お金持ちとは離婚しない方がいいのか悩んでいませんか?
お金持ちと離婚しても生活していけるのか不安になりますよね。
お金持ちの場合、安定した収入があるため仕事が原因で離婚したいと考える夫婦は少ないとされています。
しかし、実際には仕事以外の理由で離婚する夫婦が多く、その理由は夫婦によって様々です。
お金持ちの離婚には特徴があり、財産分与が高額になりやすいなど共通する部分もあります。
特に、お金持ちは保有財産が多いため、どの財産が分与の対象となるのか離婚前に調査したうえで把握しておく必要があります。
実は、財産分与後に把握していなかった財産が明らかとなり、後からトラブルになってしまうこともあるのです。
この記事で、お金持ちとの離婚で後悔しないための対処法について知っていただければと思います。
今回は、お金持ちとの離婚の特徴を説明したうえで、離婚で後悔しないための対処法について解説していきます。
具体的には、以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、お金持ちとの離婚前にどう行動すべきかよくわかるはずです。
目次
1章 お金持ちとは離婚しない方がいい?お金持ちの離婚率
お金持ちは安定した収入があるため、離婚しない方がいいのか迷う方が多いと思います。
実際、夫の年収が1000万円以上ある場合、仕事を理由に離婚を考える妻は4.3%程度とかなり低い割合になっています。
出典:リスクモンスター(株)‐第8回「離婚したくなる亭主の仕事」。
しかし、お金持ちの場合は収入以外の理由で離婚している夫婦が多くいます。
離婚はその後の生活への不安が強いですが、お金持ちであれば財産分与によってある程度の生活費を確保でききるため離婚を決断しやすいのです。
そのため、お金持ちとの離婚であっても、適正な条件で離婚することができれば生活水準を維持することができる可能性があります。
2章 お金持ちと離婚する理由3つ
お金持ちと離婚する理由は夫婦によって異なります。
例えば、お金持ちと離婚する理由には以下の3つがあります。
理由2:残業が多い
理由3:不倫された
それでは順番に説明していきます。
2-1 理由1:性格が合わない
お金持ちと離婚する理由1つ目は、性格が合わないことです。
なぜなら、経済的に安定していても、性格が合わなければ日常的なストレスを抱えることになるためです。
例えば、趣味が違う場合や子どもの教育方針が異なる場合等では、配偶者に不満を覚えてしまうこともあるでしょう。
そのため、性格が合わないとストレスが積み重なり、離婚する理由となってしまうのです。
2-2 理由2:残業が多い
お金持ちと離婚する理由2つ目は、残業が多いことです。
なぜなら、残業が多いとコミュニケーションを十分に取れず、夫婦の信頼関係が弱まってしまうためです。
例えば、夫が激務で帰ってくるのは妻が寝た後という生活が長期化すると、夫婦関係は冷めきったものとなってしまうでしょう。
そのため、残業が多いことはお金持ちが離婚する理由となってしまうのです。
2-3 理由3:不倫された
お金持ちと離婚する理由3つ目は、不倫されたことです。
なぜなら、不倫は夫婦の信頼関係を根底から破壊する行為であり、収入の高さでは補いきれないためです。
そのため、不倫されたことはお金持ちの場合でも離婚する理由となります。
3章 お金持ちとの離婚の特徴3つ
お金持ち夫婦の離婚理由は千差万別ですが、共通する特徴もあります。
お金持ちとの離婚の特徴は以下の3つです。
特徴2:婚姻費用が高額になりやすい
特徴3:婚前契約が影響しやすい
それでは各特徴について順番に説明していきます。
3-1 特徴1:財産分与が高額になりやすい
お金持ちとの離婚の特徴1つ目は、財産分与が高額になりやすいことです。
財産分与とは夫婦の共有財産を分け合うことをいい、その割合は2分の1が原則です。
そのため、お金持ち夫婦は保有財産が多く、財産分与の金額が高額になりやすいのです。
ただし、お金持ちの場合は「特殊な才能」によって高収入なことが多く、中には割合が修正されることもあります。
裁判例では、医師との離婚において割合が6:4に修正されたものがあります(大阪高判平成26年3月13日)。
3-2 特徴2:婚姻費用が高額になりやすい
お金持ちとの離婚の特徴2つ目は、婚姻費用が高額になりやすいことです。
なぜなら、婚姻費用は算定表に則って算定されますが、年収に応じて婚姻費用も高く設定されているためです。
※出典:裁判所‐平成30年度司法研究の報告について(婚姻費用・夫婦のみの表)
