モンスター社員とは?6つの特徴と簡単な見分け方を解説【事例付き】

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著者情報 弁護士 籾山 善臣

リバティ・ベル法律事務所|神奈川県弁護士会所属 
取扱分野は、人事労務、一般企業法務、紛争解決等。
WEBサイト制作等を行うリバティ・ベル株式会社の代表取締役も務める。
【連載・執筆等】幻冬舎ゴールドオンライン[連載]不当解雇、残業未払い、労働災害…弁護士が教える「身近な法律」、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他
【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、区民ニュース2023年8月21日

モンスター社員とは?6つの特徴と簡単な見分け方を解説【事例付き】

悩み

モンスター社員とは何かその特徴や見分け方を知りたいと悩んでいませんか

社員の問題行動にモンスター社員なのではないかと感じてしまうこともありますよね。

モンスター社員とは、職場での勤務態度や言動等に著しく問題のある社員のことです。

モンスター社員にはいくつかの特徴があり、例えば以下の6つが挙げられます。

・協調性不足型
・自信過剰型
・素行不良型
・能力不足型
・自己中心型
・家族介入型

モンスター社員を放置しておくと、会社の生産性は低下し、他の従業員にも心理的負担が蓄積していくことになります。

モンスター社員による被害は、採用時にモンスター社員であることを見分けることで未然に防ぐことが大切です。

万が一、採用後にモンスター社員であることが発覚してしまった場合には、適切に対応していくことにより被害を最小限にとどめる必要があります。

実は、近年、モンスター社員に関する相談が増加傾向にあり、紛争にまで発展してしまうケースも珍しくありません

モンスター社員に関する悩みは企業規模が大きくなってくると必然的に生じる問題であり避けて通ることはできません。

この記事をとおして、モンスター社員についてよく知っていただき、健全な職場環境の維持に役立てていただければと思います

今回は、モンスター社員とは何かその意味を説明したうえで、6つの特徴と簡単な見分け方を解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事で分かること

この記事を読めば、モンスター社員とは何かがよくわかるはずです。

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1章 モンスター社員とは?

モンスター社員とは、職場での勤務態度や言動等に著しく問題のある社員のことです。

モンスター社員には様々な種類がありますが、いずれも、職場の雰囲気を悪くし、チームの生産性や士気に悪影響を与えることがある点で共通しています。

モンスター社員に性別や年代は関係なく、その人のパーソナルが原因であることが多いですが、会社の環境も相俟ってモンスター化しているケースもあります。

ただし、会社に都合の悪いことをいう社員がすべてモンスター社員というわけではないことに留意する必要があります

例えば、社員からの耳の痛い意見があったとしても、その意見に正当性が認められる場合には、誠実に対応するべき場合もあります。

そのため、企業の経営者や人事担当者は、安易にモンスター社員との烙印を押すことがあってはならず、客観的な立場から冷静に社員と向き合っていきましょう。

~モンスター社員に係る事例~

モンスター社員に関する事例を1つ挙げると、例えばよくあるのは以下のようなケースです。

A社では、新入社員の佐藤さんがマーケティング部門に所属していました。彼は採用面接で好印象を与え、問題がないと判断されて採用されました。しかし、実際に業務を開始してみると、彼の態度が一変しました。

モンスター社員に係る事例①

あるプロジェクトで、チームは新製品のプロモーション戦略を立案していました。佐藤さんは、自分が提案したインフルエンサーマーケティングが最善であると主張しましたが、他のチームメンバーはより費用対効果の高い戦略を提案しました。佐藤さんは他のメンバーの意見を一切聞き入れず、自分の考えが正しいということを証明しようと、無断でインフルエンサーに連絡しました。

モンスター社員に係る事例②

さらに、佐藤さんはプロジェクトの締め切りが迫る中、自分の業務を遅れさせるばかりか、他のメンバーにも余計な手間をかけました。彼は、自分が遅れた理由をコンピューターのトラブルや他のメンバーの不手際に転嫁し、全く自分の責任を認めようとしませんでした。

