浮気(不倫)誓約書の書き方を知りたいと悩んでいませんか?
誓約書は普段から目にするものではないので、どのように書けばいいのかわからないといった方もいるのではないでしょうか。
浮気誓約書のテンプレートは以下のように定められることがあります。
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※適切な誓約書については事案により異なりますので、適宜ご修正下さい。テンプレートの利用に伴い損害等が生じた場合でも、当サイトでは一切責任を負いかねますので、自己責任でお願いいたします。
浮気誓約書とは、浮気に関する約束事を記した書面をいいます。
浮気誓約書の目的は、浮気の再発防止や再度浮気した場合における有力な証拠とするために作成されることが一般的とされています。
有効に成立した誓約書は当事者を法的に拘束するので、その名称に囚われることなく内容を定めることが重要となります。
しかし、記載内容が過度に制約を課すものなど、不適切な場合には誓約書が無効になることもあります。
例えば、配偶者以外の異性と会う際には配偶者の許可を必要とする内容は、公序良俗違反として無効になるおそれがあります。
実は、誓約書を作成しても内容が適切でないために、あまり意味のない誓約書になってしまっているケースを目にする機会が増えています。
この記事を読んで浮気誓約書とは何かを理解し、どのような内容を定めるのが適切なのかを知っていただければと思います。
今回は、浮気誓約書とは何かを説明したうえで、誓約書の適切な書き方について解説していきます。
具体的には以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、浮気(不倫)誓約書の書き方についてよくわかるはずです。
目次
1章 浮気(不倫)誓約書の無料テンプレート
浮気(不倫)誓約書のテンプレートは以下のとおりです。
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※適切な誓約書については事案により異なりますので、適宜ご修正下さい。テンプレートの利用に伴い損害等が生じた場合でも、当サイトでは一切責任を負いかねますので、自己責任でお願いいたします。
2章 浮気(不倫)誓約書とは?法的効力とその目的
浮気(不倫)誓約書とは、浮気に関する約束事を記した書面をいいます。
浮気誓約書は主に以下のような目的で作成されることが多いです。
・慰謝料請求における有力な証拠とする
というのも、当事者が誓約書において合意した内容に違反すれば裁判で有力な証拠として提出することができるためです。
例えば、「再度浮気をしたら慰謝料100万円を支払う」といった内容の場合に再度浮気をすれば、100万円の慰謝料が認められやすくなるのです。
このように誓約書に記載した内容は損害賠償の予定として機能し、後の慰謝料請求において有力な証拠となります。
さらに具体的な金額が明記されていることにより、間接的に浮気を防止することもできるのです。
浮気の再発率は45%程度とされており、信頼関係を回復させたいときに誓約書を作成することには大きな意味があるといえます。
※出典:日刊SPA!‐浮気再発率45%を徹底検証
不貞行為(肉体関係)がない場合、慰謝料請求は認められにくくなります。
しかし、一度親密な関係が築かれた以上はその後も浮気相手との関係が続くおそれがあります。
浮気相手との関係が続くとその期間の長さに伴い夫婦の仲が悪化するリスクが高くなります。
夫婦関係を継続する場合には夫婦間の信頼関係を重要であり、浮気相手との関係を断ち切らなければなりません。
不貞行為がない場合でも、夫婦関係の破綻を避けるために誓約書を書くべき場合があるのです。
3章 浮気(不倫)誓約書の書き方を例文形式で解説!誓約書に定めるべき内容5つ
浮気(不倫)誓約書を効果的に機能させるには適切な内容を定めることが重要となります。
誓約書に定めるべき内容は以下のとおりです。
定めるべき内容2:浮気解消の約束
定めるべき内容3:禁止行為
定めるべき内容4:慰謝料の金額
定めるべき内容5:その他の内容
それでは定めるべき内容について順番に解説していきます。
3-1 定めるべき内容1:浮気の事実
浮気(不倫)誓約書に定めるべき内容1個目は、浮気の事実です。
甲は○年○月○日から○年○月○日の間、乙の配偶者である○○(以下「丙」とする)との間において、(場所)において不貞行為を行った事実を認め、謝罪する。
浮気誓約書の目的は後で浮気の有力な証拠として用いることにあります。
証拠としての価値を高めるため浮気の事実を具体的かつ明確に記すことが重要となります。
浮気の事実を書く際には以下の内容を定めるといいでしょう。
・不貞行為の期間
・不貞行為の場所
・不貞行為の態様(不貞行為の回数や頻度)
一点注意が必要なのは、浮気や不倫という表現ではなく「不貞行為」という表現を用いることです。
浮気や不倫というのは一般的な用語であり、証拠として用いるのであれば法律用語を用いた方が正確な表現に近づくためです。
3-2 定めるべき内容2:浮気解消の約束
浮気(不倫)誓約書に定めるべき内容2個目は、浮気解消の約束です。
