パートナーが浮気をしているのではないかと感じるものの、証拠の集め方が分からないと悩んでいませんか?
特に、慰謝料請求や離婚まで念頭に置いている方は、法的にはどのような証拠が必要となるのか分かりにくいですよね。
実際、浮気や不倫の相談を受けていると、相談者の方が決定的な証拠と考えていたものが、実は証拠としてそこまで強くなかったということがよくあります。
結論として、浮気・不倫の証拠を厳選して19個挙げると以下のとおりです。
ただし、これらの証拠さえあれば必ず浮気や不倫を証明できるというわけではなく、その内容にも注意しなければいけません。
例えば、「パートナーが休日に他の異性と街を歩いていた写真」と「パートナーが異性とラブホテルに入る瞬間の写真」であれば、証拠としての強さは大きく異なります。
更に、浮気・不倫の慰謝料を収集する際には注意していただきたいポイントがあります。浮気・不倫を疑うあまり感情的になってしまうと、証拠集めも失敗しがちです。
誤った方法により証拠を集めようとすると、中々証拠を獲得することが出来なかったり、証拠を獲得できたとしても裁判で使うことができなくなったりしてしまう可能性があるのです。
また、浮気・不倫の証拠は、すぐに獲得できるものではなく、獲得するまでに一定程度の期間を要することもあります。
根気強く収集を行っていくことになりますが、自分だけで証拠を集めることが難しい場合には、探偵や弁護士などの専門家に頼ってみることも一つの方法です。
この記事を読んでいただき、浮気・不倫の適切な証拠集めの方法を知っていただければと思い執筆させていただきます。
今回は、浮気・不倫慰謝料の証拠の種類とそれぞれの集め方を説明したうえで、注意したいポイントを解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、浮気・不倫の証拠をどのように集めればいいのかがよくわかるはずです。
目次
- 1 1章 浮気・不倫の証拠が必要な理由は言い逃れを防ぐため! 3つのメリット
- 2 2章 浮気・不倫の証拠19個|【種類別】実践的な証拠集め方法
- 2.1 2-1 証拠1:写真又は動画
- 2.2 2-2 証拠2:録音
- 2.3 2-3 証拠3:ドライブレコーダー
- 2.4 2-4 証拠4:領収書
- 2.5 2-5 証拠5:クレジットカードの利用明細
- 2.6 2-6 証拠6:興信所・探偵の調査報告書
- 2.7 2-7 証拠7:謝罪文や誓約書
- 2.8 2-8 証拠8:子供の血液型やDNA型鑑定
- 2.9 2-9 証拠9:妊娠や堕胎がわかるもの
- 2.10 2-10 証拠10:住民票の写し
- 2.11 2-11 証拠11:戸籍謄本
- 2.12 2-12 証拠12:LINE(ライン)やメール
- 2.13 2-13 証拠13:SNSやブログへの投稿
- 2.14 2-14 証拠14:手紙やプレゼント
- 2.15 2-15 証拠15:交通ICカードやETCの利用履歴
- 2.16 2-16 証拠16:GPS
- 2.17 2-17 証拠17:手帳やスケジュール帳
- 2.18 2-18 証拠18:ラブホテルのサービス券
- 2.19 2-19 証拠19:インターネットの検索履歴
- 3 3章 浮気・不倫の証拠にならないもの3種類
- 4 4章 浮気・不倫の証拠を集める際に注意してほしいポイント
- 5 5章 浮気・不倫の証拠が見つからない場合の対処法
- 6 6 浮気・不倫の証拠を集めたその後の流れ
- 7 7章 浮気・不倫の証拠がないと損害賠償は請求できない?