モンスター社員に係る事例③

上司は佐藤さんに改善を促すフィードバックを行いましたが、彼は逆ギレし、その場で上司に対して「自分は間違っていない」と大声で主張しました。その後も彼の態度は改善されず、チームの雰囲気が悪化し、他のメンバーのストレスが増加しました。

モンスター社員に係る事例④

最終的に、A社は佐藤さんを解雇する決断をしました。彼のモンスター社員としての行動は、チームの働きやすさや生産性に大きな悪影響を与え、企業全体にもマイナスの影響を及ぼしました。

モンスター社員に係る事例⑤


2章 モンスター社員の特徴6つ

モンスター社員の種類は千差万別ですが、いくつかの特徴があります。

その特徴を類型化すると、例えば以下の6つがあります。

特徴1:協調性不足型
特徴2:自信過剰型
特徴3:素行不良型
特徴4:能力不足型
特徴5:自己中心型
特徴6:家族介入型

モンスター社員の特徴6つ

それぞれの特徴について順番に説明していきます。

2-1 特徴1:協調性不足型

モンスター社員の特徴の1つ目は、協調性不足型です。

協調性不足というのは、個人がチームや他のメンバーと適切に協力しない態度や行動のことを指します

以下のような事項が協調性不足の典型的な例です。

例1 情報の非共有 自分が持っている情報や知識を他のチームメンバーと共有しないことで、チーム全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。
例2 意思決定への不参加 チームの意思決定プロセスに消極的であったり、意見を表明しないことで、チーム内のコミュニケーションが悪化し、問題解決が難しくなることがあります。
例3 タスクの遅れ 自分の仕事を遅らせることで、他のチームメンバーの進捗が遅れたり、プロジェクトの全体的なスケジュールが遅れる可能性があります。
例4 他人への協力拒否 他のメンバーからの協力要請を無視したり、協力を拒否することで、チームの生産性や士気に悪影響を与えることがあります。
例5 批判的な態度 チームメンバーの意見やアイデアを否定的に評価したり、批判的な態度をとることで、チームの雰囲気が悪化し、創造性が阻害されることがあります。

2-2 特徴2:自信過剰型

モンスター社員の特徴の2つ目は、自信過剰型です。

自信過剰とは、自分の能力や知識、経験を過大評価し、現実よりも高い自己評価を持つ状態を指します。

以下のような事項が自信過剰の典型的な例です。

例1 適切な助言やフィードバックを受け入れない 自分の知識やスキルに過剰な自信を持つことで、他人からの助言やフィードバックを受け入れない態度を取ることがあります。
例2 リスクの過小評価 自分の能力に過剰な自信を持つことで、プロジェクトやタスクに潜むリスクを過小評価し、適切な対策や準備を怠ることがあります。
例3 責任の逃れ 自分の能力を過大評価することで、ミスや失敗が発生した場合、自分の責任を認めず、他人や状況のせいにすることがあります。
例4 他人の能力を過小評価 自分の能力を過大評価することで、他人の能力や知識を過小評価し、協力やサポートが必要な状況で他人を見下す態度を取ることがあります。
例5 コミュニケーションの不足 自信過剰な人は、自分の意見やアイデアが最善であると信じるあまり、他人との意見交換やディスカッションを避けることがあります。
例6 過剰なプレッシャー 自分の能力を過大評価することで、他人に対して過剰なプレッシャーをかけることがあり、チームの雰囲気や生産性に悪影響を与えることがあります。

2-3 特徴3:素行不良型

モンスター社員の特徴の3つ目は、素行不良型です。

素行不良とは、職場で不適切な行動や態度を繰り返し示すことを指します。

以下のような事項が素行不良の典型的な例です。

例1 遅刻や欠勤 繰り返し無断で遅刻や欠勤をすることは、職場のルールや規律を守っていないとみなされます。
例2 職務怠慢 自分の仕事を怠けたり、適切に遂行しないことで、チームの生産性や他の従業員に悪影響を与えることがあります。
例3 嘘や情報の隠蔽 職場で嘘をついたり、重要な情報を隠蔽することは、他の従業員との信頼関係を損なうことにつながります。
例4 他人への嫌がらせやいじめ 職場で他の従業員に対して嫌がらせやいじめを行うことは、職場の雰囲気を悪化させ、従業員の士気を低下させることがあります。
例5 盗みや横領 職場で他人の財産や会社の資源を盗んだり、横領する行為は、法的な問題を引き起こすだけでなく、職場内の信頼を損なうことがあります。
例6 酒気帯びや薬物使用 職場でアルコールや薬物による影響下で仕事をすることは、職務遂行能力を低下させ、他の従業員や顧客に危険を及ぼす可能性があります。

