「離婚慰謝料を請求したらいくらくらいもらえるの?」
「不倫があった場合は?暴力や暴言があった場合は?」
「離婚慰謝料をもらうためにはどうしたらいいの?」
離婚慰謝料を請求したいものの、どの程度の金額がもらえるのか分からず、請求するか悩んでいませんか?
離婚慰謝料という言葉を耳にすることはあっても、慰謝料を請求する原因は様々であり、請求可能な金額をイメージしにくいという方も多いですよね。
結論としては、離婚慰謝料の相場は、0円~300万円程度です。
離婚慰謝料については事案により異なりますが、判断要素を知ることによりおおよその見通しを立てることが可能です。
離婚慰謝料については、以下のような要素から判断されます。
要素1 離婚理由
要素2 婚姻期間
要素3 配偶者の年収や社会的地位
要素4 子どもの有無
要素5 配偶者の行為が夫婦の婚姻関係に影響を与えた度合い(有責性)
しかし、離婚慰謝料の金額には幅がありますので、慰謝料についての知識や経験により、実際に獲得できる金額が大きく変わってきます。
慰謝料についての相場を知り、適切に交渉をしていくことで、獲得できる慰謝料金額を格段に向上させることができるのです。
実際、私はこれまで多くの離婚案件を経験してきましたが、当初は慰謝料の支払いに消極的な相手方であっても、弁護士が入り調停などの法的手続きを進めていく中で、そのほとんどが解決金の支払いに応じています。
また、十分な証拠がない場合であっても、証人尋問で具体的な状況等をイメージしやすいように説明することで裁判官に理解してもらうことができ、慰謝料を認めてもらえることもあります。
このように、あなたが離婚の際に適正な慰謝料金額を獲得したいと考えた場合には、離婚慰謝料の相場や考え方、交渉方法について理解することが不可欠なのです。
今回は、離婚慰謝料の相場や請求方法について、誰でもわかりやすく解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、きっと適正な離婚慰謝料の支払いを受けることができるはずです。
目次
1章 離婚慰謝料の相場は0~300万円
離婚慰謝料の相場は、0~300万円です。
慰謝料の金額については法律で決められているわけではなく、個々の事案において裁判官が判断するものです。
しかし、裁判官はいくつかのの要素を確認した上で、相場の範囲内で金額を判断することが多いのです。
そのため、離婚慰謝料の金額を決める要素を把握することで、金額の予測を立てやすくなる場合もあります。
具体的には、離婚慰謝料の金額を決める判断要素としては、以下の5つが挙げられます。
要素1 離婚理由
要素2 婚姻期間
要素3 配偶者の年収や社会的地位
要素4 子どもの有無
要素5 配偶者の行為が夫婦の婚姻関係に影響を与えた度合い(有責性)
表にするとこのようになります。
|
高額になりやすい |
低額になりやすい |
離婚理由 |
・DV ・不貞行為 等 |
・性格の不一致 ・親族による嫌がらせ 等 |
婚姻期間 |
長い |
短い |
配偶者の社会的地位 |
高い |
低い |
子どもの有無 |
あり |
なし |
有責性 |
あり |
なし |
1-1 要素1:離婚理由
離婚理由により、慰謝料金額は異なってきます。
なぜなら、離婚理由が異なれば被ることになる精神的苦痛にも差が出てくるためです。
例えば、類型化してみてみると、DVは不貞行為の事案では、比較的慰謝料が高額になりやすい傾向にあります。
これに対して、性格の不一致や親族による嫌がらせでは、そもそも慰謝料が認められないこともあり、認められたとしても低額になる傾向にあります。
具体的な内容は2章で解説します。
1-2 要素2:婚姻期間
婚姻期間が長い場合には、慰謝料の金額を増額する方向に考慮される傾向にあります。
