浮気相手と3人で話し合いをした方がいいか、あるいは、どのように話合いを進めればいいのか悩んでいませんか?
人生で浮気相手を交えて3人で話し合いをする機会など早々ありませんので、不安ですよね。
前提として、私は、浮気相手を交えて3人で顔を合わせて話し合いをすることはおすすめしません。
物理的にも法律的にもリスクが大きく、解決につながらないことが多いためです。
仮に、3人で顔を合わせて会うという場合には、話し合いの手順をおさえたうえで、十分に準備してからいくべきです。
何も準備せずに勢いに任せて会いに行ったとしても、嫌な時間が流れるだけであり、トラウマになってしまうこともあります。
また、浮気された側・浮気した側、いずれも、話し合いを行う場合には注意していただきたいことがあります。
実際、これらの注意点を知らずに話し合いを行ってしまった後に、相談に来られる方もたくさんいらっしゃいますが、既に取り返しがつかない事態となってしまっていることがあります。
この記事をとおして、少しでも、このような失敗をしてしまう方を減らすことができればと思います。
今回は、浮気相手と3人で話し合いをすることの危険性を説明したうえで、話し合いの手順や注意点を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、浮気相手と3人で話し合いをすることになった場合にどのように対処すればいいかがわかるはずです。
目次
1章 浮気相手と3人で話し合いとは
浮気相手と3人で話し合いとは、浮気をした当事者2名とその被害者となる配偶者1名により話し合いを行うような状況です。
浮気では、加害者が2名以上いますので、法律関係も複雑化しています。
そのため、浮気の当事者が一同に集まり、話し合いが行われることがあるのです。
例えば、浮気の加害者側の場合、浮気相手から配偶者に浮気がバレてしまったとの連絡がきた後に、浮気相手の配偶者から会って話がしたいとの連絡がくることなどがあります。
これに応じて、話し合いに出向くと、浮気相手とその配偶者がいて、3人で話し合いを行うような状況となります。
2章 浮気相手と3人で話し合うべき?|危険な3つのケース
結論から言うと、浮気相手と3人で顔を合わせて話し合いを行うことはおすすめしません。
なぜなら、実際に面と向かって会って話合いをしたとしても、当事者同士では、適正な解決に向けた議論ができない可能性が高いためです。
例えば、不倫被害者が不倫加害者を一方的に糾弾するだけで終わってしまう可能性があります。また場合によっては、不倫加害者が開き直って、不倫被害者を糾弾するケースもあります。
私がこれまで相談を受けてきた経験からは、可能な限り当事者同士が対面により話し合いを行うことは避けた方が良いように感じます。
浮気相手と3人で話し合いを行うことがとくに危険なケースとしては、以下の3つがあります。
危険なケース2:密室や家で会う
危険なケース3:慰謝料が問題となっている
2-1 危険なケース1:相手方が興奮している
まず、危険なケースの1つ目は、相手方が興奮している場合です。
相手方が興奮している場合には、暴力沙汰になってしまうケースもあります。
例えば、電話やLINE等で、過度に高圧的な言動が行われている場合、脅迫するような言動が行われている場合には、対面で話し合いを行うことは非常に危険です。
2-2 危険なケース2:家や密室で会う
次に、危険なケースの2つ目は、家や密室で会う場合です。
家や密室では、周りの目がないため、暴力や暴言に歯止めがききにくく、更に帰らせてもらえず監禁状態になってしまうことがあります。
例えば、不倫被害者の場合には、配偶者の後をつけていって、不倫相手宅で会っているところに突入してやろうと考えている方もいるかもしれませんが、危険です。反撃をされたり、警察を呼ばれたりするリスクがあります。
また、不倫加害者の場合には、不倫被害者から、今すぐ謝罪しに自分の家まで来るようにと言われることがありますが、危険ですので応じない方が良いでしょう。
実際に話し合いの場に行ってみたら、不倫の被害者と加害者以外にも、見ず知らずの柄の悪い男性が待機していたなどのケースもあります。
浮気相手と3人で話し合いを行うのは、人目がある喫茶店などにするのが通常です。
周りの目があるため、暴力や暴言、監禁などのリスクをおさえることができるためです。
