モンスター社員の弱点5つ!悪影響を防止する上手な付き合い方を解説

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著者情報 弁護士 籾山 善臣

リバティ・ベル法律事務所|神奈川県弁護士会所属 
取扱分野は、人事労務、一般企業法務、紛争解決等。
WEBサイト制作等を行うリバティ・ベル株式会社の代表取締役も務める。
【連載・執筆等】幻冬舎ゴールドオンライン[連載]不当解雇、残業未払い、労働災害…弁護士が教える「身近な法律」、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他
【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、区民ニュース2023年8月21日

モンスター社員の弱点5つ!悪影響を防止する上手な付き合い方を解説

悩み

モンスター社員にはどのような弱点があるか知りたいと悩んでいませんか

社員がモンスター化してしまうと、経営に専念できなくなってしまいますし、人事上の負担も増えてしまい悩みの種ですよね。

モンスター社員の弱点としては、以下の5つがあります。

弱点1:コミュニケーション能力の欠如
弱点2:チームワークの欠如
弱点3:仕事へのコミットメントの欠如
弱点4:適応性の欠如
弱点5:自己認識の欠如

このようなモンスター社員の弱点を放置しておくと、チームの指揮は低下し、リーダーシップへの信頼は失われ、優秀な従業員は離職していきます

更に、組織の生産性も低下していき、会社の評判は下がっていきます

そのため、企業はモンスター社員の弱点とどのようにして上手に付き合っていくかを考えなければなりません。

モンスター社員に対してフィードバックを提供して改善を促していくのが基本であり、公正で一貫した対応を行うこと、情緒的なリアクションは避け冷静に対応することが大切です

社内での解決が難しい場合には外部の専門家へ相談することも検討しましょう。

どうしてもモンスター社員と付き合っていくことが困難な場合には法的措置も見据えたうえで、対処をしていくことになります。

実は、私が人事労務の相談を受ける中でもモンスター社員の相談は増えていますが、インターネットなどの発達もあり対応を誤ると紛争化しやすい状況になっていると感じます

この記事を読んでモンスター社員の弱点を理解したうえで、上手に対応する方法を知っていただければと思います。

今回は、モンスター社員の弱点5つを紹介したうえで、悪影響を防止する上手な付き合い方を解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事で分かること

この記事を読めば、モンスター社員の弱点についてどのように向き合っていけばいいかがよくわかるはずです。

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1章 モンスター社員の弱点5つ

モンスター社員には、いくつかの弱点があります

モンスター社員はこれらの弱点があるために職場環境に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。

具体的には、モンスター社員の弱点は、以下の5つがあります。

弱点1:コミュニケーション能力の欠如
弱点2:チームワークの欠如
弱点3:仕事へのコミットメントの欠如
弱点4:適応性の欠如
弱点5:自己認識の欠如

モンスター社員の弱点5つ

モンスター社員の弱点5つ(ピクトグラム)

それでは順番に説明していきます。

1-1 弱点1:コミュニケーション能力の欠如

モンスター社員の弱点の1つ目は、コミュニケーション能力の欠如です。

このような社員は自分の意見を適切に伝えるのが苦手で、他人とのコミュニケーションが円滑でないことがあります。

具体的には、以下のような事項が挙げられます。

不適切な言葉遣い
他人に対する言葉の使い方が不適切で、他のメンバーを不快にさせる場合があります。これは直接的な罵倒だけでなく、皮肉や冷笑、不必要に批判的なコメントなども含みます。
【例】
プロジェクト会議中に、彼が進行役を務めています。しかし、彼は同僚の意見を「それは無意味だ」とあからさまに罵ったり、彼らのアイデアを「ばかげている」と馬鹿にしたりします。これにより、会議の雰囲気は緊張に満ち、他のメンバーは自由に意見を出すことをためらってしまいます。

フィードバックの無視
他人からのフィードバックを受け入れないか、受け取ったフィードバックを無視することがあります。これにより、問題行動の改善が難しくなる可能性があります。
【例】
彼の上司が彼に対して、報告書の品質についてのフィードバックを提供しました。しかし彼は、それを聞くことすらせず、自分のやり方が正しいと強く主張します。その結果、報告書の品質は改善されず、チーム全体の業績に影響を及ぼすことになりました。

