フランチャイズ契約書のひな形を紹介!重要なレビューポイント15個を解説

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著者情報 弁護士 籾山 善臣

リバティ・ベル法律事務所|神奈川県弁護士会所属 
取扱分野は、人事労務、一般企業法務、紛争解決等。
【連載・執筆等】幻冬舎ゴールドオンライン[連載]不当解雇、残業未払い、労働災害…弁護士が教える「身近な法律」、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他
【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、週刊女性2024年9月10日号、区民ニュース2023年8月21日

フランチャイズ契約書のひな形を紹介!重要なレビューポイント15個を解説

悩み

フランチャイズ契約書の条項をどのように定めるべきか悩んでいませんか

自社ブランドの質を維持するためにも、適切な条項の定め方は押さえておきたいところです。

フランチャイズ契約とは、ある事業者(フランチャイザー)が他の事業者(フランチャイジー)に対して、自己の商号や経営ノウハウ等を使用して事業を行う権利を与え、対価として金銭を受け取る契約をいいます

フランチャイズ契約では、条項の内容が細部にまで渡ることが多く、契約書の作成が重要とされています。

フランチャイズ契約書に入れるべき条項としては、例えば以下のものが挙げられます。

条項1:目的
条項2:使用許諾
条項3:テリトリー
条項4:排他条項
条項5:広告宣伝
条項6:経営指導
条項7:フランチャイジーの業務
条項8:フランチャイジーの義務
条項9:ロイヤリティ
条項10:譲渡禁止
条項11:有効期間
条項12:契約解除
条項13:損害賠償
条項14:契約終了後の措置
条項15:合意管轄など…

このように、許諾の範囲やフランチャイジーの義務など、フランチャイズ契約には欠かせない条項が多くあります。

ただし、フランチャイズ契約書の条項は自社のビジネスプランと衝突することもあり、慎重に検討することが求められます

実は、フランチャイジーにテリトリー権を広く認めてしまい、自社の事業拡大が難しくなってしまったということもあるのです

この記事をとおして、フランチャイズ契約書における適切な条項の定め方について知っていただければと思います。

今回は、フランチャイズ契約書のひな形を紹介した上で、各条項のレビューポイントについて解説していきます。

具体的には、以下の流れで解説していきます。

この記事を読めば、フランチャイズ契約書の条項をどのように定めるべきかよくわかるはずです。

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1章 フランチャイズ契約とは?

フランチャイズ契約とは、ある事業者(フランチャイザー)が他の事業者(フランチャイジー)に対して、自己の商号や経営ノウハウ等を使用して事業を行う権利を与え、対価として金銭を受け取るという両者の継続的な関係をいいます

フランチャイズ契約とは?

フランチャイズ契約には、大きく分けて以下のような契約類型があります。

フランチャイズ契約の種類

フランチャイズ契約と言われた場合、一般的にはビジネス・フォーマット・フランチャイズを意味することが多いです。

他には、販売形態という点から以下のように区別されることもあります。

フランチャイズ契約の販売形態


2章 フランチャイズ契約書のひな形

フランチャイズ契約書のひな形は以下のとおりです。

フランチャイズ契約書 ひな型

フランチャイズ契約書 ひな型①

フランチャイズ契約書 ひな型②

フランチャイズ契約書 ひな型③

フランチャイズ契約書 ひな型④

 

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3章 フランチャイズ契約書に入れるべき条項15個|条項のレビューポイントを解説

フランチャイズ契約は長期的な契約のため、トラブルを避けるために入れるべき条項があります

フランチャイズ契約書に入れるべき条項は以下のとおりです。

条項1:目的
条項2:使用許諾
条項3:テリトリー
条項4:排他条項
条項5:広告宣伝
条項6:経営指導
条項7:フランチャイジーの業務
条項8:フランチャイジーの義務
条項9:ロイヤリティ
条項10:譲渡禁止
条項11:有効期間
条項12:契約解除
条項13:損害賠償
条項14:契約終了後の措置
条項15:合意管轄
(条項16:中途解約)
(条項17:連帯保証)