- 8 8章 不倫慰謝料についてはリバティ・ベル法律事務所にご相談ください
- 9 9章 まとめ
1章 浮気・不倫の証拠が必要な理由は言い逃れを防ぐため! 3つのメリット
浮気・不倫の証拠が必要な理由は、言い逃れを防ぐためです。
パートナーに対して、直接浮気をしていないか尋ねたとしても、正直に浮気をしていると回答する方は多くありません。
裁判では、争いがある事実関係については証拠をもとに判断されます。そのため、証拠がなければ浮気があったと認めてもらうことはできません。
これに対して、浮気・不倫の証拠を集めれば言い逃れを防ぐことができますので、結果的に以下の3つのメリットを得ることができます。
メリット2:離婚が認められやすくなる
メリット3:接触禁止や二度と不倫しないことを約束してもらいやすくなる
それでは各メリットについて順番に説明していきます。
1-1 メリット1:適正な慰謝料が認められやすくなる
浮気・不倫の証拠を集めることにより慰謝料が認められやすくなります。
慰謝料の請求をするためには、不倫が行われたことが前提となります。
また、慰謝料の金額については不倫の回数や期間、態様などをもとに判断されます。
そのため、適正な慰謝料を請求するためには、不倫の証拠が必要となるのです。
1-2 メリット2:離婚手続を有利に進められる
浮気・不倫の証拠を集めることにより離婚手続を有利に進められます。
あなたが離婚したいと考えている場合には、離婚が認められやすくなります。
法律では、離婚原因として、「配偶者に不貞な行為があったとき。」(民法770条1項1号)が掲げられているためです。
これに対して、あなたが離婚したくないと考えている場合には、離婚が認められにくくなります。
有責配偶者からの離婚請求については厳しく判断されるためです。
1-3 メリット3:接触禁止や二度と不倫しないことを約束してもらいやすくなる
浮気・不倫の証拠を集めることにより接触禁止や二度と不倫しないことを約束してもらいやすくなります。
今後、パートナーとの関係を続ける場合でも、パートナーが浮気を認めない限り心を入れ替えてもらうことも困難です。
浮気の証拠をもとに言い逃れを防ぐことにより、今後の関係について真剣に話し合うことができるのです。
浮気・不倫の証拠集めは、大きな心理的な負担が伴うことを知っておく必要があります。
パートナーが浮気・不倫をしているという事実はかなりショックなことでしょうが、証拠を集めるということは浮気・不倫をしている生々しいやり取りを見なければなりません。
例えば、メールやLINEであなたの悪口を言っているやり取りを見てしまうかもしれません。
また、パートナーを疑ってしまうこと自体の罪悪感に苛まれてしまう方もいるでしょう。
これによりあなたとパートナーの関係は崩れてしまう可能性もあります。
そのため、浮気・不倫の証拠を集める際には、あなたにも大きなストレスがかかる可能性があることを覚悟したうえで行いましょう。
2章 浮気・不倫の証拠19個|【種類別】実践的な証拠集め方法
浮気・不倫の証拠を厳選して19個挙げると以下のとおりです。
それぞれの証拠ごとに集め方は異なりますので、適切な証拠を集めるにはなぜこれらが証拠になるのかを理解しておく必要があります。
また、これらの証拠はどれか1つでもあればいいというわけではなく、証拠の種類や内容により強弱がありますので、複数の種類の証拠を集めて、弱い部分を補強することが望ましいです。
それでは各証拠について順番に1つずつ説明していきます。
2-1 証拠1:写真又は動画
浮気・不倫の証拠の1個目は、写真又は動画です。
ただし、写真や動画であっても、証拠として「強いもの」と「弱いもの」があります。
以下の6つに分けて説明します。
2-1-1 性交渉それ自体の写真又は動画【強い】
まず、性交渉それ自体の写真又は動画は、不倫を直接証明できますので決定的な証拠となります。
ただし、通常、不倫行為は密室で行われるため、あなた自身が写真又は動画を撮影することは通常困難です。
例えば、パートナーや浮気相手のスマートフォンに性交渉の写真や裸の異性といる写真等が保存されているケースがあります。
2-1-2 ホテルや旅館への出入りの写真又は動画【強い】
次に、ホテルや旅館への出入りの写真又は動画は、不倫を推認させる強力な証拠となります。