相手の意見を尊重しない
他人の意見を適切に尊重せず、自分の考えだけが正しいという態度を取ることがあります。これは他人の視点を理解しようとする意欲の欠如を示している可能性があります。
【例】
彼のチームメートが新しいプロジェクトのアイデアを提案しました。しかし彼は、そのアイデアを全く考慮せず、自分の案だけを推進しました。これにより、チームの一部のメンバーが不満を感じ、チームの士気が低下しました。

話し合いを避ける
困難な話し合いや衝突から避ける傾向があり、問題解決に向けた効果的なコミュニケーションが行えないことがあります。
【例】
仕事上の誤解から彼と同僚との間に緊張が生じました。上司や他のチームメンバーがこの問題を解決するために話し合いを提案しますが、彼はそれを避け、問題がエスカレートし、全体のチームワークに影響を与える結果となりました。

非言語的なコミュニケーション
体言語や表情、声のトーンなど、言葉以外のコミュニケーションが他人を不快にさせることがあります。
【例】
彼はしばしば会議中に肘をつき、眼差しを避け、興味がないような体言語を示します。また、他人が話しているときに興醒めした顔をしたり、頻繁にため息をつくことで、他のメンバーを不快にさせます。

 

1-2 弱点2:チームワークの欠如

モンスター社員の弱点の2つ目は、チームワークの欠如です。

他人と協働する能力が不足している場合があります。これにより、チーム内での摩擦や競争が生じ、全体の生産性を損なう可能性があります。

具体的には、以下のような事項が挙げられます。

協力の欠如
チームプロジェクトが進行中で、各メンバーは特定の役割を担当しています。しかし、この問題社員は彼の役割を果たすことを拒否し、他のメンバーが彼の分の仕事を引き受ける必要があります。これにより、他のメンバーの仕事量が増え、全体の進行が遅れてしまいます。
【例】
チームは新しいマーケティングキャンペーンを立ち上げるために、彼を含む全員で働いています。彼の役割は市場調査を行うことですが、彼はこのタスクを怠り、他のチームメンバーが彼の責任を引き受ける必要が出てきました。この結果、全体の進行が遅れ、他のメンバーの仕事量が不必要に増えました。

共有資源の乱用
チーム内で共有して使用するためのリソースやツールがありますが、問題社員がこれらを適切に使わず、他のメンバーが必要なときに利用できない状況を引き起こします。これにより、チーム全体の効率と生産性が低下します。
【例】
彼はチームで共有しているコンピュータを長時間占有し、他のメンバーがそれを使用する機会を奪います。さらに彼は必要以上にプリントアウトを取り、共有プリンターのインクと紙を無駄に使いました。これにより、他のメンバーの作業が遅れ、効率と生産性が低下しました。

意思疎通の失敗
チームメンバーとの意思疎通を適切に行わず、情報の共有が不足することがあります。重要な更新情報を他のメンバーに伝えなかったり、ミーティングや議論に参加しなかったりします。これにより、チーム全体の協調性が崩れ、誤解や混乱が生じる可能性があります。
【例】
彼はプロジェクトの重要な更新情報を他のチームメンバーに伝えず、彼らが情報不足のまま作業を進める結果となりました。また彼は、チームのミーティングや議論に積極的に参加せず、その結果、全体の協調性が崩れ、誤解や混乱が生じました。

他人の努力の評価の欠如
他のチームメンバーの貢献を適切に認識または評価しないかもしれません。これは、問題社員が他人の努力を見落とす、または他人の仕事を自分のものとして取り上げることを含む可能性があります。これはチームの士気を下げ、他のメンバーが承認を得られないと感じる原因となります。
【例】
チーム全体がプロジェクトの成功を祝っているとき、彼だけが他のメンバーの貢献を無視し、自分の成功だけを強調しました。これにより、他のメンバーのモラルが低下し、チームの一体感が損なわれました。