2-4 特徴4:能力不足型

モンスター社員の特徴の4つ目は、能力不足型です。

能力不足とは、従業員が自分の職務を適切に遂行するために必要なスキル、知識、経験が不十分である状態を指します。

以下のような事項が能力不足の典型的な例です。

例1 仕事の遅れ 能力不足の従業員は、タスクやプロジェクトを期限内に完了できないことがあり、他のチームメンバーや部門に遅れが生じることがあります。
例2 低い品質の仕事 スキルや知識が不足していると、仕事の品質が低くなり、顧客やビジネスパートナーに悪影響を与える可能性があります。
例3 他の従業員への負担 能力不足の従業員がいると、他の従業員が彼らの仕事を補完したり、フォローしたりする必要があり、ストレスや負担を増やすことがあります。
例4 コミュニケーションの問題 能力不足の従業員は、適切な情報伝達や意思疎通が難しくなることがあります。
例5 チームの士気低下 能力不足の従業員がいるチームでは、他のチームメンバーの士気が低下することがあります。

2-5 特徴5:自己中心型

モンスター社員の特徴の5つ目は、自己中心型です。

仕事における自己中心とは、職場で他人の意見や感情を無視し、自分の利益や目的にのみ焦点を当てる態度を指します。

以下のような事項が自己中心の典型的な例です。

例1 協力の拒否 他のチームメンバーが助けを求めたり、サポートが必要な状況で、自分の仕事に集中することを理由に協力を拒否することがあります。
例2 他人の意見やフィードバックを無視 自己中心的な人は、自分の意見やアイデアが最善であると信じるあまり、他人からの意見やフィードバックを無視することがあります。
例3 会議やディスカッションでの独占 他のチームメンバーが発言する機会を与えず、自分の意見やアイデアを独占的に押し付けることで、チーム内のコミュニケーションが悪化する可能性があります。
例4 優先順位の強要 自分のタスクやプロジェクトを他の人のものより優先させることを強要し、チーム内のバランスや連携を損なうことがあります。
例5 責任の逃れやなすりつけ ミスや問題が発生した場合、自己中心的な人は他のメンバーに責任を押し付け、自分は関与していないと主張することがあります。

2-6 特徴6:家族介入型

モンスター社員の特徴の6つ目は、家族介入型です。

家族介入とは、従業員の家族が職場の問題や状況に関与し、影響を及ぼすことを指します。

以下のような事項が家族介入の典型的な例です。

例1 家族が従業員の仕事について口出しする 家族が従業員の仕事の進め方や、同僚との関係について意見を述べることで、プロフェッショナルな境界が曖昧になり、職場の状況が悪化することがあります。
例2 家族が職場の問題解決に関与する 従業員が職場の問題や紛争に対処する際に、家族が関与し、解決策を提案したり、他の従業員とコミュニケーションを取ったりすることがあります。これは、職場の問題が適切に解決されない原因となることがあります。
例3 家族が従業員の評価や昇進に影響を与える 家族が従業員の上司や同僚とコミュニケーションを取り、従業員の評価や昇進に影響を与えようとすることがあります。これは、評価や昇進の公正性を損なうことがあります。
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3章 モンスター社員によるリスク

モンスター社員は、職場で問題行動を起こし、周囲の従業員や組織に悪影響を与えるため、企業にとって大きなリスクとなります

モンスター社員が存在することによるリスクは多岐にわたり、以下にその主なリスクを示します。

 