それでは各条項について順番に解説していきます。

3-1 条項1:目的

フランチャイズ契約書に入れるべき条項1個目は、目的です。

第1条(目的)
甲は、乙に対し、次に記載する所在地の店舗(以下、「本件店舗」とする。)において、甲が指定する商品を製造販売するため、甲の名義を用いて営業する権利を与える。
所在地:●●●●●●●●●●●●●●●●●
【修正例‐特約店契約】
1 甲は、乙を特約店として指定し、甲が指定する商品(以下「本件商品」とする)を継続的に売り渡し、乙はこれを買い受けるものとする。
2 乙は、甲の特約店として、自己の名義と計算において本件商品を販売するものとする。

目的条項では、締結するフランチャイズ契約の内容を明らかにすることになります

契約内容によって定め方は異なりますが、販売形態によって定め方が大きく変わります。

例えば、販売フランチャイズ契約では、権利を与えるに至った目的と、権利を与える旨を明らかにすることがあります。

他方で、特約店契約では、フランチャイジーがフランチャイザーから商品を買い受け、自己の名義で販売することを明らかにすることがあります。

3-2 条項2:使用許諾

フランチャイズ契約書に入れるべき条項2個目は、使用許諾です。

第2条(使用許諾)
 甲は、乙に対し、甲が定めた商標、商号あるいはサービスマーク(以下、「商標等」という。)並びに、経営ノウハウを使用することを許諾する。ただし、乙は、商標等の使用に当たっては、甲の指示に従わなければならない。

販売フランチャイズ契約では、フランチャイザーがフランチャイジーに対して使用を認める権利等を定めることになります

ただし、フランチャイザーは、この規定によって名義貸し責任を負うおそれがあるため、どのような範囲で使用許諾するのかを明確にしておくことが重要です。

3-3 条項3:テリトリー

フランチャイズ契約書に入れるべき条項3個目は、テリトリーです。

第3条(テリトリー)
 甲は、乙のフランチャイズ地域を●●とする。なお、甲は、乙のフランチャイズ地域において、他のフランチャイジーの営業を許可しないものとする。
【修正例‐特約店契約】
1 乙は、●●県の●●市において、本件商品を独占的に販売できる(以下「本件地域」という)ものとする。
2 甲は、本件地域において、自ら本件商品を販売してはならず、乙以外を特約店として指定してはならない。
3 乙は、本件地域以外においては、本件商品を積極的に販売しないものとする。

テリトリー制は、指定したフランチャイズ地域においては、他のフランチャイジーに営業許可を与えないことをいいます

複数のフランチャイジーを募集している場合には、フランチャイジー間でのトラブルを防止するために設けられることがあります。

なお、特約店契約の場合には、テリトリー制に似た規定が設けられることがあります。

3-4 条項4:排他条項

フランチャイズ契約書に入れるべき条項4個目は、排他条項です。

第4条(排他条項)
 乙は、契約期間中は、甲が指定する商品と競合する他社の商品を取り扱ってはならない。

排他条項は、フランチャイザーと競合する他社の商品の販売を禁止するもので、競争品取扱禁止規定といわれることもあります

このような規定は独占禁止法に反しないか問題となりますが、契約期間中など制限が合理的であれば同法に違反しないと考えられています。

3-5 条項5:広告宣伝

フランチャイズ契約書に入れるべき条項5個目は、広告宣伝です。

第5条(広告宣伝)
1 乙は、広告宣伝について、甲が指定する統一した方法で行うものとし、その費用の負担は別途協議して定めるものとする。
2 乙は、独自に広告宣伝を行う場合、事前に甲の書面による承諾を得なければならない。この場合、広告宣伝の費用は乙の負担とする。