1-3 弱点3:仕事へのコミットメントの欠如

モンスター社員の弱点の3つ目は、仕事へのコミットメントの欠如です。

彼らはしばしば自分の仕事に対して不満を持っており、それが仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。

具体的には、以下のような事項が挙げられます。

期限の無視
この社員は繰り返し重要な期限を守らず、その結果、プロジェクトが遅延し、他のチームメンバーに余計な負担をかけることがあります。
【例】
この社員は、新製品のローンチに必要な報告書の提出期限を繰り返し守らず、その結果、ローンチ日が遅れ、他のチームメンバーが彼の部分を急いで完成させなければならない状況を作り出します。

出席率の低さ
頻繁に無断欠勤を繰り返すか、または遅刻を繰り返す。これは他の従業員に余計な仕事を押し付ける結果となり、組織全体の生産性を低下させます。
【例】
彼は頻繁に無理由で欠勤します。欠勤は事前通知なしで、朝になってから病気を理由にします。彼の欠勤は他のメンバーの仕事負担を増やし、会議やプレゼンテーションの延期を引き起こし、全体の生産性を低下させます。上司との話し合いにもかかわらず、彼は自分の行動がチームに与える影響を理解していません。

半端な仕事
仕事を途中で放棄するか、または全力を尽くさずに仕事を行うことがあります。これは、他の人が彼の不完全な作業を修正するか、完了する必要があるため、生産性に悪影響を及ぼします。
【例】
彼はソフトウェア開発のプロジェクトを途中で放棄するか、または全力を尽くさずにコードを書くことがあります。これにより、他の開発者が彼の不完全な作業を修正するか、完了する必要があり、プロジェクト全体のスケジュールが遅れます。

責任の放棄
自分のミスや失敗を認めず、他の人や状況のせいにすることがあります。これは、問題の解決を遅らせ、チームの士気を低下させる可能性があります。
【例】
彼は、自分のミスでクライアントとの契約が遅れたにも関わらず、それを他のチームメンバーやクライアントの要求のせいにします。これにより、問題の解決が遅れ、チーム全体の士気が低下します。

自己成長の欠如
彼は自己成長の機会を探すことなく、スキルを更新することを怠ります。これは、彼が新しいチャレンジを引き受けたり、チームが新しい方向に進むのを助ける能力を低下させます。
【例】
彼は新しいプロジェクト管理ツールのトレーニングを受ける機会を拒否し、古い方法に固執します。これにより、チーム全体の効率が低下し、他のチームメンバーが彼の仕事のスピードを合わせる必要があります。

1-4 弱点4:適応性の欠如

モンスター社員の弱点の4つ目は、適応性の欠如です。

変化や新しい状況に対する対応が苦手であることがあります。

具体的には、以下のような事項が挙げられます。

変更への抵抗
この社員は新しい手順や方針の導入に反対し、既存のやり方に固執することがあります。これは、チームや組織が新たな挑戦に対応し、成長する能力を妨げます。
【例】
この社員は、組織の新たな方針であるリモートワークへの移行に強く反対し、オフィスでのフェイスツーフェイスの作業に固執します。この結果、彼の部署はリモートワークの効率化に必要なステップを進めるのが遅れ、全体的な生産性が低下します。

新しい技術への抵抗
彼は新しいツールやテクノロジーを学ぶことを拒否し、時代遅れのツールに固執します。これは、チーム全体の生産性や効率性を低下させる可能性があります。
【例】
彼は、チームが新しく導入したプロジェクト管理ソフトウェアの使用を拒否し、古いスプレッドシートベースのシステムに固執します。その結果、彼の情報は常に更新されておらず、他のチームメンバーは彼の進捗を追跡するのが難しくなります。

柔軟性の欠如
彼は役割や責任が変わると困惑し、それに適応するのが難しいです。これは、ビジネス環境や組織のニーズが変化するときに、チームが柔軟に対応する能力を制限します。
【例】
彼の役割が広告からマーケティングへと少し変わったとき、彼は混乱し、新しい責任をうまく果たすことができませんでした。その結果、他のチームメンバーが彼の仕事を引き継ぐ必要があり、チーム全体の負担が増えました。