リスク

内容

生産性の低下

モンスター社員が仕事を適切にこなさないことで、チーム全体の生産性が低下する可能性があります。

従業員の士気低下

モンスター社員の問題行動が、他の従業員の士気ややる気を低下させることがあります。

高い従業員の退職率

モンスター社員と働くことにストレスを感じたり、職場環境が悪化したりすることで、他の従業員が退職する可能性が高まります。

悪化する企業イメージ

モンスター社員の問題行動が顧客やビジネスパートナーに知られると、企業のイメージが悪化し、ビジネスに悪影響を与えることがあります。

法的リスク

モンスター社員がいじめやセクシャルハラスメントなどの違法行為を行った場合、企業は法的責任を負うことがあります。

職場の安全性の低下

モンスター社員が職場で危険な行為や過失を起こすことで、他の従業員の安全が脅かされることがあります。

~モンスター社員による逆パワハラ~

逆パワハラとは、部下が上司に対して、業務上必要な範囲を超えて、優越的な関係を背景とした言動を行い、職場環境を害することです。

モンスター社員を放置していると、「指示をするとため息や反発をする」、「上司を無視する、「上司に対する非難や罵倒等の暴言」、「上司に対する暴力」、「パワハラで訴える等の威嚇」等の問題が生じることがあります。

このような問題が生じると、担当上司などの他の従業員に対して重大な支障を生じさせかねず、最悪の場合、他の従業員が退職していってしまいます

そのため、逆パワハラには早急に適切な対応をする必要があります。

モンスター社員による逆パワハラについては、以下の記事で詳しく解説しています。

 


4章 モンスター社員の見分け方|チェックリスト付き

モンスター社員による被害は、採用時にモンスター社員であることを見分けることで未然に防ぐことが大切です。

採用時にモンスター社員を見分けるための確認事項は以下のとおりです。

確認事項1:職務経歴
確認事項2:人間関係のスキル
確認事項3:責任感
確認事項4:柔軟性
確認事項5:適切な自己評価
確認事項6:信頼性
確認事項7:モチベーション
確認事項8:インテグリティ
確認事項9:参考人の意見
確認事項10:説明責任

それでは各確認事項について順番に解説していきます。

4-1 確認事項1:職務経歴

モンスター社員を見分けるための確認事項の1個目は、職務経歴です。

応募者の職務経歴を詳細に確認し、経験やスキルが求められる職種に適しているかを検討します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。

質問1:「これまでの職務経歴で最も達成感を感じたプロジェクトは何ですか?」
質問2:「過去の職務経歴で直面した困難な状況と、それをどのように解決したか教えてください。」

 

4-2 確認事項2:人間関係のスキル

モンスター社員を見分けるための確認事項の2個目は、人間関係のスキルです。

面接時に応募者のコミュニケーションスキルや協調性を評価し、他の従業員と円滑に働けるかどうかを判断します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。

質問1:「チームで協力してタスクを完了する際、どのような役割を担いたいですか?」
質問2:「過去にチーム内で意見が対立した経験がある場合、どのようにして解決しましたか?」

4-3 確認事項3:責任感

モンスター社員を見分けるための確認事項の3個目は、責任感です。

過去の職務において、応募者が責任を持って仕事に取り組んでいたかどうかを確認します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。

質問1:「自分が負った重大な失敗やミスについて、その後どのように対処しましたか?」
質問2:「責任あるポジションで働いた経験がある場合、その際にどのような成果を上げましたか?」

4-4 確認事項4:柔軟性

モンスター社員を見分けるための確認事項の4個目は、柔軟性です。

応募者が変化に対応できる柔軟性があるかどうかを評価します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。

質問1:「急な変化に対処する必要があった経験について、どのように対応しましたか?」
質問2:「新しい技術や方法に適応する際、どのようなアプローチを取りましたか?」

4-5 確認事項5:適切な自己評価

モンスター社員を見分けるための確認事項の5個目は、適切な自己評価です。

面接時に、応募者が自分の強みや弱みを適切に認識し、評価できるかどうかを確認します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。

質問1:「自分の強みと弱みについて説明してください。」
質問2:「弱みを克服するためにどのような取り組みをしていますか?」

4-6 確認事項6:信頼性

モンスター社員を見分けるための確認事項の6個目は、信頼性です。

応募者が約束や期限を守る信頼性があるかどうかを判断します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。