ただし、証拠として使うためには、以下の3つのポイントをおさえていることが大切です。
ポイント2:入った時点と出た時点の双方の写真を撮影すること
ポイント3:撮影日時が記録されていること
例えば、ホテルや旅館への出入りの写真をとっても、顔をしっかり写せていないと自分ではないと言い逃れをされてしまいます。
2-1-3 旅行の写真又は動画【強い】
旅行の写真又は動画についても、異性と2人で宿泊を伴うような遠方に出かけていることがうかがわれるものであれば、強い証拠となり得ます。
ただし、証拠として使うためには、以下の2つのポイントをおさえていることが大切です。
ポイント2:2人できりで旅行に行ったことがわかること
これについても、パートナーや浮気相手のスマートフォンに保存されているケースがあります。
2-1-4 街で異性と一緒にいる写真又は動画【弱い】
街で異性と一緒にいる写真又は動画については、これだけで直ちに不倫を推認させるとはいえず証拠としては弱いでしょう。
ホテル街などを歩いている写真である場合には、一定程度の証拠力があるでしょうが、ホテルの領収証など別の証拠も併せて獲得したいところです。
2-1-5 異性と食事している写真又は動画【弱い】
異性と食事している写真又は動画については、これだけで直ちに不倫を推認させるとはいえず証拠としては弱いでしょう。
食事が不倫にあたるかは以下の記事で詳しく解説しています。
2-1-6 プリクラ【弱い】
パートナーが異性とのプリクラを持っていたという事実だけでは、仲がいいことはわかっても不倫していることまでは推認できませんので、証拠としては弱いでしょう。
ただし、プリクラを取った日時とパートナーが外泊をした日が整合する場合には、証拠となることがあります。
2-2 証拠2:録音
浮気・不倫の証拠の2個目は、録音です。
録音については、「自白の録音」と「パートナーと浮気相手のやり取りの録音」があります。
2-2-1 自白の録音
パートナーや浮気相手が不倫をしたことを認める発言をした場合には、これを録音することで証拠になります。
例えば、「〇月〇日、〇〇ホテルで、〇〇氏と肉体関係をもちました」などの発言がされている場合です。
自白の録音を獲得する際には、以下のポイントをおさえておきたいところです。
ポイント2:不倫の時期や回数、態様がわかること
ポイント3:不倫の経緯がわかること
2-2-2 パートナーと浮気相手のやり取りの録音
パートナーと浮気相手のやり取りの録音についても、強力な証拠となり得ます。
例えば、「性交渉それ自体の録音」や「またあのホテルに行きたいねなどの発言の録音」が挙げられます。
パートナーと浮気相手とのやり取りの録音を獲得する際には、以下のポイントをおさえておきましょう。
ポイント2:著しく反社会的な方法により取得したものではないこと(第3章参照)
2-3 証拠3:ドライブレコーダー
浮気・不倫の証拠の3個目は、ドライブレコーダーです。
最近、このような証拠が使われることが増えてきました。
ドライブレコーダーの機能としては、音声や映像の記録などがあります。
例えば、証拠として強力なものとして以下のものが挙げられます。
・車内での浮気相手との電話の録音
・不倫相手とホテルに行くまでの録画や録音
2-4 証拠4:領収書
浮気・不倫の証拠の4個目は、領収書です。
領収書を見ると、「いつ、どこで、何を買ったのか」が分かりますので、不倫の有力な証拠となることがあります。
例えば、証拠として有力なものとして以下のものが挙げられます。
・ホテル近くのレストランを2名で利用した領収書
・2名でホテルや旅館に宿泊した領収書
パートナーの財布やカバン、服のポケットなどから、これらの領収書が見つかる場合があります。
2-5 証拠5:クレジットカードの利用明細
浮気・不倫の証拠の5個目は、クレジットカードの利用明細です。
クレジットカードの利用明細を見ると、いつ、どのお店で、いくら利用したのか等がわかります。
例えば、ホテルや旅館などの代金が2人分請求されているような場合には、不倫の証拠となり得ます。
利用明細書は自宅に郵送されてくることがあり、これにより不倫が発覚することがあります。
2-6 証拠6:興信所・探偵の調査報告書
浮気・不倫の証拠の6個目は、興信所・探偵の調査報告書です。