算定表によれば義務者の年収が2000万円を超える場合には、個別的な検討が必要となり30万円を超えるケースもあります。
裁判例では、義務者の収入が7481万円であり、権利者が無収入の事件において、婚姻費用は月額125万円が妥当と判断しています。
判例は以下のように説明しています。
「婚姻費用の額を算定するに当たっては、令和元年度作成の改定標準算定方式によるのが相当である。…現在、原審申立人世帯が月額103万円程度の支出を要していることがうかがわれる。…原審相手方の学歴、社会的地位や一般家庭に比して高額の年収にかんがみれば、子らに関する前記イ〈1〉~〈5〉の各支出負担が家計を維持する上で特段の問題があるとは認められない。
…以上を踏まえ、原審相手方は、原審申立人に対し、令和2年1月以降、月額125万円の婚姻費用を支払う義務を負うべきであり、同月から令和4年1月まで(25か月)の合計額は3125万円となる。」
3-3 特徴3:婚前契約が影響しやすい
お金持ちとの離婚の特徴3つ目は、婚前契約が影響しやすいことです。
婚前契約とは、将来の結婚生活や離婚の条件等について、結婚前に結ぶ契約をいいます。
婚前契約は欧米発祥とされていますが、著名人の婚前契約をきっかけに日本でもその認知度が高まってきています。
婚前契約を締結する目的は、結婚生活上のトラブルを防止するだけでなく、会社経営に与える影響を予測可能にすること等にあるとされています。
このような観点から、お金持ちの婚前契約では次の3つの条項が設けられやすいです。
ただし、婚前契約の内容が法律に反する場合には無効となることがあるため注意が必要です。
・離婚を難しくする条項
・夫婦の義務を否定する条項
・子の親権を定める条項
・その他公序良俗に反する条項
4章 お金持ちとの離婚における会社財産の扱い
お金持ちとの離婚においては、財産分与の対象とならないものもあります。
なぜなら、財産分与の対象となるのは共有財産であり、会社名義の財産等は夫婦の共有財産とはいえないためです。
しかし、会社名義の財産であっても、実質的に個人所有とみることができる場合には財産分与の対象となることがあります。
例えば、会社名義で買った車を個人的に使用している場合には、夫婦の共有財産と会社財産とが混在しているとして分与の対象となることがあります。
そのため、会社財産について財産調査する場合には、名義だけでなく利用の実態についても着目して判断することが重要です。
5章 お金持ちとの離婚の慰謝料相場
お金持ちとの離婚においても、離婚の慰謝料相場は原則として変わらないとされています。
なぜなら、年収がどの程度であるかは配偶者が受けた精神的苦痛とは無関係であるためです。
しかし、年収が高い場合には社会的地位も高いことが多く、社会的地位を利用して不倫したような場合には、慰謝料の算定において考慮されることがあります。
裁判例では、精神科医がその地位を利用して不倫したことを慰謝料の増額要素として考慮したものがあります(東京地判平成13年8月30日)。
そのため、年収は慰謝料の算定において考慮されませんが、年収に伴う社会的地位が慰謝料の増額要素として判断されることがあります。
離婚慰謝料の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
6章 お金持ちとの離婚で後悔しないための対処法3つ
お金持ちとの離婚で後悔しないためには、入念な準備が不可欠です。
お金持ちとの離婚で後悔しないための対処法は以下の3つです。
対処法2:調停を申し立てる
対処法3:弁護士に離婚交渉を依頼する
それでは各対処法について順番に説明していきます。
6-1 対処法1:財産調査を徹底する
お金持ちとの離婚で後悔しないための対処法1つ目は、財産調査を徹底することです。
財産分与の対象となるのは夫婦の共有財産ですが、どのような財産が存在するのか立証しなければいけません。
つまり、財産調査で明らかにならなかった財産については、たとえ共有財産であったとしても現実には分与されないのです。
特に、お金持ちとの離婚においては財産額も大きくなりやすいため、調査漏れによる損失は甚大なものとなります。
そのため、適正な条件で財産分与するためにも、財産調査は徹底しておく必要があります。
財産調査の方法としては、例えば以下の8つがあります。
方法2:郵便物を確認する
方法3:不動産の登記を取得し抵当権者を確認する
方法4:LINEのトーク履歴を洗い出す
方法5:インターネットの検索履歴の把握する
方法6:配偶者が勤務している会社の求人情報を確認する
方法7:年金分割のための情報通知書を取得する