質問1:「締め切りを守ることが難しかった経験がある場合、どのように対処しましたか?」
質問2:「他人から信頼される理由は何だと思いますか?」

4-7 確認事項7:モチベーション

モンスター社員を見分けるための確認事項の7個目は、モチベーションです。

応募者が仕事に対して真剣であり、意欲的に取り組むかどうかを評価します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。

質問1:「この仕事に応募した理由は何ですか?」
質問2:「仕事において最もやりがいを感じる瞬間は何ですか?」

4-8 確認事項8:インテグリティ

モンスター社員を見分けるための確認事項の8個目は、インテグリティです。

面接時や履歴書の内容から、応募者が誠実さや品位を持っているかどうかを判断します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。
「職場での倫理的な判断が求められた経験について、どのように対処しましたか?」
「自分が尊敬する人物やその理由について説明してください。」

4-9 確認事項9:参考人の意見

モンスター社員を見分けるための確認事項の9個目は、参考人の意見です。

応募者の過去の同僚や上司からの評価や意見を参考に、問題行動の兆候があるかどうかを確認します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。

質問1:「過去の上司や同僚に、あなたをどのように評価してもらえると思いますか?」
質問2:「参考人として連絡してもよい過去の上司や同僚の情報を提供していただけますか?」

4-10 確認事項10:説明責任

モンスター社員を見分けるための確認事項の10個目は、説明責任です。

応募者が過去の失敗や問題に対して、責任を認め、学ぶ姿勢があるかどうかを評価します。

例えば、採用面接では以下のような質問を行いましょう。

質問1:「過去に失敗したプロジェクトやタスクについて、その原因と学んだことを教えてください。」
質問2:「職場での批判やフィードバックにどのように対処しますか?」
採用時チェックリスト
採用時チェックリスト1
採用時チェックリスト2
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5章 モンスター社員への対応方法

採用後にモンスター社員であることが発覚してしまった場合には、適切に対応していくことにより被害を最小限にとどめる必要があります

モンスター社員への対応方法については以下のとおりです。

モンスター社員(問題社員)への対応手順6つ

まずは、モンスター社員に問題点を指摘し、改善を促すことになります。口頭による指導で改善されない場合には、メールなどで指摘し、最終的には書面による指導を検討しましょう。

次に、定期面談を実施することにより敵的に状況を確認社員との間で認識を共有することにより、改善の実効性を高めましょう。

また、業務改善指導や定期面談を経ても改善が見込めないようであれば、懲戒処分を検討することになります。他にも、配置転換等により問題を解決できないかを検討します。

上記手段でも解決が難しい場合には、退職を検討してもらうことになります。

まずは解雇する前に退職勧奨を行い任意に退職してもらうことを試みましょう。退職勧奨に応じてもらえない場合には、十分に証拠を集めたうえで解雇を行うこと検討します。

モンスター社員への対応手順については、以下の記事で詳しく解説しています。


6章 モンスター社員に関する裁判事例

モンスター社員に関する裁判事例についてはたくさんありますが、例えば、以下のようなものが挙げられます。

会社の社員に対する損害賠償請求の裁判例1会社の社員に対する損害賠償請求の裁判例2

モンスター社員に対して損害賠償を請求する例が見られますが、故意または重大な過失がない場合には請求は認められない傾向にあります。また損害賠償請求が認められる場合でも認容金額は一部に制限される傾向にあります。

また、他の従業員がモンスター社員によるハラスメントを理由に精神疾患を発症したり、退職したりした場合には、これについて使用者責任として損害賠償を請求されることがあります

加えて、モンスター社員を解雇する事例では、不当解雇であるとして地位の確認や賃金の請求を受ける例が多く、仮に解雇が無効とされた場合には会社に大きな経済的リスクが生じます。