学習意欲の欠如
彼は新しいスキルを学ぶことに関心を示さず、自己成長の機会を逃すことがあります。これは、彼が新しいチャレンジを引き受ける能力を低下させます。
【例】
彼は新しいスキルを学ぶための企業の研修を頻繁にスキップします。その結果、彼の能力は時代遅れになり、新しいプロジェクトや業務に対応するのが難しくなります。

1-5 弱点5:自己認識の欠如

モンスター社員の弱点の5つ目は、自己認識の欠如です。

自分の行動が他人に与える影響を理解する能力が不足していることがあります。

具体的には、以下のような事項が挙げられます。

他人への影響の無視
自身の行動が周囲の人々にどのような影響を及ぼしているかに気づいていないことがあります。
【例】
彼のネガティブな態度や頻繁な遅刻が他のチームメンバーの士気にどのように影響しているかを理解していない場合があります。

自分の弱点の無視
自分の弱点を認めることができないことがあり、自分自身の改善のために必要なフィードバックを受け入れることを難しいことがあります。
【例】
彼はプレゼンテーションのスキルに問題があるとのフィードバックをされても、自己認識が低く、自分は何ができて何ができていないかを理解していないため、受け入れないことがあります。

過大評価
自分の能力や貢献を過大評価することがあり、必要なサポートやトレーニングを求められないことがあります。
【例】
彼はそのプロジェクトを達成するためには、専門的な知見と経験のある他の社員の助けを借りる必要がありましたが、自分の能力を過信して、一人で対応しようとしてクレームを受けてしまいました。

自己反省の欠如
自己反省することが少なく、自身の行動や習慣を改善することが難しい傾向にあります。
【例】
彼は大きなプロジェクトに失敗した際に、それが自分の過ちである可能性を考慮せず、その失敗を他の人や状況のせいにしました。


2章 モンスター社員の弱点から生じる企業への悪影響

モンスター社員を放置しておくと企業には様々な悪影響が生じます

第1章で見たようなモンスター社員の弱点により、職場環境が悪化してしまうためです。

具体的には、モンスター社員の弱点から生じる企業への悪影響は、以下の5つです。

悪影響1:チームの士気の低下
悪影響2:優秀な従業員の離職
悪影響3:リーダーシップへの信頼の喪失
悪影響4:組織の生産性の低下
悪影響5:会社の評判の低下

モンスター社員の弱点から生じる企業への悪影響5つ

それではこれらについて順番に説明していきます。

2-1 悪影響1:チームの士気の低下

モンスター社員の弱点による悪影響の1つ目は、チームの士気の低下です。

問題社員の行動は、チームの士気を下げ、全体的な生産性を低下させる可能性があります

これは職場の雰囲気を毒するだけでなく、他の従業員が自分たちの仕事に集中するのを妨げる可能性があります。

例えば、ある企業のマーケティングチームには、Aという一人の難しい社員がいます。Aは非常に優れたスキルを持っていますが、人間関係に問題があります。Aは他のチームメンバーを公に批判し、プロジェクトのミスを他の人のせいにすることがあります。

これにより、他のチームメンバーは不安とストレスを感じ、士気が低下しました。彼らはAと一緒に仕事をすることを避け、積極的なコミュニケーションを控えるようになりました。チームの共同作業は苦痛となり、生産性が大幅に低下しました。

このような状況は、一人のモンスター社員がチームの士気にどのような影響を及ぼすかを示しています

2-2 悪影響2:優秀な従業員の離職

モンスター社員の弱点による悪影響の2つ目は、優秀な従業員の離職です。

職場環境が不快であると感じた従業員は、他の職を探す可能性が高くなります

これは新しい従業員の採用と研修に関連するコストを増加させ、長期的には組織の安定性と持続可能性に影響を及ぼす可能性があります。

例えば、エンジニアリングチームには、非常に才能があり、結果を出していたⅩという一人の社員がいました。しかし、そのチームにはBという一人のモンスター社員もいました。Bは技術的には優秀だったが、Bの態度と行動がチーム環境を悪化させていました。