方法8:探偵や興信所に頼む
各調査方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
~財産分与後に把握していなかった財産が明らかとなった場合~
全ての財産を対象としていない財産分与であっても、法的には有効とされています。
なぜなら、財産を把握できなかったのは立証者の責任であり、財産分与の法的効力には影響しないためです。
しかし、以下の3つの方法により財産分与の効力を争えるケースもあります。
そのため、事後的に把握していない財産が明らかになった場合、当該財産を分与できるか財産分与の効力を争えるかといった点を検討しておくといいでしょう。
6-2 対処法2:調停を申し立てる
お金持ちとの離婚で後悔しないための対処法2つ目は、調停を申し立てることです。
財産分与の割合について夫婦で合意できなければ、調停を申し立てることになります。
調停では、調停員が中立な立場から夫婦の離婚条件の調整に協力してくれます。
例えば、調停員は財産分与のルールを知っており、配偶者が2分の1とは異なる割合を主張している場合には説得するなど、合意に向けたサポートを期待できます。
そのため、夫婦で合意ができなかったときは、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることを検討しましょう。
6-3 対処法3:弁護士に離婚交渉を依頼する
お金持ちとの離婚で後悔しないための対処法3つ目は、弁護士に離婚交渉を依頼することです。
お金持ちとの離婚においては、従来の生活を維持するためにも離婚条件は適正なものにしておきたいところです。
しかし、個人情報保護の観点から個人の調査範囲には限界があり、全ての財産の把握が困難な場面が少なくありません。
弁護士であれば、弁護士会照会という方法により必要事項について財産調査をすることができます。
そのため、配偶者に「どんな財産があるのかわからない」「どのように調査すればいいかわからない」といった場合には、弁護士に財産調査も含めて離婚交渉を依頼するといいでしょう。
7章 お金持ちとの離婚の相談はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
お金持ちとの離婚の相談は、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
離婚については、財産調査のノウハウ、経験が獲得金額に大きな影響を与える分野です。
リバティ・ベル法律事務所は、離婚問題に注力しており、財産分与請求等について圧倒的な知識とノウハウを持っています。
少数精鋭でご依頼を受けた一つ一つの案件について、離婚問題に強い弁護士が丁寧に向き合っているところが弊所の強みです。
お金持ちとの離婚については、ご依頼者様の負担を軽減するために初回相談無料にて対応しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
8章 まとめ
以上のとおり、今回は、お金持ちとの離婚の特徴を説明したうえで、離婚で後悔しないための対処法について解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・お金持ち夫婦においては、年収を理由に離婚を考える夫婦は少ないですが、生活が安定しているため性格の不一致などを理由に離婚を考える夫婦が多いとされています。
・お金持ちと離婚する理由は以下の3つです。
理由1:性格が合わない
理由2:残業が多い
理由3:不倫された
・お金持ちとの離婚の特徴は以下の3つです。
特徴1:財産分与が高額になりやすい
特徴2:婚姻費用が高額になりやすい
特徴3:婚前契約が影響しやすい
・お金持ちとの離婚において会社財産は原則として財産分与の対象になりませんが、実質的に個人所有とみることができる場合には例外的に対象となることがあります。
・お金持ちとの離婚においても慰謝料の相場は変わりませんが、社会的地位を利用した場合には慰謝料の増額要素として考慮されることがあります。
・お金持ちとの離婚で後悔しないための対処法は以下の3つです。
対処法1:財産調査を徹底する
対処法2:調停を申し立てる
対処法3:弁護士に離婚交渉を依頼する
この記事が、お金持ちとは離婚しない方がいいのか悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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