フランチャイズ契約では、広告宣伝の統一を求められることがあります。

というのも、フランチャイザーの商品を販売するので、ブランドの一貫性を確保する必要があるためです。

なお、フランチャイジーは、販売地域に適した宣伝をするために、独自の広告宣伝ができる可能性を残しておくことがあります。

3-6 条項6:経営指導

フランチャイズ契約書に入れるべき条項6個目は、経営指導です。

第6条(経営指導)
 甲は、乙に対し、本件店舗の営業について次の指導を行い、甲が指定する商品の製造販売に関する経営ノウハウの技術を習得させるものとする。
(1) 店舗の立地条件の選定、店舗設計、工事請負業者に関する指導
(2) 商品配置、管理に限らず、教育研修や会計業務等の営業全般に関する指導
(3) その他、本件店舗の営業に必要な指導

フランチャイザーは、ブランドの質を維持するために、フランチャイジーに対して経営指導を行うことがあります。

経営指導の内容は契約に依存するため、どのような指導内容になるかは当事者の意思に委ねられています。

経営指導の内容としては、例えば以下のようなものを定めることがあります。

・マニュアルの交付
・フランチャイザーによる研修
・開業後におけるスーパーバイザーによる指導

3-7 条項7:フランチャイジーの業務

フランチャイズ契約書に入れるべき条項7個目は、フランチャイジーの業務です。

第7条(フランチャイジーの業務)
1 乙は、関係法規に違反しない限り、甲の指定する方式によって営業を実施しなければならない。
2 乙は、甲の指定する営業の方式を完全に実施し、商品の品質を維持するため、甲の指定する原材料を使用しなければならない。
3 乙は、商品の販売価格について、関係法規に違反しない限り、甲の指定する価格に設定しなければならない。

フランチャイジーの業務内容をどのように定めるかは、個別の契約によるところが大きいです。

例えば、以下のような事項につき業務内容を定めることがあります。

・営業方式(場所、設備、営業時間、顧客サービス等)
・使用する原材料
・販売価格
・報告義務(品質管理、売上等)
・立入調査の留保

3-8 条項8:フランチャイジーの義務

フランチャイズ契約書に入れるべき条項8個目は、フランチャイジーの義務です。

第8条(フランチャイジーの義務)
1 乙は、本件契約の有効期間中、及び第11条(有効期間)の規定により存続する期間中は、甲の事前の書面による承諾を得ることなく、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 甲の事業と同一又は類似の事業を営むこと
(2) 甲の事業と同種又は類似のフランチャイズ事業に参加すること
2 乙は、本契約の履行に際して知り得た相手方の情報を秘密として保持し、かつ、保持している秘密は、本契約の目的以外に使用せず、相手方の事前の同意なく、第三者に開示又は漏洩してはならない。ただし、次の各号に掲げる情報は秘密に含まれないものとする。
(1) 受領の時点において既に公知となっていた情報
(2) 受領後に受領者の責めに帰すべき事由によらずに公知となった情報
(3) 受領の時点で受領者が保有していた情報
(4) 正当な権限を有する第三者から開示された情報
(5) 官公署又は法的手続により提出を命じられた情報

フランチャイザーは、ブランド価値を維持するために、フランチャイジーに対して競業避止義務や秘密保持義務を定めることがあります。

義務の期間は、情報としての価値が高い契約期間中に加え、契約終了後一定期間とされることが多いです。

なお、契約終了後の義務違反について違約金が定められることもあります。

3-9 条項9:ロイヤリティ

フランチャイズ契約書に入れるべき条項9個目は、ロイヤリティです。

第9条(ロイヤリティ)
1 乙は、甲に対し、本契約締結と同時に、フランチャイズ加盟金として、金●●万円を支払うものとする。加盟金は、いかなる場合においても返還しないものとする。
2 乙は、甲に対し、ロイヤリティとして、毎月総売り上げの●%に相当する金員を、月末締めの翌月●●日限り、支払わなければならない。