Bは批判的な言葉を頻繁に使い、他のメンバーのミスを大々的に指摘し、他人を見下す傾向がありました。Bの行動は職場の雰囲気を毒し、特にXには影響が大きかったです。Xはその毒性の環境に耐えられず、結果的には他の機会を求めて企業を去ることを決定しました。

このような状況は、一人のモンスター社員が優秀な従業員の離職を引き起こす可能性があることを示しています

2-3 悪影響3:リーダーシップへの信頼の喪失

モンスター社員の弱点による悪影響の3つ目は、リーダーシップへの信頼の喪失です。

問題社員の行動が適切に対処されない場合、他の従業員は経営陣への信頼を失う可能性があります

これは、従業員の愛着心(エンゲージメント)と忠誠心(ロイヤルティ)を低下させる可能性があります。

例えば、ある会社の営業チームには、Cという一人のモンスター社員がいます。Cは営業成績が高い一方で、他のチームメンバーに対して傲慢で、公平さを欠く行動を頻繁に示します。Cは自分の成功を他の人々の上に築き上げ、失敗を他人のせいにする傾向があります。

チームリーダーのXは、Cの問題行動を見過ごす傾向がありました。Cの成果が高いことを理由に、Cの態度を見逃すことを選んだのです。しかし、これによりチーム全体がXのリーダーシップに対する信頼を失いました。彼らは、公平さと尊重がチームの価値よりも成績が優先されると感じ、Cの行動が許されることによって自分たちの努力が軽視されていると感じました。

この事例は、モンスター社員の行動が無視または許容された場合、リーダーシップへの信頼が損なわれ、全体のチームダイナミクスに影響を与える可能性があることを示しています

2-4 悪影響4:組織の生産性の低下

モンスター社員の弱点による悪影響の4つ目は、組織の生産性の低下です。

問題社員の行動は、仕事の進行を妨げ、重要な期限を逃す可能性があります。

これはプロジェクトの遅延や生産性の低下を招く可能性があります。

例えば、IT部門の一員であるDは、技術的には優れているものの、非協力的であり、コミュニケーションが極めて劣っています。彼は他のチームメンバーからの質問や協力要請に対して不親切で、必要な情報を適切に共有しません。

このため、プロジェクトは何度も遅延し、期日を守ることができず、全体の生産性が低下しました。また、他のチームメンバーは彼と協力することを避けるようになり、新たなタスクやプロジェクトを開始するのに必要な共同作業が遅くなりました。

この事例は、モンスター社員の存在がチームや組織全体の生産性に悪影響を及ぼす可能性があることを示しています

2-5 悪影響5:会社の評判の低下

モンスター社員の弱点による悪影響の5つ目は、会社の評判の低下です。

社内の問題が外部に漏れると、会社の評判を損なう可能性があります

これは、潜在的な顧客、パートナー、または従業員を引き付ける能力に影響を与える可能性があります。

例えば、デザイン企業には、クリエイティブディレクターのEという一人のモンスター社員がいます。彼は業界で非常に有名で、多くの成功を収めていますが、その態度と行動が社員とクライアントの両方に悪影響を及ぼしています。

Eは他人を見下し、時には公に侮辱することすらあります。Eの行動は、社内外の人々に恐怖を感じさせ、多くの才能あるデザイナーとクライアントが会社を去る原因となりました。

これらの出来事は口コミで広がり、会社の評判が大きく傷つきました。才能ある候補者は会社を避け、一部のクライアントはビジネスを引き揚げることを選びました。

これは、一人のモンスター社員の存在が、組織全体の評判とビジネスに悪影響を及ぼす可能性があることを示しています

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3章 モンスター社員の弱点との上手な付き合い方

企業はモンスター社員の弱点とどのようにして上手に付き合っていくかを考えなければなりません。

企業規模が大きくなると従業員数が多くなりモンスター社員の問題も不可避的につきまとってきます

具体的には、モンスター社員の弱点と上手に付き合う方法は以下の4つです。

付き合い方1:フィードバックの提供
付き合い方2:公正で一貫した対応
付き合い方3:専門家の助けを借りる
付き合い方4:情緒的なリアクションを避ける

モンスター社員の弱点との上手な付き合い方

3-1 付き合い方1:フィードバックの提供

モンスター社員の弱点との上手な付き合い方の1つ目は、フィードバックの提供です。

具体的で時間を置かないフィードバックを提供します。

問題行動を指摘する際は、具体的な状況とその行動がどのように問題を引き起こしたかを説明し、それによって他の人々がどのように感じたかを共有します

例えば、あるマネージャーのXは、Xのチームの一員であるFが、他のメンバーとの協調性がなく、他の人の意見を尊重しないという問題を抱えていることに気づきました。Fは常に自分の考えが最善だと信じ、他人のアイデアや提案を軽視していました。