これに対して、プライバシー性が高い話しをすることになるので、人目があると集中できないと考える方もいるかもしれません。
しかし、不倫問題の当事者は双方ともに感情が高ぶっている状況にありますので、暴力や暴言、監禁などを避ける必要性の方が上回ります。
集中して話し合いを行う最低限の前提として、お互いの身の安全が保障されていなければなりません。
喫茶店で会う際には、「混雑時間帯を避ける」、「地元の喫茶店は避ける」などの方法により、話しやすい環境を整えるのがいいでしょう。
2-3 危険なケース3:慰謝料が問題となっている
最後に、危険なケースの3つ目は、慰謝料が問題となっている場合です。
慰謝料が争いとなっている場合には、当事者同士がいきなり対面で会ってその場で適正な金額について話し合うことは困難です。
弁護士同士であっても、適正な金額について交渉するのに、数か月の期間と複数回のやり取りを要することが通常です。
例えば、当事者同士が会って慰謝料金額について協議しても、相手方の言い値で金額が決まってしまったり、提示した金額が今後の交渉に不利な影響を及ぼしてしまったりすることがあります。
不倫慰謝料の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
不倫加害者の方には、対面での話し合いを拒否することが、不誠実な対応なのではないかと危惧する方もいるでしょう。
確かに、対面の方が気持ちは伝わるという考え方もあるでしょうし、不倫被害者の方は対面で会うことを拒否されれば不快に感じるはずです。
しかし、誠実性については、書面でのやり取りでも十分に表すことができます。
例えば、書面に真摯に反省の気持ちを記載したり、交渉には真摯に応じさせていただく旨を記載したり、今後は浮気相手との接触を断つことを記載したりすることでも、誠実性を読み取ることができます。
そのため、対面で会うことを避けることのみをもって、直ちに不誠実ということはできないでしょう。
3章 浮気相手と3人で話し合いをする場合の5つの手順
仮に、浮気相手と3人で話し合いをする場合には、その手順を理解したうえで万全の準備をして臨むべきです。
何も準備せずに勢いに任せて会いに行ったとしても、嫌な時間が流れるだけであり、トラウマになってしまうこともあります。
具体的には、浮気相手と3人で話し合いをする場合の手順は、以下のとおりです。
手順2:話し合いの日時場所を決める
手順3:事実関係の共通認識を構築する
手順4:解決方法を協議する
手順5:示談書を作成する
それでは各手順について順番に説明していきます。
3-1 手順1:話し合いの目的と方針を決める
話し合いの手順の1つ目は、話し合いの目的と方針を決めることです。
話し合いによりどのような目的を達成したいのか、そのためにどのように話を進めていけばいいのか方針を決めておきましょう。
例えば、「今後浮気相手と配偶者が接触しないようにしたい」、「謝罪してほしい」、「慰謝料を支払ってほしい」などです。
3-2 手順2:話し合いの日時場所を決める
話し合いの手順の2つ目は、話し合いの日時場所を決めることです。
場所については、喫茶店など人目のある場所にして、家や密室などは避けます。また、地元などの顔見知りが多い場所は避けた方が良いでしょう。
時間については、お昼時などの混雑時は避けましょう。
3-3 手順3:事実関係の共通認識を構築する
話し合いの手順の3つ目は、事実関係の共通認識を構築することです。
不倫を認めるのかどうか、期間や回数、不倫の経緯、不倫によりどのような悪影響が生じているのかなど、話し合いの前提となる事実を確認していきます。
例えば、「2年前、会社の上司と部下として知り合うことになり、半年ほど前に、男性の方からの誘いで食事に行き、その後に肉体関係をもった。それ以降、月に1回程度関係が続いており、これまで肉体関係をもったのは合計6回である。」などです。
3-4 手順4:解決方法を協議する
話し合いの手順の4つ目は、解決方法を協議することです。
通常は、被害者側の方から求めるべき事項を出します。
これに対して、加害者側の方から、求められた事項に応じるのか、応じられないのであればその理由は何かなどを説明します。
これによりお互いが納得できる解決を模索していきます。
3-5 手順5:示談書を作成する
話し合いの手順の5つ目は、示談書を作成することです。