フランチャイズ契約では、ロイヤリティに関して以下の事項を定めることがあります。

・加盟金
・ロイヤリティ

加盟金は、フランチャイズ契約の締結後に開示される情報や経営指導に対する費用として定められることがあります。

他方で、ロイヤリティは、フランチャイズ契約の対価として支払われるべき金銭をいいます。

例えば、使用許諾や開業後の経営指導に対する対価として定められることがあります。

ロイヤリティの定め方には以下のような方法があり、それぞれを組み合わせることもあります。

ロイヤリティの定め方

3-10 条項10:譲渡禁止

フランチャイズ契約書に入れるべき条項10個目は、譲渡禁止です。

第10条(譲渡禁止)
甲及び乙は、相手方の書面による事前の承諾がない限り、本契約によって生じた契約上の地位を移転し、又は本契約によって生じた自己の権利義務の全部若しくは一部を、第三者に譲渡し、若しくは第三者の担保に供してはならない。

譲渡禁止条項は、契約上の権利義務を第三者に譲渡することを禁止するものです

主に、相手方選定の重要性に着目し、契約の相手方を固定するために設けられることが多いです。

特に、フランチャイズ契約ではブランドの質を保つため、相手方を選ぶ必要性は高いといえます。

実際に定める場合、以下の事項に注意することが重要になります。

・債権債務の内容
・譲渡禁止の主体
・承諾の方法

譲渡禁止条項については以下の記事で詳しく解説しています。

3-11 条項11:有効期間

フランチャイズ契約書に入れるべき条項11個目は、有効期間です。

第11条(有効期間)
1 本契約の有効期間は、令和●年●月●日をより令和●年●月●日までの●年間とする。
2 期間満了の●ヶ月前までの間に、いずれの当事者からも書面による更新拒絶の意思表示がない場合、同じ条件で●年間更新されるものとし、その後も同様とする。
3 本契約の終了にかかわらず、第8条(フランチャイジーの義務)、第13条(損害賠償)、第15条(合意管轄)の効力は●年間存続するものとする。

自動更新条項は、契約期間満了前に当事者から拒絶の意思表示がなければ、自動的に契約期間が更新されるものをいいます

拒絶可能期間は、2週間~1ヶ月程度に設定されることが多い傾向にあります

自動更新条項については以下の記事で詳しく解説しています。

また、存続条項は、指定した条項について、契約終了後も効力がある旨を規定するものです

存続期間は2~5年程度にされることが多いですが、情報の陳腐化が早いものについては1年程度とされることもあります。

存続条項については以下の記事で詳しく解説しています。

3-12 条項12:契約解除

フランチャイズ契約書に入れるべき条項12個目は、契約解除です。

第12条(契約解除)
1 甲及び乙は、相手方が次の各号の一に該当する場合、相手方に対して相当の期間を定めて催告をし、その期間内に改善する見込みがないときは、契約を解除することができる。
(1)本契約に定める条項に違反があったとき
(2)監督官庁より営業許可の取消し等の行政処分を受けたとき
(3)支払停止もしくは支払不能の状態に陥ったとき
(4)差押え、仮差押え、仮処分若しくは競売の申立て、公租公課の滞納処分、その他公権力による処分を受けたとき
(5)破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算手続開始の申立てを受け、又は自ら申立てを行ったとき
(6)会社の解散、合併、分割、事業の全部若しくは重要な一部の譲渡の決議をしたとき
(7)その他、前各号に準じる事由が生じたとき
2 前項の規定により解除権を行使する者は、相手方の責めに帰すべき事由の有無を問わず、解除権を行使することができるものとする。
3 乙は、第1項に掲げる事由の1つに該当する場合、相手方に対して負っている債務について当然に期限の利益を喪失し、直ちにその債務を弁済しなければならない。