例えば、15年以上もの長期に渡り婚姻期間を継続していた夫婦と婚姻後間もない夫婦を比較した場合、前者の婚姻関係が破綻した方が精神的な苦痛が大きいと判断されることが多いです。
具体的には、過去の事例では、婚姻期間が19年という長期に渡って継続していたことを考慮し、精神的な苦痛が大きいと評価していたものが存在します(東京地方裁判所平成16年2月19日)
また、婚姻期間が2年半しか継続していなかったことを減額の理由として考慮していたものも存在します(東京地方裁判所平成20年10月3日)
そのため、婚姻期間の長短は離婚慰謝料の算定の際に判断される要素になります。
1-3 要素3:年収や社会的地位
配偶者の年収や社会的地位は、古い事例では離婚慰謝料の算定の際に考慮されることが多かったです。
しかし、現在は特殊な場合を除いて考慮されないことが一般的です。
例えば、特定の職業の者が、その地位を利用して不倫・浮気(不貞行為)をしたような場合には、慰謝料の増額の理由として考慮されることがあります。
具体的には、過去の事例では、精神科医がその地位を利用して患者と不倫・浮気(不貞行為)したことを慰謝料の増額の理由として考慮したものが存在します(東京地方裁判所平成13年8月30日)。
そのため、社会的地位に関しては、特殊な場合にのみ離婚慰謝料の算定の際に判断される要素になります。
1-4 要素4:子どもの有無
配偶者との間の子どもの有無とその養育の状況は、離婚慰謝料の算定の際に考慮されることがあります。
例えば、配偶者との間に子どもを設けたにも関わらず、十分な養育費を支払わなかったことを慰謝料の増額の理由として考慮されます。
具体的には、過去の事例では、不貞をした配偶者が十分な養育費を支払わなかったことを慰謝料の増額の理由として考慮したものが存在します(東京地方裁判所平成21年5月13日)。
そのため、配偶者との間の子どもの有無とその養育の状況は、離婚慰謝料の算定の際に考慮されることがあります。
1-5 要素5:配偶者の行為が夫婦の婚姻関係に影響を与えた度合い(有責性)
配偶者の行為が夫婦の婚姻関係に影響を与えた度合いは、離婚慰謝料の算定の際に考慮されることがあります。
例えば、夫婦の一方が浮気・不倫(不貞行為)を行った場合に、その夫婦の関係性が最終的にどうなってしまったのかということが考慮されます。
具体的には、夫婦の一方が浮気・不倫(不貞行為)を行ったことで、その夫婦が同居を継続している場合、別居してしまった場合、離婚してしまった場合では、それぞれ慰謝料の金額が異なることが一般的です。
そのため、配偶者の行為が夫婦の婚姻関係に影響を与えた度合いは、離婚慰謝料の算定の際に考慮されることがあります。
2章 ケース別!裁判例でみる離婚慰謝料の相場
離婚慰謝料の相場は、配偶者のどのような行為で離婚に至ったのかによって差があります。
ケースによっては離婚慰謝料の請求が困難な場合もあるため注意する必要があります。
一般的な相場は以下の通りです。
ケースの内容 |
離婚慰謝料の相場 |
モラハラ |
50万円~200万円 |
DV |
50万円~300万円 |
不貞行為 |
200万円~300万円 |
性格の不一致 |
0円 |
借金・浪費 |
50万円~300万円 |
悪意の遺棄 |
50万円~300万円 |
相手の親族による嫌がらせ |
0円 |
それでは、ケースごとの具体的な慰謝料相場について一つずつ見ていきましょう。
ただし、あくまでも相場であり、事例により金額は異なる場合があることにご注意ください。
2-1 ケース1:モラハラと離婚慰謝料の相場は50万円~200万円
配偶者によるモラハラが存在した場合の慰謝料の相場は、50万円~200万円の範囲になる場合が多いです。
例えば、モラルハラスメントが存在する事例であっても、具体的な内容や期間、夫婦関係に影響を与えた度合いが異なります。そのため、慰謝料も事例によって大きく異なります。