例えば、パートナーが浮気相手とホテルに出入りしている場面の写真や状況の説明がされた調査報告書等が提出されるケースがよくあります。
決定的な証拠となることも多いですが、高い料金がかかりますので利用については慎重に判断する必要があります。これについては後述します。
2-7 証拠7:謝罪文や誓約書
浮気・不倫の証拠の7個目は、謝罪文や誓約書です。
例えば、パートナー又は浮気相手から「この度は、〇〇と不倫をしてしまい申し訳ございませんでした。今後は、〇〇とは一切接触いたしません。」などの記載がされた文書の交付を受けた場合です。
パートナー又は浮気相手本人が不倫の事実を認めているため、強力な証拠となり得ます。
謝罪文や誓約書を獲得する際には、以下のポイントをおさえておきたいところです。
謝罪文の書き方については以下の記事で詳しく解説しています。
誓約書の書き方については以下の記事で詳しく解説しています。
2-8 証拠8:子供の血液型やDNA型鑑定
浮気・不倫の証拠の8個目は、子供の血液型やDNA型鑑定。
例えば、パートナーが出産した場合において、子供の血液型が自分やパートナーの子供としては有り得ないものであり、かつ、浮気相手の血液型と整合する場合には、不倫の証拠となります。
また、パートナー又は浮気相手が出産した場合において、その子供のDNA型鑑定を行い、その結果他方との父子関係が肯定された場合にも、不倫の証拠となります。
DNA型鑑定には10万円程度が必要となり、必ずしも、有利な結果となるわけではありませんので注意しましょう。
2-9 証拠9:妊娠や堕胎がわかるもの
浮気・不倫の証拠の9個目は、妊娠や堕胎がわかるものです。
長期間別居していて性交渉がないのにパートナーが妊娠した場合には、不倫があったことが強く推認されます。
例えば、エコー写真や産婦人科の診療報酬明細書などが証拠となります。
また、堕胎した場合についても、同様です。
例えば、中絶証明書や中絶同意書などが証拠となります。
2-10 証拠10:住民票の写し
浮気・不倫の証拠の10個目は、住民票の写しです。
あなたがパートナーと別居している場合に、パートナーと浮気相手の住所が同一であり、かつ、同居していることがうかがわれる場合には、同棲の事実が認められ、不倫が推認されることになります。
浮気相手の住民票の写しについては、弁護士に慰謝料請求等を依頼して、職務上請求により取得してもらいます。
2-11 証拠11:戸籍謄本
浮気・不倫の証拠の11個目は、戸籍謄本です。
例えば、夫が浮気相手の子ども認知している場合には、夫及び浮気相手の戸籍謄本に認知された旨が記載されます。
自分の子供であると認めているわけですので、不倫があったことの証拠となります。
ただし、本籍を別の場所に移すことにより認知の事実が記載されなくなってしまいますので、婚姻してから現在までのすべての戸籍を取得しましょう。
2-12 証拠12:LINE(ライン)やメール
浮気・不倫の証拠の12個目は、LINEやメールです。
例えば、パートナーと浮気相手との間で、
- Ex1.「昨日行ったホテルよかったね」などとのやり取りが行われている場合
- Ex2.不倫関係を示す写真がLINEやメールに添付されている場合
には、不倫の証拠となります。
LINEやメールの証拠を獲得する際のポイントとしては、以下の3つです。
・画面を撮影する際にはやり取りの日付と時刻、相手方がわかるように撮る
・パートナーの携帯のロックを勝手に解除して閲覧する行為は違法とされる可能性があるので注意する
LINEやメールについては、証拠にならないように消されてしまうことがあります。
証拠を消されてしまった場合であっても、デジタル・フォレンジック業者を探して復元してもらえる場合があります。
また、証拠が消されたことがわかる場合には、その画面を撮影することにより、文脈などから不倫を推認できる場合があります。
証拠を消されたしまった場合には、これらの方策も検討することになります。
2-13 証拠13:SNSやブログへの投稿
浮気・不倫の証拠の13個目は、SNSへの投稿です。
例えば、以下のような場合に証拠となります。
- Ex1.パートナーと浮気相手が一緒にいる写真が投稿されている場合
- Ex2.旅行などの写真でタグ付けによりパートナーと浮気相手が一緒にいたことがわかる場合
- Ex3.コメントやメッセージで不倫をうかがわせるやり取りをしている場合