XはFに対して具体的、中立的、そして建設的なフィードバックを提供することにしました。

Xは次のように伝えました:「F、私はあなたの専門知識と貢献を非常に評価しています。しかし、最近のチームミーティングで、他のメンバーのアイデアをすぐに却下することが多いと感じました。例えば、最後のプロジェクトミーティングで、●●が提案したアイデアを一度も真剣に考えることなく却下しました。これは他のメンバーにとって、自分の意見が尊重されていないと感じさせる可能性があります。我々は全員が同等に貢献することで最良の結果を得られると信じています。次回からは、他の人の意見をもっと尊重して考慮するようにしてみてください。」

このようなフィードバックは、問題の具体的な状況を指摘し、どのような行動が期待されるかを明確にし、同時に受け取り手の尊厳を守ることを目指しています。

3-2 付き合い方2:公正で一貫した対応

モンスター社員の弱点との上手な付き合い方の2つ目は、公正で一貫した対応です。

すべての従業員に公平で一貫した対応を心掛けます。

特定の従業員に対する特権や特例は、他の従業員の士気を下げ、問題を悪化させる可能性があります

例えば、ある会社では、マーケティング部門のGという社員が問題を起こしていました。Gは度々デッドラインを守らず、その理由を他の人々のせいにする傾向がありました。

マネージャーのXは、この問題を公正に解決する必要があると感じました。Xはまず、Gに具体的なフィードバックを提供し、Gの行動が他の人々とプロジェクト全体にどのような影響を及ぼしているかを明らかにしました。

そして、彼は明確な期待値と結果に基づく評価基準を設けました。すなわち、期限を守ること、他のメンバーへの責任転嫁を止めること、そして仕事を適切に完了することが求められました。これらの期待値は、Gだけでなく、全てのチームメンバーにも適用されました。

さらに、XはGの行動に対する具体的な結果も明確にしました。つまり、Gが期待値を満たせない場合、最終的にはその立場が危ぶまれる可能性があるということを伝えました。

これら全ての措置は、公平さと一貫性を保つために行われました。これにより、チーム全体は管理が公正であることを理解し、それぞれが等しく評価されると感じることができました。

3-3 付き合い方3:専門家の助けを借りる

モンスター社員の弱点との上手な付き合い方の3つ目は、専門家の助けを借りることです。

場合によっては、人事部門や外部のコンサルタント、または弁護士のような専門家の助けを借りることが有益です。

例えば、製造業の一社には、技術部門のHという社員がいました。Hは非常に優秀なエンジニアであったものの、他の社員に対するいじめ行為やハラスメントについて、数回の警告を無視していました。

会社の人事部門とHの上司は、Hによるハラスメント行為を防止するべく顧問弁護士に相談しました。

弁護士は速やかに事実関係を精査し、Hに弁明の機会を付与したうえで、懲戒処分を行うことを検討するよう助言しました。

会社はHに対して譴責処分を行い、今後改善が見られないようであればさらに重い処分も検討する旨を伝えました。

Hはことの重大さを理解し社内での態度を改めました。

このように専門家の助けを借りることで、会社は適切かつ公正な措置を取ることができ、潜在的な法的なリスクを最小限に抑えることができました。

3-4 付き合い方4:情緒的なリアクションを避ける

モンスター社員の弱点との上手な付き合い方の4つ目は、情緒的なリアクションを避けることです。

問題行動に対して過度に感情的に反応すると、状況がエスカレートする可能性があります

感情的にならず、冷静でプロフェッショナルな態度を保つことが重要です。

例えば、あるデザイン会社に、クリエイティブな才能に優れているが、たびたび社内で情緒的な爆発を起こすIという社員がいました。Iの怒りは、社内の雰囲気を悪化させ、他の社員たちのパフォーマンスに影響を及ぼしていました。