契約解除条項は、一定の事由が発生した場合に契約の解除できる旨を定めておくものです

解除は民法の規定にもありますが、解除事由を明らかにするために設けられることが多いです。

ただし、契約の解除は優越的地位の濫用にあたるおそれがあるため、解約事由や手続を明らかにしておくことが望ましいです。

また、期限の利益喪失条項は、一定の事由の発生によって履行期限を繰り上げるものです。

喪失事由は解除事由と重なる部分が多く、緊急性の高いものが定められやすいです。

期限の利益喪失条項については以下の記事で詳しく解説しています。

3-13 条項13:損害賠償

フランチャイズ契約書に入れるべき条項13個目は、損害賠償です。

第13条(損害賠償)
甲または乙は、本契約に違反して相手方に損害を与えたときは、相手方に対し、その損害(弁護士費用を含むがこれに限られない)を賠償する責任を負う。

損害賠償条項は、契約違反があった場合に備えて、当事者が損害賠償の条件をあらかじめ定めておくものです

実際に定める場合、以下の事項に注意することが重要になります。

・故意過失の範囲(故意重過失または故意過失を問わず)
・損害の範囲(通常・特別損害、直接・間接損害、賠償額の上限、弁護士費用等)
・損害賠償の期間(5年または任意の期間)
・規定内容の合理性や公平性

損害賠償条項については以下の記事で詳しく解説しています。

3-14 条項14:契約終了後の措置

フランチャイズ契約書に入れるべき条項14個目は、契約終了後の措置です。

第14条(契約終了後の措置)
 乙は、本契約が有効期間満了又は契約解除により終了した場合、本店舗に係るフランチャイズ加盟店としての一切の権利を失うものとする。

契約終了後の措置は、契約終了後における権利関係や貸与物の扱い等を定めるものです

フランチャイズ契約では、使用を許諾した権利の停止に加え、店舗や看板などの処理について定められることがあります。

また、経営指導においてマニュアル等を交付した場合には、マニュアルの返還について定めることもあります。

3-15 条項15:合意管轄

フランチャイズ契約書に入れるべき条項15個目は、合意管轄です。

第15条(合意管轄)
本契約に関連する訴訟については、○○地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

合意管轄条項は、トラブルの発生に備えて予め訴訟を提起する裁判所を合意で決めておくものです

合意管轄は専属的合意管轄を定めるのが一般的とされており、その場合には「専属的」という文言を入れることが重要になります。

合意管轄条項については以下の記事で詳しく解説しています。

3-16 (条項16:中途解約)

フランチャイズ契約書に入れるべき条項16個目は、中途解約です。

第○条(中途解約条項)
1 甲および乙は、契約の期間満了前において、相手方に対して●ヶ月前に書面で予告することにより、本契約の全部または一部を中途解約することができる。
2 前項に基づく中途解約権を行使した当事者は、相手方に対して違約金●万円を支払うものとする。

中途解約条項とは、継続的な契約において、契約期間が満了する前に契約を終了させることができるものをいいます

中途解約権は、解除の可能性を残しておくことで、予測が難しい事情の変動に対応するために設けられることがあります。

実際に定める場合、中途解約権の行使方法や違約金等を定めておくことが重要になります。

また、フランチャイズ契約においては、月半ばで中途解約した場合におけるロイヤリティの算定方法を定めておくこともあります。

中途解約条項については以下の記事で詳しく解説しています。

3-17 (条項17:連帯保証)