SNSやブログへの投稿を証拠とする場合のポイントは、以下の2つです。
・投稿の日時がわかること
2-14 証拠14:手紙やプレゼント
浮気・不倫の証拠の14個目は、手紙やプレゼントです。
例えば、以下のような場合には不倫をうかがわせる証拠となることがあります。
- Ex1.肉体関係や愛情表現を示す言葉が記載された手紙が交付されている場合
- Ex2.メッセージカードなどと共に誕生日やクリスマスに下着などのプレゼントが送られている場合
2-15 証拠15:交通ICカードやETCの利用履歴
浮気・不倫の証拠の15個目は、交通ICカードやETCカードの利用履歴です。
利用履歴を見ることにより、どこに行っていたのか大まかにわかりますので、その他の証拠と併せて、不倫を推認できる場合があります。
例えば、以下のような場合には証拠となります。
- Ex1.PASMOやSuicaで浮気相手の最寄り駅で降車している場合
- Ex2.ETCカードで浮気相手の最寄り料金所を出口としている場合
2-16 証拠16:GPS
浮気・不倫の証拠の16個目は、GPSです。
市販のGPS端末やGPSアプリを用いて、パートナーの居場所が移った画面を撮影して証拠とします。
例えば、パートナーがラブホテルにいることが明らかになったような場合には、不倫の証拠となります。
ただし、GPSを用いて証拠を獲得する際には、後述の著しく反社会的な方法とならないように配慮が必要となります。
2-17 証拠17:手帳やスケジュール帳
浮気・不倫の証拠の17個目は、手帳やスケジュール帳です。
例えば、浮気相手との予定が記録されている場合には不倫の証拠となる場合があります。
手帳やスケジュール帳を証拠とするポイントは、以下のとおりです。
2-18 証拠18:ラブホテルのサービス券
浮気・不倫の証拠の18個目は、ラブホテルのサービス券です。
そのラブホテルを利用していたことをうかがわせる証拠となりますので、他の証拠と併せて不倫行為を立証できる場合があります。
ラブホテルのサービス券を証拠とする場合のポイントは以下のとおりです。
・発見した際の状況を写真撮影しておくこと
2-19 証拠19:インターネットの検索履歴
浮気・不倫の証拠の19個目は、インターネットの検索履歴です。
例えば、以下のような場合には、他の証拠と併せて不倫の証拠となる場合があります。
- Ex1.ラブホテルなどを探している場合
- Ex2.旅行の下調べをしている場合
- Ex3.浮気相手の最寄り駅までの路線や経路を検索している場合
3章 浮気・不倫の証拠にならないもの3種類
あなたが浮気や不倫の決定的な証拠と考えていたものであっても、実は証拠として不十分だったということがあります。
例えば、浮気・不倫の証拠にならないものの例を挙げると以下3つがあります。
・捏造した証拠
・肉体関係を推測させない証拠
それでは順番に説明していきます。
3-1 著しく反社会的な方法により収集された証拠
浮気・不倫の証拠にならないものの1つ目は、著しく反社会的な方法により収集された証拠です。
民事訴訟においては、刑事訴訟と異なり、原則として、証拠能力に制限はないとされています。
そのため、違法に収集された証拠であっても証拠能力が直ちに否定されるわけではありません。
ただし、著しく反社会的な手段を用いて、人の精神的肉体的事由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によって採集されたものであるときは、証拠能力を否定されることがあります。
特に以下の5つの態様については、証拠能力が否定される可能性が高いのでご注意ください。
3-2 捏造した証拠
浮気・不倫の証拠にならないものの2つ目は、捏造した証拠です。
例えば、写真を加工したり、LINEやメールのやりとりを偽装したりして、捏造した証拠については、証拠とすることはできません。
捏造が発覚すれば当然その証拠により不倫を認定することはできませんし、あなたの発言自体の信用性も損なわれます。
最悪の場合には、犯罪となるケースもあります。
3-3 肉体関係を推測させない証拠
浮気・不倫の証拠にならないものの3つ目は、肉体関係を推測させない証拠です。
先ほどまでにも説明しましたが、「異性と街を歩いているだけの写真」や「単に仲がよさそうに見えるメールやLINE」では、肉体関係を推測することはできません。