具体的には、過去の事例では、夫が妻との交際中に前妻と離婚していなかった事実や離婚歴等を秘匿し、さらに自身の気に入らないことがあると、「頭おかしい」「バカ」「狂ってる」等相手を罵倒する言葉を連発し、また、妻が言うことをきかないと、すぐに「勝手にしろ」「別居する」等、突き放すような言葉を発し、これらの行為の結果、妻が精神科の治療を必要とするようになった事例で、行為が悪質であったことを理由に200万円の慰謝料が認められた事案があります(東京地裁令和1年9月10日)。
実際は、慰謝料が認められない・認められた場合であっても100万円に届かないケースが多いです。
2-2 ケース2:DVと離婚慰謝料の相場は50万円~300万円
配偶者によるDVが存在した場合の慰謝料の相場は、50万円~300万円の範囲になる場合が多いです。
例えば、DVが存在する事例であっても、DVの内容や期間、DVによって生じた結果が異なります。
また、DVが存在する場合、多くの場合には暴言(モラルハラスメント)も存在し、その悪質性も異なります。
そのため、慰謝料の金額に差が出ることが多いです。
具体的には、過去の事案では、夫から妻に対して顔面を殴打する・腕を強くつかむ等の暴行が存在し、ただ、夫が交通事故で重傷を負って休職していた時期と妻が育児・仕事をしていた時期が重なり、妻が夫に対して配慮を欠いた発言をしてしまった事実等も考慮した上で、180万円の慰謝料が認められた事案があります(東京地方裁判所令和1年12月13日)。
2-3 ケース3:不貞行為と離婚慰謝料の相場は200万円~300万円
配偶者による不貞行為が存在した場合の慰謝料の相場は、200万円~300万円の範囲になる場合が多いです。
例えば、不貞行為があった場合であっても、不貞行為によって夫婦関係が悪化したものの、同居している場合、別居に至った場合、離婚に至った場合で慰謝料の相場が異なります。
具体的には、過去の事案では、不貞相手が配偶者と不貞した上で配偶者の子を懐胎し、配偶者と不貞相手は、配偶者の出産後も生計を同一にした事案では、慰謝料として300万円が認められています(東京地判平成16年2月19日)。
不倫慰謝料の相場については以下の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。
浮気・不倫(不貞)の慰謝料相場はいくら?5つの視点と厳選重要判例【簡単早見表付き】 (libertybell-law.com)
2-4 ケース4:性格の不一致と離婚慰謝料の相場は0円
配偶者との性格の不一致を理由とする離婚の場合には、慰謝料が認められないことが一般的です。
例えば、夫と妻の間に性格の不一致があったとしても、性格の不一致は夫婦の相性としての面もあります。
そのため、夫婦の一方に慰謝料を認めるほどの悪質性があるという認定がされないことが多いです。
したがって、性格の不一致を理由とする離婚の場合には、慰謝料が認められないことがほとんどです。
2-5 ケース5:借金・浪費と離婚慰謝料相場は50万円~300円
配偶者による借金・浪費が存在した場合の慰謝料の相場は、50万円~300万円の範囲になる場合が多いです。
例えば、浪費が存在する事例であっても、浪費の程度や浪費よって夫婦生活に生じた結果が異なります。
そのため、慰謝料の金額に差が出ます。
具体的には、過去の事案では、夫に不貞が存在し、さらに夫がゴルフやクラブ・バー等で年間500万円を浪費した事案では慰謝料として600万円が認められています。(神戸地裁平成2年6月19日)。
この事例では、多額の浪費のみならず不貞行為があったため、上記の金額となったと思われます。
配偶者による浪費・借金が存在した場合の慰謝料の相場は、50万円~200万円前後の範囲になる場合が多いです。
ただし、浪費の程度によっては慰謝料の請求が認められない場合も多いです。