解決内容について口約束しただけでは、後から双方での認識が異なっていることがありますし、そのようなことは言っていないなどと争いになることがあります。
そのため、合意した内容を書面にしておきます。
例えば、不倫問題の示談書については、以下のように作成します。
WORDファイルのひな形ダウンロードはこちら
PDFファイルのひな形ダウンロードはこちら
※適切な示談書については事案により異なりますので、適宜ご修正下さい。ひな形の利用に伴い損害等が生じた場合でも、当サイトでは一切責任を負いかねますので、自己責任でお願いいたします。
不倫の示談書については以下の記事で詳しく解説しています。
4章 浮気相手と3人で話し合いをする場合の注意点
浮気相手と3人で話し合いをする場合には、浮気をされた側・浮気をした側、いずれも注意点があります。
これらの注意点を知らずに話し合いを行ってしまったことにより、取り返しがつかない事態となってしまうこともあります。
具体的には、浮気相手と3人で話し合いをする場合の注意点としては以下のとおりです。
【浮気された側の注意点】
注意点1:謝罪してもらえない
注意点2:失言により反撃される
注意点3:証拠が薄いことを知られる
【浮気した側の注意点】
注意点1:帰れなくなる
注意点2:示談書の締結を強要される
注意点3:暴力沙汰になる
それでは各注意点について順番に説明していきます。
4-1 【浮気された側】注意点1:謝罪してもらえない
浮気された側の注意点の1つ目は、謝罪してもらえないことです。
浮気された側としては、話し合いに行けば、まず加害者から謝罪があると思いますよね。
しかし、必ずしも加害者からの謝罪があるとは限りません。加害者が開き直って、被害者の配偶者に対する扱いが悪いなどと言ってくることもあります。
このような対応により、浮気された被害者が、更に心理的な苦痛を受けることがあります。
4-2 【浮気された側】注意点2:失言により反撃される
浮気された側の注意点の2つ目は、失言により反撃されることです。
浮気された被害者は、感情が高ぶっていることが多いため、「職場にばらしてやる」、「お前の家庭も壊してやる」などの発言をしてしまうことがあります。
このような発言をしてしまうと、「脅迫行為をされた」などと言われてしまい加害者に反撃の材料とされることもあります。
4-3 【浮気された側】注意点3:証拠が薄いことを知られる
浮気された側の注意点の3つ目は、証拠が薄いことを知られてしまう場合があることです。
話し合いの前提となる事実関係を確認している段階で、浮気被害者側が認識している浮気の事実が不正確であるような場合には、証拠を持っていないのではないかと疑われてしまうことがあります。
例えば、浮気の被害者が一緒に食事をしているところを見たなどと述べるのみで、ホテルに入ったところを見たとの減給がなかったとしましょう。
この場合には、ただ会っていただけとごまかされてしまい、その後、LINEを削除されるなど証拠を隠されてしまう可能性があります。
4-4 【浮気した側】注意点1:帰れなくなる
浮気した側の注意点の1つ目は、帰れなくなることです。
家や密室に何時間も留め置かれて、被害者が納得するまで、帰してもらえないことがあります。
例えば、財布や身分証明書、携帯電話などをとられて脅されてしまうこともあります。
そのため、これまでも説明したように、家や密室で会うことは避けましょう。
4-5 【浮気した側】注意点2:示談書の締結を強要される
浮気した側の注意点の2つ目は、示談書の締結を強要されることです。
よく被害者側が事前に示談書を作成していて、話し合いも行わずに、これにサインするようにとだけ言って、示談書の締結を強要してくることがあります。
その際には、被害者に有利な示談書となっているのが通常であり、適正ではない慰謝料金額が記載されていたり、高額な違約金が記載されていたりします。
何も考えずにサインしてしまい、帰って調べてみたら法外な内容であることがわかったという相談が後を絶ちません。
その場で示談書を提示されてもサインせずに、一度持ち帰り弁護士に相談しましょう。
4-6 【浮気した側】注意点3:暴力沙汰になる
浮気した側の注意点の3つ目は、暴力沙汰になることです。
浮気被害者は感情が高ぶっていることが多く、殴る蹴るなどの暴行に及ぶことがあります。
事前に相手方がどのような人物なのか、過度に高圧的ではないかなど確認しておきましょう。