不倫の証拠については、異性の知り合いや友人にとどまらず、肉体関係があることまでを推測できるものである必要があります。
4章 浮気・不倫の証拠を集める際に注意してほしいポイント
浮気・不倫の証拠を集める際には、注意してほしいポイントがいくつかあります。
私がこれまで相談を受けてきた中で、特に注意していただきたいと感じたポイントを3つ挙げると以下のとおりです。
ポイント2:犯罪行為は絶対にしない
ポイント3:興信所・探偵に頼む場合は必ず料金を確認する
それでは各ポイントについて順番に説明していきますので一緒に見ていきましょう。
4-1 ポイント1:浮気の証拠を集めるまでは問い詰めない
証拠を集める際に注意したいポイントの1つ目は、浮気の証拠を集めるまでは問い詰めないことです。
なぜなら、証拠を集める前に問い詰めてしまうと、言い逃れをされてしまう結果自白を得ることも難しくなってしまいますし、警戒されて今後証拠収集が困難となるためです。
パートナーへ浮気を問い詰めるのは、言い逃れできないだけの証拠を集めてからにしましょう。
パートナーが浮気をしていない可能性もありますので、浮気の証拠がないにもかかわらず問い詰めてしまうと関係が崩れてしまうリスクもあります。
4-2 ポイント2:犯罪行為は絶対にしない
証拠を集める際に注意したいポイントの2つ目は、犯罪行為は絶対にしないことです。
犯罪行為を行うと集めた証拠が認められないだけではなく、パートナーや浮気相手から刑事告訴されてしまい、立場が逆転してしまいます。
感情的になってしまうかもしれませんが、不倫に対して責任を追及していきたいのであれば冷静になりましょう。
例えば、以下のような行為には十分に注意しましょう。
- Ex1.浮気相手や別居中の配偶者の住居への侵入
- Ex2.浮気相手の会社に言いふらすなどの名誉毀損
- Ex3.暴行や脅迫
- Ex4.証拠の偽造
- Ex5.不正アクセス
不倫は許されない行為ではありますが、証拠を集めるために犯罪行為をしてもいい理由にはならないことには留意しましょう。
4-3 ポイント3:興信所・探偵に頼む場合は必ず料金を確認する
証拠を集める際に注意したいポイントの3つ目は、興信所・探偵に頼む場合は必ず料金を確認することです。
よくトラブルになりがちなのが、浮気相手に対して費用を全額請求できると勘違いしてしまう場合です。
興信所や探偵から「費用は浮気相手に請求できるから大丈夫!」などと言われても、注意が必要です。
興信所や探偵の費用については、必要な範囲で損害として請求できる場合がありますが、全額は認められないことが多いですし、不倫の証拠を掴めなかった場合には請求できないリスクがあります。
そのため、興信所・探偵に頼む場合には、十分に費用を確認して、不倫の可能性が高い日を特定して、依頼するようにしましょう。
浮気調査の費用を安く抑えるポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
5章 浮気・不倫の証拠が見つからない場合の対処法
浮気・不倫の証拠を頑張って探してみたけど、中々決定的な証拠が見つからないという方もいますよね。
浮気・不倫の証拠については、すぐに獲得できるものではなく、獲得するまでに一定程度の期間を要することもあります。
そのため、浮気・不倫の証拠が見つからなくても、簡単に探すのをあきらめないようにしましょう。
浮気・不倫の証拠が見つからない場合の対処法としては、例えば以下の3つがあります。
5-1 対処法1:諦めずに自分の力で探す【おすすめ度★☆☆】
浮気・不倫の証拠が見つからない場合の対処法1つ目は、諦めずに自分の力で探す方法です。
具体的には、以下の2つの方法が考えられます。
・期間を空けてから探してみる
・今まで見落としていた証拠を探してみる
5-1-1 期間を空けてから探してみる
期間を空けてから探してみることにより浮気・不倫の証拠が見つかる可能性があります。
期間を空けることにより新たな証拠が蓄積される可能性があるためです。
例えば、頻繁に浮気相手と会っているわけではない場合には、不倫の証拠が生じるまでに相当期間を要します。
そのため、浮気・不倫の証拠が見つからない場合には、期間を空けて再度探してみましょう。
5-1-2 今まで見落としていた証拠を探してみる
