。

結婚後の浮気は離婚などの責任問題に繋がりやすく、浮気によるリスクは大きなものになります。

結婚前は最後の自由時間であり、今のうちに遊んでおきたいという気持ちから浮気をしてしまう人もいます。

実際、結婚前の浮気の理由として「結婚するとパートナー以外と遊べなくなるから」と言う人もいるのです。


6章 結婚前に浮気してたことが発覚して慰謝料請求された場合の簡単な対処法3つ

慰謝料請求に対しては状況に合わせた対応が求められます

結婚前に浮気してたことが発覚し、慰謝料請求された場合の簡単な対処法は以下のとおりです。

対処法1:誠実に対応する
対処法2:減額交渉する
対処法3:弁護士に相談する

それでは各対処法について順番に解説していきます。

6-1 対処法1:誠実に対応する

結婚前に浮気してたことが発覚して慰謝料請求された場合の簡単な対処法1つ目は、誠実に対応することです。

慰謝料請求では、その後の対応が慰謝料の金額に影響することがあります

例えば、慰謝料請求を無視すると、反省の度合いが弱いものとして慰謝料の金額が高額になることがあります。

慰謝料請求を無視するリスクについては以下の記事で詳しく解説しています。

また、慰謝料請求は示談で解決することもありますが、感情的な対立が深まると示談で解決することが難しくなります

例えば、相手の悪い部分だけを指摘するなど、相手の感情を逆なですると示談による解決は難しくなるでしょう。

そのため、慰謝料請求された場合には誠実に対応することが重要です。

~結婚前の浮気が発覚したら誓約書を書くべき?~

結婚前の浮気が発覚したら、誓約書の作成に応じることが望ましい場合もあります

誓約書は、浮気の再発を防いだり、今後の夫婦関係を継続するに当たり必要な事項を規定したりします。

例えば、浮気相手との接触を禁止したり、これに違反した場合には違約金を支払うことにしたりすることが典型です。

ただし、浮気による慰謝料請求を争いたい場合には、誓約書が不利に働く場合もあるので、誓約書を書くべきか否かは弁護士に相談することをおすすめします

誓約書の書き方については以下の記事で詳しく解説しています。

6-2 対処法2:減額交渉する

結婚前に浮気してたことが発覚して慰謝料請求された場合の簡単な対処法2つ目は、減額交渉することです。

慰謝料請求は相場よりも高い金額でされることがあり、支払う金額を相場に近いものにする必要があります。

とくに、結婚前における浮気では、慰謝料は高額化しにくい傾向にありますので、減額交渉の重要性が高いです。

例えば、慰謝料として300万円を請求するとの通知書が届いても、それは実際に裁判で認められる金額とは乖離していることが多く、妥当な慰謝料金額は50万円といった場合もあるのです。

そのため、結婚前の浮気で慰謝料請求された場合、すぐに支払うのではなく減額交渉を検討するべきです。

上手な減額交渉の方法については以下の記事で詳しく解説しています。

6-3 対処法3:弁護士に相談する(おすすめ!)

結婚前に浮気してたことが発覚して慰謝料請求された場合の簡単な対処法3つ目は、弁護士に相談することです。

慰謝料の請求については、法的な事項となり、その金額も様々な要素を考慮して決められます。

適切な慰謝料金額とするためには、法的な見通しを立てたうえで、あなたに有利な事項を説得的に主張していく必要があります。

もっとも、不倫慰謝料の交渉の経験や知識がない方が、正しく交渉を行うことは簡単なことではありません

そのため、結婚前の浮気で慰謝料請求されたら弁護士に相談することをおすすめします。

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7章 慰謝料の交渉はリバティ・ベル法律事務所にお任せ

慰謝料の減額交渉については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。

慰謝料の減額交渉については、交渉力の格差が減額金額に大きく影響してきます

リバティ・ベル法律事務所では、慰謝料の減額交渉について圧倒的な知識とノウハウを蓄積しておりますので、あなたの最善の解決をサポートします。

リバティ・ベル法律事務所では、慰謝料の減額交渉に関して、「初回相談無料」を採用していますので、少ない負担で気軽にご相談できる環境を整えています。

慰謝料の減額交渉に悩んでいる方は、一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。


8章 まとめ

今回は、今回は、結婚前の浮気でも慰謝料請求できるのかを説明したうえで、結婚前の浮気が発覚して慰謝料請求された場合の対処法について解説しました。

この記事の要点をまとめると、以下の通りです。

まとめ

・結婚前の浮気でも婚約や内縁関係にある場合には、慰謝料請求が認められることはある

・結婚前の浮気で慰謝料請求が認められやすいケースは以下の2つです。
認められやすいケース1:婚約している
認められやすいケース2:内縁関係にある

・結婚前の浮気で慰謝料請求が認められにくいケースは以下の4つです。
認められにくいケース1:婚約や内縁関係にあることを証明できない
認められにくいケース2:婚約や内縁関係を知らない
認められにくいケース3:浮気の証拠がない
認められにくいケース4:慰謝料請求の時効期間が過ぎている

・結婚前の浮気における浮気でも婚約破棄や内縁解消された場合には慰謝料が高額になりやすいです。

・結婚前に浮気をしたくなる心理は以下の3つです。
心理1:責任から逃れたい
心理2:癒しが欲しい
心理3:遊びたい

・結婚前に浮気してたことが発覚して慰謝料請求された場合の簡単な対処法は以下の3つです。
対処法1:誠実に対応する
対処法2:減額交渉する
対処法3:弁護士に相談する

この記事が、結婚前の浮気でも慰謝料を請求されてしまうのか知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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