2-6 ケース6:悪意の遺棄と離婚慰謝料の相場は50万円~300万円
配偶者による悪意の遺棄が存在した場合の慰謝料の相場は、50万円~300万円の範囲になる場合が多いです。
悪意の遺棄とは、配偶者と同居していない状況で、かつ配偶者が生活費の負担を一切しない等、夫婦の共同生活の実態が失われている状況をいいます。
例えば、配偶者が消息不明になり、生活費の仕送り等もない状況が長期化しているような場合には悪意の遺棄が認定される場合があります。
具体的には、過去の事案では、夫が妻と34年間別居し、不貞相手と23年にも及ぶ同居生活を行っていた事案で、慰謝料として300万円が認められています。(浦和地裁昭和60年11月29日)。
配偶者による悪意の遺棄が存在した場合の慰謝料の相場は、50万円~300万円の範囲になる場合が多いです。
ただし、裁判官に悪意の遺棄があったと認定される事案は非常に少ないことが実情です。
2-7 ケース7:相手の親族による嫌がらせと離婚慰謝料の相場は0円
配偶者の親族による嫌がらせを理由とする離婚の場合には、慰謝料が認められないことが一般的です。
例えば、配偶者の親族による嫌がらせが存在した場合に、配偶者が親族の嫌がらせの責任をとらなければならないという結論にしてしまうと、公平でない結果になってしまうことがあります。
もっとも、例外として、配偶者が親族による嫌がらせがあったことを知りつつ、それを放置したり助長したりしていたような場合には慰謝料の請求が認められる場合もあります。
具体的には、過去の事案では、姑の妻に対する嫌がらせがあったにも関わらず、夫が何ら対応をしなかった事案で、当時の夫の5か月分の給料の慰謝料が認められています。(名古屋地裁岡崎支部昭和43年1月29日)。
ただし、親族による嫌がらせがあった場合には、親族に対して請求をするかどうかを検討することが多く、配偶者の親族による嫌がらせを理由とする離婚の場合には、配偶者に対する慰謝料が認められないことが多いです。
3章 離婚慰謝料を増額する方法
離婚慰謝料の請求が可能な場合であっても、すでに解説した通り、金額にはばらつきがあります。
離婚慰謝料の請求をする際に注意すべき点を知ることで、請求できる金額が上がる可能性があります。
ここでは、どのような方法で離婚慰謝料の金額を増額するのかということについて解説します。
3-1 証拠を集める
離婚慰謝料を請求する場合には、まずは離婚の原因となった事実が存在することを示す証拠を集めるようにしましょう。
なぜなら、裁判では争いになった事実については証拠をもとに判断されますので、証拠がなければそのような事実がなかったものとして判断されてしまうためです。
離婚の原因によって集めるべき証拠は様々ですが、以下のようなものが挙げられます。
【配偶者のモラルハラスメント・DV】
録音・録画・写真・メール・日記・診断書・警察への相談記録等
【配偶者の不貞行為】
録音・録画・写真・メール・調査報告書・ホテルの領収書等
【配偶者の借金・浪費】
督促状・メール・クレジットカードの使用履歴等
【配偶者の悪意の遺棄】
録音・録画・メール・生活費を負担していないことを示す取引履歴等
【配偶者の親族による嫌がらせ】
録音・録画・写真・メール等
これらの証拠を事前に準備するようにしましょう。
不倫慰謝料の証拠については以下の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。
浮気・不倫慰謝料の証拠19個|弁護士が教える実践的な証拠集め方法 (libertybell-law.com)
3-2 調停や裁判を利用する
離婚慰謝料を請求する場合、離婚調停(夫婦関係調整調停)や訴訟手続きを利用するようにしましょう。
なぜなら、配偶者に対して直接離婚慰謝料を支払うよう求めても拒否することがほとんどであるためです。