甲は、丙との関係を完全に解消し、一切の接触(電話、メール、SNS、第三者を介した一切の連絡を含む)をしないことを約束する。
甲は、業務上の必要がある場合を除いて、丙との関係を完全に解消し、一切の接触(電話、メール、SNS、第三者を介した一切の連絡を含む)をしないことを約束する。
浮気発覚後にも浮気相手との関係が続いている場合は、浮気解消の約束をすることがあります。
というのも、浮気関係が継続したままでは夫婦関係に深刻な悪影響をもたらすためです。
内容としては一切の交流(電話、メール、SNS等)を禁じる旨が定められることが多い傾向にあります。
ただし、過度な制約は無効となるおそれがあるので禁止する範囲はよく吟味しなければなりません。
また、職場恋愛の場合には一切コミュニケーションが取れないとすると仕事に重大な支障を生じます。
そのため、禁止の範囲を緩和して仕事に必要な最低限の範囲で交流を認めることがあります。
3-3 定めるべき内容3:禁止行為
浮気(不倫)誓約書に定めるべき内容3個目は、禁止行為です。
甲及び乙は、本件不貞行為に関して、以下の行為をしてはならない。
(1)本件不貞行為の事実をインターネットに書き込む行為
(2)相手方を訪問する行為
(3)相手方を誹謗中傷する行為
(4)その他、相手方の不利益となる一切の行為
浮気発覚後は当事者双方が感情的になりやすく、不適切な行為に及ぶおそれがあります。
例えば、浮気した側では浮気相手がSNSで浮気の事実を晒すなど、名誉毀損のおそれがある行為に及ぶこともあります。
他方で、浮気された側も浮気の証拠集めのため浮気相手の家に忍び込むなど、住居侵入罪のおそれがある行為に及ぶこともあるのです。
迷惑行為などを事前に防止するため禁止行為としてあらかじめ定めておくことがあります。
浮気に関連した犯罪については以下の記事で詳しく解説しています。
3-4 定めるべき内容4:慰謝料の金額
浮気(不倫)誓約書に定めるべき内容4個目は、慰謝料の金額です。
甲は、本誓約書記載の誓約事項に違反した場合、乙に対し、違約金として金○○万円を支払うこと を誓約する。
浮気誓約書をより実効的なのものとするには慰謝料の金額を具体的に記載することが重要です。
浮気関係の解消を明記するだけでも十分に意味がありますが、具体的な金額があることで浮気をしないという動機付けがより高まるのです。
浮気慰謝料の相場は数十万円~300万円程度とされており、相場を基準として記載することが一般的です。
浮気の慰謝料相場については以下の記事で詳しく解説しています。
ただし、慰謝料の金額が不相当に高額な場合には無効と判断されることがあるので注意しなければなりません。
3-5 定めるべき内容5:その他の内容
浮気(不倫)誓約書に定めるべき内容5個目は、その他の内容です。
甲は、乙に対し、今後の結婚生活において次の事項を誓約する。
(1)絶対に暴力を振るわないこと
(2)甲は今後キャバクラや性風俗店に行かないこと
(3)パチンコ、競馬等のギャンブルをしないこと
(4)乙に無断で金銭を借り入れないこと
(5)夫婦関係の再構築に努めること
誓約書を作成する目的は、浮気の再発を防止して夫婦間の信頼関係を維持することにあります。
信頼関係を維持するため、浮気に関する内容のほかに夫婦間での約束をすることがあります。
例えば以下のような内容を定めることがあります。
・性風俗店に行かないこと
・ギャンブルをしないこと
・無断で金銭の借入れをしないこと
・給与明細やクレジットカードの明細を開示すること
・浮気と誤解される行動はしないこと
・会社を欠勤しないこと
・家事を積極的に行うこと
・飲酒は極力控えること
・夫婦関係の再構築に努めること(週に一回夫婦で外出など)
これらは一例であり、夫婦の実情に合った信頼関係を維持するための内容を定めることが重要です。
4章 浮気(不倫)誓約書作成の注意点3つ
浮気(不倫)誓約書は適切に作成しなければ有効に機能しません。
浮気(不倫)誓約書作成の注意点は以下のとおりです。
注意点2:約束の内容を適切なものにする
注意点3:誓約書の作成を強制しない
それでは各注意点について順番に解説していきます。
4-1 注意点1:書面の形式を整える
浮気(不倫)誓約書作成の注意点1個目は、書面の形式を整えることです。
浮気誓約書を適切に機能させるためには、書面の形式が整えておくべきです。
形式的面として、一般的に記載される内容は以下のとおりです。
・自筆の署名と押印があること
・住所の記載があること
4-2 注意点2:約束の内容を適切なものにする
浮気(不倫)誓約書作成の注意点2個目は、約束の内容を適切なものにすることです。
約束の内容が以下のように不適切な場合には約束が無効になることがあります。
・本人の意思を尊重すべき場合
公序良俗に違反する場合としては、過度に制約を課す場合が挙げられます。
例えば以下のような場合には公序良俗に違反し無効と判断されるおそれがあります。
・配偶者に言うことに従い逆らわないこと
・常にGPSと録音機を持ち歩くこと
本人の意思を尊重すべき場合としては、離婚のような身分関係上の行為について約束する場合が挙げられます。
例えば、「再度不倫をすれば離婚に同意したものとみなす」と規定しても、浮気相手は離婚を拒否することができます。