やむを得ず会う場合でも密室や家など第三者の目がない場所は避けましょう。
5章 浮気相手と3人で話し合うことを回避する方法
浮気相手と直接3人で話し合うことを回避した上で、不倫問題を解決するにはいくつかの方法があります。
具体的には、浮気相手と3人で話し合うことを回避する方法としては、以下の3つがおすすめです。
方法1:弁護士に依頼する【おすすめ度★★★】
方法2:書面でやり取りする【おすすめ度★★☆】
方法3:裁判所を使う【おすすめ度★☆☆】
それでは各方法について順番に紹介していきます。
5-1 方法1:弁護士に依頼する
直接の話し合いを回避する一番おすすめの方法は、弁護士に依頼する方法です。
弁護士に依頼することにより、以後の交渉は全て弁護士が行うことになりますので、あなたは相手方と直接やり取りをする必要がなくなります。
弁護士に依頼すると、相手方に対して、通常、以後は本人に直接連絡しないようにと通知しますので、万が一相手方から連絡があっても弁護士をとおしてくださいとだけ回答すれば足ります。
そのため、直接の話し合いを回避するには弁護士に依頼してしまうことがおすすめなのです。
5-2 方法2:書面でやり取りする
直接の話し合いを回避するためには、書面でやり取りするという方法もあります。
顔を合わせて話し合うのではなく、郵送により書面を送付する方法により交渉を行うのです。
例えば、やり取りが不明確になることを避けたいので、書面によりやり取りをしたい旨を伝えます。
弁護士に相談したら直接会うことはやめた方が良いと言われたためと伝えてもいいでしょう。
書面であれば、どのように記載するか慎重に検討することができます。
書面でのやりとりが難しい場合には、電話やオンラインミーティングを活用する方法が考えられます。
5-3 方法3:裁判所を使う
直接の話し合いを回避するためには、最終手段として裁判所を使うという方法もあります。
とくに、相手方が過度に高圧的な場合や興奮している場合には、直接やり取りをせずに、裁判所を間に介することにより負担を軽減することができます。
例えば、裁判所に調停を申し立てれば、間に調停員が入りますので、冷静に交渉することができます。
また、裁判についても、裁判官が訴訟指揮をしますので、その指揮のもとで書面のやり取り、質問への回答を行えば足ります。
このようにリスクを回避するためには裁判所を使うという方法も有効なのです。
不倫裁判については、以下の記事で詳しく解説しています。
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7章 まとめ
以上のとおり、今回は、浮気相手と3人で話し合いをすることの危険性を説明したうえで、話し合いの手順や注意点を解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・浮気相手と3人で話し合いとは、浮気をした当事者2名とその被害者となる配偶者1名により話し合いを行うような状況です。
・浮気相手と3人で話し合いを行うことが危険なケースとしては、以下の3つがあります。
危険なケース1:相手方が興奮している
危険なケース2:密室や家で会う
危険なケース3:慰謝料が問題となっている
・浮気相手と3人で話し合いをする場合の手順は、以下のとおりです。
手順1:話し合いの目的と方針を決める
手順2:話し合いの日時場所を決める
手順3:事実関係の共通認識を構築する
手順4:解決方法を協議する
手順5:示談書を作成する
・浮気相手と3人で話し合いをする場合の注意点としては以下のとおりです。
【浮気された側の注意点】
注意点1:謝罪してもらえない
注意点2:失言により反撃される
注意点3:証拠が薄いことを知られる
【浮気した側の注意点】
注意点1:帰れなくなる
注意点2:示談書の締結を強要される
注意点3:暴力沙汰になる
・浮気相手と3人で話し合うことを回避する方法としては、以下の3つがおすすめです。
方法1:弁護士に依頼する【おすすめ度★★★】
方法2:書面でやり取りする【おすすめ度★★☆】
方法3:裁判所を使う【おすすめ度★☆☆】
この記事が浮気相手と3人で話し合うことについて不安感じている方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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