モンスター社員に関する裁判事例については以下の記事で詳しく解説しています。

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7章 モンスター社員の弱点

モンスター社員には、いくつかの弱点があります。

典型的な弱点を挙げると、承認欲求が強く精神的余裕がない点です。

ちょっとしたことですぐに怒ったり、落ち込んだりします。

他にも、良好な人間関係を築くことができず孤立しがちという弱点もあります。

これらの弱点がモンスター化させている場合もあり、このような弱点を理解したうえで適切にサポートや指導をしていくことが望まれます

モンスター社員の弱点については、以下の記事で詳しく解説しています。


8章 モンスター社員の末路

モンスター社員の末路は、働きづらくなり自ら退職し、再就職活動に難航することも多いです。

他の社員から嫌われて孤立してしまい、会社からも評価されず昇進できなくなってしまうのです。

もっとも、悲惨な末路となるのは、モンスター社員を放置した企業も同様であり、早急に対処をする必要があります。

モンスター社員の末路については、以下の記事で詳しく解説しています。

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9章 モンスター社員の相談は増加傾向!増加の背景は?

モンスター社員の相談は、近年、増加傾向にあります。

このようにモンスター社員に関するトラブルの増加には以下のような背景があります。

背景1 社会の競争激化 現代社会では、競争が激化し、成果主義が強まることで、自己中心的な考え方や行動が生じやすくなっています。この結果、自分の成功のために他人を蹴落とすようなモンスター社員が増加していると言われています。
背景2 企業の採用基準の変化 企業の採用基準がスキルや知識重視に変わり、人間性や協調性が見落とされることがあるため、モンスター社員が採用される可能性が高まっています。
背景3 自己主張の重要性 現代社会では、自己主張が重要視される傾向にあります。そのため、自分の意見や考えを強く主張することが過剰になり、モンスター社員のような行動につながることがあります。
背景4 SNSやインターネットの普及 SNSやインターネットの普及によって、人々は自分の意見を簡単に発信できるようになりました。これが自己中心的な考え方や行動を助長し、モンスター社員が増える一因となっています。
背景5 メンタルヘルスの問題 現代社会のストレスやプレッシャーが、人々のメンタルヘルスに影響を与えることがあります。メンタルヘルスが不安定な状態では、自己中心的で協調性に欠けるモンスター社員になりやすいとされています。

モンスター社員の問題に対しては、これらの社会背景を理解したうえで対応できるといいでしょう。


10章 モンスター社員への対応はリバティ・ベル法律事務所にお任せ

モンスター社員への対応はリバティ・ベル法律事務所にお任せください。

モンスター社員の問題は良好な職場環境や職場秩序を維持するために、状況に応じた適切な対応をする必要があります。

弁護士であれば誰でも良いというわけではなく、人事労務問題に力を入れている弁護士を探すことが重要となります。

リバティ・ベル法律事務所では、人事労務問題に圧倒的な知識とノウハウを有しており、これまでの経験をもとに最善の解決をご提案いたします。

リバティ・ベル法律事務所は、全国対応・オンライン相談可能で、最短即日でこの分野に注力している弁護士と相談することが可能です。

相談料は1時間まで1万円(消費税別)となっておりますので、まずはお気軽にご相談ください。


11章 まとめ

以上のとおり、今回は、モンスター社員とは何かその意味を説明したうえで、6つの特徴と簡単な見分け方を解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

まとめ

・モンスター社員とは、職場での勤務態度や言動等に著しく問題のある社員のことです。

・モンスター社員の特徴を類型化すると、協調性不足型、自信過剰型、素行不良型、能力不足型、自己中心型、家族介入型があります。

・モンスター社員により、生産性の低下、従業員の士気低下、高い従業員の退職率、悪化する企業イメージ、法的リスク、職場の安全性の低下等のリスクが生じます。

・採用時にモンスター社員を見分けるための確認事項は、職務経歴、人間関係のスキル、責任感、柔軟性、適切な自己評価、信頼性、モチベーション、インテグリティ、参考人の意見、説明責任です。

・モンスター社員への対応は、業務改善指導→定期面談→降格や配置転換→退職勧奨→解雇と順をおって行うことになり、いきなり解雇を行うべきではありません。

・モンスター社員に関するトラブルの増加には、社会の競争激化、企業の採用基準の変化、自己主張の重要性、SNSやインターネットの普及、メンタルヘルスの問題等の背景があります。

この記事がモンスター社員とは何かその特徴や見分け方を知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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