ただし、誓約書に再度の浮気で離婚する旨の記載があることで、浮気の再発防止に役立つため無意味とは言い切れません。
これらを踏まえ約束の内容は適切なものとすることが重要です。
4-3 注意点3:誓約書の作成を強制しない
浮気(不倫)誓約書作成の注意点3個目は、誓約書の作成を強制しないことです。
誓約書は当事者の任意の合意によって成立するので、浮気した場合でも誓約書の作成に協力する義務はありません。
誓約書の作成を拒否されたとしても強制することはできないのです。
それにもかかわらず強制した場合、誓約書は強迫(民法96条1項)によって作成されたものとして取消されてしまいます。
また、誓約書の作成を強制したり浮気をバラすなど脅した場合、以下のような犯罪にあたることがあります。
・強要罪(刑法223条)
そのため、浮気誓約書の作成は相手方の任意の協力に期待し慎重に話し合うことが重要です。
5章 浮気(不倫)誓約書作成に関するよくある悩み3つ
ここでは浮気(不倫)誓約書の作成に際して不安となる事項について解説していきます。
浮気誓約書作成に関するよくある悩みは以下のとおりです。
悩み2:弁護士に相談すべきか
悩み3:誓約書はどう保管すればいいか
それでは各悩みについて順番に解説していきます。
5-1 悩み1:証人が必要か
浮気誓約書の作成に証人は必ずしも必要とはされていません。
浮気誓約書は浮気に関する約束事であり、法律に明確な定義や要件があるものではないためです。
5-2 悩み2:弁護士に相談すべきか
誓約書の作成は弁護士に相談した方が望ましい場合もあります。
誓約書の内容はテンプレートだけでは不十分なこともあり、個別の事案に沿った内容にしなければなりません。
しかし、どのような内容を定めれば誓約書が効果的になるのかは、専門的な知識や経験がないとわかりづらい部分もあるかと思います。
誓約書の内容が不適切だと作成した意味が失われてしまうこともあり、できる限り適切なものに近づける必要があります。
そのため、誓約書の作成に不安のある方は弁護士に相談することが望ましい場合もあります。
5-3 悩み3:誓約書はどう保管すればいいか
誓約書は2部用意して当事者がそれぞれ保管することが望ましいです。
1部だけ用意して自分が保管することもできますが、時間の経過によって合意内容を忘れてしまったということも考えられます。
合意の内容を確認する意味でも、誓約書は2部用意してそれぞれが1部ずつ保管した方がいいでしょう。
6章 浮気(不倫)誓約書に関する判例
原告が、原告の内縁の配偶者と被告が浮気していたことから、誓約書を作成したものの、再度浮気をしたため被告に対して慰謝料700万円を請求した事案について、
誓約書の内容は以下のとおりです。
・「被告において不貞行為及び女遊びに及んだ場合は、慰謝料として、原告に500万円、原告の長女に200万円を婚約中でも支払う」
裁判所は、原告が誓約書の作成を被告に求め、これに被告が応じたものであるから誓約書は有効に成立しており、その内容は誓約書に違反した場合における500万円の支払合意であるとして慰謝料は500万円が妥当と判断しています。
判例は以下のように説明しています。
「本件誓約書の成立の真正については、当事者間に争いがなく、本件誓約書作成の経緯は前記認定のとおりであるから、被告は、本件誓約書記載内容の意思表示を行ったものと認められ…原告と被告との間には、被告が不貞行為を行うことを停止条件として、原告に500万円を支払う旨の合意(以下「本件合意」という。)が成立したものと認められる。
…なお、本件誓約書においては、原告の長女に200万円を支払う旨の記載があるが、その記載文言に照らし、同部分が原告への支払を約したものとは解されない。したがって、同部分が原告への支払を約したものであることを前提とする原告の主張部分は失当であるから、原告の700万円の請求のうち、200万円の部分は理由がない。」
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8章 まとめ
今回は、浮気(不倫)誓約書とは何かを説明したうえで、誓約書の適切な書き方について解説しました。
この記事の要点をまとめると、以下の通りです。
・浮気(不倫)誓約書とは、浮気に関する約束事を記した書面をいい、後の裁判で有力な証拠となります。
・誓約書に定めるべき内容は5つです。
定めるべき内容1:浮気の事実
定めるべき内容2:浮気解消の約束
定めるべき内容3:禁止行為
定めるべき内容4:慰謝料の金額
定めるべき内容5:その他の内容
・浮気(不倫)誓約書作成の注意点は以下の3つです。
注意点1:書面の形式を整える
注意点2:約束の内容を適切なものにする
注意点3:誓約書の作成を強制しない
・浮気(不倫)誓約書作成に関するよくある悩みは以下の4つです。
悩み1:証人は不要とされている
悩み2:弁護士に相談することが望ましいこともある
悩み3:誓約書は自分と相手方の計2通作成し、それぞれが保管する。
この記事が、浮気(不倫)誓約書の書き方を知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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