Iの直接の上司であるマネージャー、Xは、Iと対話する際に自身の感情を制御する方法を見つけることにしました。Xはまず、自分自身のリアクションを理解し、Iの行動が自分自身の感情にどのように影響しているかを明確にしました。

次に、Xはストレスマネジメントの技巧を学び、Iと対話する前に深呼吸をするなど、自分の感情を落ち着かせる方法を実践しました。また、Xは会話の中で自分の感情を述べるのではなく、Iの行動が業務にどのような影響を与えるかに焦点を当てることで、会話を客観的に保つように努めました。

さらに、XはIの爆発的な行動に対しては、一貫性を持って対応し、それが受け入れられないことを明確にしました。それを通じて、Iが自身の行動の結果を理解するのを助け、問題行動を改善するように促しました。

これらの戦略により、XはIとの対話中に感情的になることを避けることができ、Iとの対話をより生産的で建設的なものにすることができました。


4章 モンスター社員の弱点が改善されない場合の対処手順

どうしてもモンスター社員と付き合っていくことが困難な場合には法的措置も見据えたうえで、対処をしていくことになります

最終的には解雇を行うことを検討することになりますが、いくつかの手順を踏んでいく必要があります。

具体的には、モンスター社員の弱点が改善されない場合の対処手順は以下のとおりです。

まずは、モンスター社員に問題点を指摘し、改善を促すことになります。口頭による指導で改善されない場合には、メールなどで指摘し、最終的には書面による指導を検討しましょう。

次に、定期面談を実施することにより適確に状況を確認社員との間で認識を共有することで、改善の実効性を高めましょう

また、業務改善指導や定期面談を経ても改善が見込めないようであれば、懲戒処分を検討することになります。他にも、配置転換等により問題を解決できないかを検討します。

上記手段でも解決が難しい場合には、退職を検討してもらうことになります。

まずは解雇する前に退職勧奨を行い任意に退職してもらうことを試みましょう。退職勧奨に応じてもらえない場合には、十分に証拠を集めたうえで解雇を行うこと検討します。

モンスター社員への対応手順については、以下の記事で詳しく解説しています。

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5章 モンスター社員への対応はリバティ・ベル法律事務所にお任せ

モンスター社員への対応はリバティ・ベル法律事務所にお任せください。

モンスター社員の問題は良好な職場環境や職場秩序を維持するために、状況に応じた適切な対応をする必要があります。

弁護士であれば誰でも良いというわけではなく、人事労務問題に力を入れている弁護士を探すことが重要となります。

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6章 まとめ

以上のとおり、今回は、モンスター社員の弱点5つを紹介したうえで、悪影響を防止する上手な付き合い方を解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

まとめ

・モンスター社員の弱点は、以下の5つがあります。
弱点1:コミュニケーション能力の欠如
弱点2:チームワークの欠如
弱点3:仕事へのコミットメントの欠如
弱点4:適応性の欠如
弱点5:自己認識の欠如

・モンスター社員の弱点から生じる企業への悪影響は、以下の5つです。
悪影響1:チームの士気の低下
悪影響2:優秀な従業員の離職
悪影響3:リーダーシップへの信頼の喪失
悪影響4:組織の生産性の低下
悪影響5:会社の評判の低下

・モンスター社員の弱点と上手に付き合う方法は以下の4つです。
付き合い方1:フィードバックの提供
付き合い方2:公正で一貫した対応
付き合い方3:専門家の助けを借りる
付き合い方4:情緒的なリアクションを避ける

・モンスター社員の弱点が改善されない場合には、業務改善指導→定期面談→降格や配置転換→退職勧奨→解雇と順をおって行うことになり、いきなり解雇を行うべきではありません。

この記事がモンスター社員にはどのような弱点があるか知りたいと悩んでいる人事担当者や経営者の方の助けになれば幸いです。

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