フランチャイズ契約書に入れるべき条項17個目は、連帯保証です。

第○条(連帯保証)
連帯保証人●●は、甲に対して、本契約に基づき生じる乙の一切の債務について、乙と連帯して保証する。

連帯保証人がいる場合、フランチャイズ契約書にその旨を定めておくことがあります。

この場合、保証契約と連帯保証契約の区別を明らかにするため、「連帯して」という文言を入れることが重要になります。


4章 フランチャイズ契約書作成の注意点3つ

フランチャイズ契約は長期的な関係になるため、条項の内容次第で重大な影響を受けることもあります

フランチャイズ契約書作成の注意点は以下のとおりです。

注意点1:独占禁止法に違反していないか
注意点2:契約期間が適切か
注意点3:違約金の金額が適切か

それでは各条項について順番に解説していきます。

4-1 注意点1:独占禁止法に違反していないか

フランチャイズ契約書作成の注意点1つ目は、独占禁止法に違反していないかです。

フランチャイズ契約では、フランチャイジーが独立事業者であることから、独占禁止法の適用があります。

そのため、フランチャイズ契約では、フランチャイザーが優位になりやすいことから、独占禁止法に反しないか問題となることがあります

独占禁止法上で問題となりやすいものは、例えば以下のようなものがあります。

・欺瞞的顧客誘引
・優越的地位の濫用
・抱き合わせ販売等
・加盟社の販売価格の制限など…

独占禁止法に違反した場合、排除措置命令や課徴金納付命令など、企業に重大な影響を与える処分がされることになります。

そのため、独占禁止法違反になるのを避けるため、条項の内容は慎重に検討することが求められます。

独占禁止法との関係で注意すべき点については、公正取引委員会が公開しているフランチャイズ・ガイドラインを参考にするといいでしょう。

公正取引委員会-フランチャイズ・ガイドライン

4-2 注意点2:契約期間が適切か

フランチャイズ契約書作成の注意点2つ目は、契約期間が適切かです。

フランチャイズ契約において契約期間は自由とされていますが、長めの期間を設定することが多いです

というのも、フランチャイジーが資本を回収するために十分な期間を設ける必要があるためです。

一般的には、3~5年程度とされていますが、3年以下あるいは5年以上の期間を定めることもあります。

例えば、コンビニ等のフランチャイズ契約では、設備投資に必要な額が莫大なため、5年以上とされることもあります。

そのため、どの程度の期間を定めるべきかは、契約内容に照らして判断することが重要になります

4-3 注意点3:違約金の金額が適切か

フランチャイズ契約書作成の注意点3つ目は、違約金の金額が適切かです。

中途解約権や契約終了後の義務について定める場合、併せて違約金が定められることがあります。

違約金の金額は個別の契約に委ねられていますが、高すぎる違約金は無効になるおそれがあります

例えば、中途解約権を行使した場合、その理由を問わず違約金を一律1000万円とする規定は無効とされるおそれがあります。

そのため、違約金を定める場合には、適切な金額を定めることが重要になります。

例えば、以下の事項を考慮して違約金を定めることがあります。

【中途解約権】
・初期投資額
・中途解約権を行使した時期
・中途解約理由
・再販売の可能性など…

【契約終了後の義務違反】
・義務の内容
・義務違反の程度
・契約違反による損害など…

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5章 フランチャイズ契約書の印紙税

フランチャイズ契約書は、「継続的取引の基本となる契約書」として第7号文書に該当します国税庁‐印紙税額の一覧表)。

そのため、フランチャイズ契約書を作成する場合、4000円の印紙税が必要になります。


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7章 まとめ

以上のとおり、今回は、フランチャイズ契約書のひな形を紹介した上で、各条項のレビューポイントについて解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

まとめ

・フランチャイズ契約とは、ある事業者(フランチャイザー)が他の事業者(フランチャイジー)に対して、自己の商号や経営ノウハウ等を使用して事業を行う権利を与え、対価として金銭を受け取る契約をいいます。

・フランチャイズ契約書に入れるべき条項は以下の15個です。
条項1:目的
条項2:使用許諾
条項3:テリトリー
条項4:排他条項
条項5:広告宣伝
条項6:経営指導
条項7:フランチャイジーの業務
条項8:フランチャイジーの義務
条項9:ロイヤリティ
条項10:譲渡禁止
条項11:有効期間
条項12:契約解除
条項13:損害賠償
条項14:契約終了後の措置
条項15:合意管轄

・フランチャイズ契約書作成の注意点は以下の3つです。
注意点1:独占禁止法に違反していないか
注意点2:契約期間が適切か
注意点3:違約金の金額が適切か

・フランチャイズ契約書には4000円の印紙税が必要になります。

この記事が、フランチャイズ契約書のひな形について知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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