今まで見落としていた証拠がないかを確認してみることにより、新たな発見がある可能性があります。
実は、身近なところに浮気・不倫の証拠がある場合もあるのです。
例えば、領収書やドライブレコーダー、スケジュール帳などは見落としてしまうことが多い傾向にあります。
そのため、浮気・不倫の証拠を探すうえでは、今まで見落としていた証拠を探してみることも大切なのです。
5-2 対処法2:探偵や興信所に依頼する【おすすめ度★★☆】
浮気・不倫の証拠が見つからない場合の対処法2つ目は、探偵や興信所に依頼することです。
探偵や興信所は、不倫の証拠集めについてもノウハウを有していますので、自分では獲得することが難しい写真なども報告書の形式で作成してもらえます。
ただし、探偵や興信所の利用については、高額の費用を請求されてトラブルになるケースもよくあります。
利用する際には、十分に費用を確認して、証拠を獲得できない可能性があること、費用については全額を損害として請求できるとは限らないことに注意しておきましょう。
探偵や興信所に依頼するには、最低限、浮気・不倫をする可能性が高い日や時間帯を特定しておいた方が良いでしょう。
5-3 対処法3:弁護士に相談する【おすすめ度★★★】
浮気・不倫の証拠が見つからない場合の対処法3つ目は、弁護士に相談することです。
弁護士に依頼すれば、浮気相手と慰謝料の交渉を代わりに行ってもらうことができます。
また、浮気・不倫の証拠収集については、弁護士だからできる証拠調べの方法がいくつかあります。
例えば、以下の3つです。
- Ex1.職務上請求
- Ex2.弁護士会照会(23条照会)
- Ex3.調査嘱託
順番に説明していきます。
5-1-1 職務上請求
弁護士は、依頼された事件について、訴訟の準備などに必要な場合には、浮気相手の住民票や戸籍謄本を職務上の権限により請求することができます。
これは自分で証拠を探す場合又は探偵や興信所に依頼する場合には行うことができない証拠の獲得方法です。
ただし、職務上請求については、あくまでも事件を依頼された場合にその遂行上、必要な場合に行うことができるものであり、住民票や戸籍の取得のみを弁護士に依頼することはできません。
5-1-2 弁護士会照会(23条照会)
弁護士は、弁護士会を通じて、様々な機関や会社等に対して、照会を行うことができます。
例えば、以下のような場合に利用します。
- Ex1.浮気相手の携帯電話の番号は分かっているものの住所までは分からない場合
- Ex2.あるホテルを利用した可能性が高い場合にパートナーと浮気相手が同泊したかを確認したい場合
ただし、照会に応じるかどうかについては、各機関や会社により対応が異なります。
5-1-3 調査嘱託
弁護士は訴訟を代理して、訴訟手続きの中で裁判所に調査嘱託の申し立てを行うことができます。
調査嘱託というのは、公私の団体に調査をしてもらいその結果を証拠とするものです。
これについては自分自身で申し立てることも可能ではありますが、訴訟手続きに詳しい弁護士に依頼した方が良いでしょう。
6 浮気・不倫の証拠を集めたその後の流れ
浮気・不倫の証拠を集めても、そこで終わりではありません。
集めた証拠を使って問題を解決していく必要があります。
どのような解決を望むかにより少し流れは変わってきますが、慰謝料を請求したいという場合には、以下のような手順で進めていくのがいいでしょう。
手順2:誓約書又は謝罪文を作成してもらう
手順3:慰謝料を請求する
手順4:示談書を作成する
順番に説明していきます。
6-1 手順1:パートナーに不倫について確認する
証拠を集めた後の手順の1つ目は、パートナーに不倫について確認することです。
まずは、端的に、浮気・不倫をしていたか確認してみましょう。
浮気・不倫を認めた場合には、期間や態様・回数、相手方の名前・住所を確認します。
浮気・不倫を認めない場合には集めた証拠を見せて、言い逃れは難しいことを説明しましょう。
このやり取りについては、証拠になりますので録音をしておいた方が良いでしょう。
6-2 手順2:誓約書又は謝罪文を作成してもらう
証拠を集めた後の手順の2つ目は、誓約書や謝罪文を作成してもらうことです。
誓約書や謝罪文は証拠となりますし、これを作成してもらうことにより、後から不倫をしていなかったと主張を変えることが難しくなります。
また、誓約書や謝罪文を作成してもらうことにより、反省を促し、今後の浮気や不倫の再発の予防につながります。
内容をよく確認していなかったなどとの反論を避けるために、自筆で記載してもらった方が良いでしょう。
6-3 手順3:慰謝料を請求する
証拠を集めた後の手順の3つ目は、慰謝料を請求することです。
浮気・不倫の証拠を集めて、パートナーから説明を受けると、ある程度全容が見えてきますので、各要素を検討して「請求する慰謝料金額」「請求する相手方」を検討しましょう。
浮気・不倫慰謝料の相場は、概ね以下のとおりです。
浮気・不倫慰謝料の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
6-4 手順4:示談書を作成する
証拠を集めた後の手順の4つ目は、示談書を作成することです。
支払ってもらう慰謝料の金額や支払い方法を決めたら、その内容をもとに示談書を作成します。
合意の条件を書面にしておくことで、万が一約束を反故にされた場合でも、示談書に基づき請求をしていくことができます。
示談書には、今後の婚姻生活を継続するか否かなどを踏まえて、浮気相手との接触禁止についても定めておくことがあります。
7章 浮気・不倫の証拠がないと損害賠償は請求できない?
浮気・不倫の証拠が集まらない場合でも、どうしても損害賠償を請求したいという方もいますよね。
結論としては、証拠がなくても損害賠償を請求できる場合はあります。
なぜなら、証拠が必要なのは、争いがある事実に限られていますので、請求された方が不倫をしたことを認めれば、証拠がなくても慰謝料を支払ってもらえる可能性があるためです。
例えば、請求された方が不倫を認めれば、不倫の証拠がなくても示談が成立する場合はありますし、裁判で慰謝料が認められる可能性もあります。
ただし、浮気・不倫の証拠がないのに慰謝料を請求していくことは、請求者としてもリスクがありますので、おすすめはしません。
例えば、証拠なく不倫の慰謝料を請求して、相手方の人間関係や生活環境が壊れてしまった場合には、あなた自身が反撃されてしまうリスクがあります。
そのため、もしも、証拠がないのに慰謝料を請求しようとしているのであれば、上記リスクがあることに留意したうえで、その方法について慎重に検討する必要があるでしょう。
8章 不倫慰謝料についてはリバティ・ベル法律事務所にご相談ください
不倫慰謝料についてお悩みの方は、是非、リバティ・ベル法律事務所にご相談ください。
不倫慰謝料問題については、交渉力の差が解決金額に大きな影響を与えます。
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9章 まとめ
以上のとおり、今回は、浮気・不倫慰謝料の証拠の種類とそれぞれの集め方を説明したうえで、注意したいポイントを解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・浮気や不倫の証拠を集めることにより言い逃れを防ぐことができますので、結果的に以下の3つのメリットを得ることができます。
メリット1:適正な慰謝料が認められやすくなる
メリット2:離婚が認められやすくなる
メリット3:接触禁止や二度と不倫しないことを約束してもらいやすくなる
・浮気・不倫の証拠を厳選して19個挙げると以下のとおりです。
・浮気・不倫の証拠にならないものの例を挙げると以下3つがあります。
①著しく反社会的な方法により収集された証拠
②捏造した証拠
③肉体関係を推測させない証拠
・浮気や不倫の証拠を集めるうえで注意していただきたいポイントを3つ挙げると以下のとおりです。
ポイント1:浮気の証拠を集めるまでは問い詰めない
ポイント2:犯罪行為は絶対にしない
ポイント3:興信所・探偵に頼む場合は必ず料金を確認する
・証拠を集めた後に慰謝料を請求したいという場合には、以下のような手順で進めていくのがいいでしょう。
手順1:パートナーに不倫について確認する
手順2:誓約書又は謝罪文を作成してもらう
手順3:慰謝料を請求する
手順4:示談書を作成する
この記事が浮気・不倫の証拠の集め方を知りたいと考えている方の助けになれば幸いです。
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