例えば、離婚調停や訴訟で慰謝料の支払いをすることについて合意・判決がされた場合には配偶者が離婚慰謝料の支払いをしなかった場合に、支払いを強制することが可能な場合もあります。
そのため、離婚慰謝料を請求する場合、離婚調停(夫婦関係調整調停)や訴訟手続きを利用することを検討しましょう。
3-3 弁護士に依頼する
離婚慰謝料を請求する際には、弁護士に依頼をすることがお勧めです。
例えば、離婚慰謝料を請求する場合には、すでに記載した通り、証拠を集めた上で離婚慰謝料請求のための手続きを行う必要があります。
しかし、離婚慰謝料請求は、どのような証拠を利用し、どのような主張をしたかで結果が異なってしまうことも多くあります。
そのため、離婚慰謝料を請求する際には、弁護士に依頼をする方が、より有利な結果を獲得しやすくなります。
4章 離婚慰謝料を請求する手順
離婚慰謝料を請求するためには、必要な手続きが存在します。
配偶者に対して離婚慰謝料を支払うように直接伝えたとしても、そのまま支払う可能性は低いことが一般的です。
ここでは、離婚慰謝料を請求するために必要な手続きを解説します。
4-1 手順1:離婚慰謝料を請求する
離婚慰謝料を請求することを考えている場合には、まずは配偶者にその意思を伝えましょう。
例えば、配偶者に対して、どのような理由でどの程度の金額を支払ってほしいと考えているのか伝えることが考えられます。
具体的には、慰謝料の請求の原因となっている事実と、金額を手紙(通知書)等で伝えるようにしましょう。
そして、慰謝料を請求する場合には、交渉が決裂した場合には、離婚調停・離婚訴訟で請求することや、その場合には現在請求している金額を白紙撤回し、金額を改めて検討して請求することも伝えるようにしましょう。
なお、金額を提案した場合には、その金額が今後の交渉のベースになります。
そのため、十分な金額を提案するようにしましょう。
請求する金額に不安がある場合には弁護士に事前に相談するようにしましょう。
4-2 手順2:交渉
配偶者が離婚慰謝料の支払い自体を争わない場合には、交渉しましょう。
離婚慰謝料の金額について夫婦間で合意ができた場合には、必ず公正証書を作成するようにしましょう。
なぜなら、公正証書を作成しなかった場合には、配偶者が離婚慰謝料の支払いをしなかった場合に支払いを強制することができないためです。
4-3 手順3:離婚調停
配偶者との間で離婚慰謝料の支払いについて合意ができなかった場合には、離婚調停を申し立てるようにしましょう。
離婚調停とは、家庭裁判所で離婚慰謝料含む離婚条件について夫婦が話し合う手続きです。
調停員という第三者が間に入り、夫婦が離婚条件について合意ができるようサポートします。
例えば、配偶者と離婚慰謝料について話し合いをしたものの、合意ができなかった場合であっても、離婚調停を申し立てることで合意ができる場合もあります。
そのため、配偶者との間で離婚慰謝料の支払いについて合意ができなかった場合には、お住いの地域を管轄とする家庭裁判所に離婚調停を申し立てることも検討しましょう。
なお、離婚調停を申し立てる際に弁護士に依頼する人も多いです。
そのため、手続きに不安がある場合には、まずは弁護士に相談してみましょう。
4-4 手順4:訴訟
離婚調停でも離婚慰謝料の支払いについて合意ができなかった場合には、訴訟を提起しましょう。
訴訟では、裁判官が離婚慰謝料の請求自体を認めるかどうか、認める場合にどの程度の金額にするかということを判断します。
具体的には、裁判官が、配偶者が離婚慰謝料を支払うべきという判断をした場合には、配偶者が離婚慰謝料の支払いに合意していない場合であっても、離婚慰謝料の支払いをしなければならなくなります。
離婚調停でも離婚慰謝料の支払いについて合意ができなかった場合には、訴訟を提起しましょう。
なお、訴訟を提起する場合には、弁護士に依頼をすることが一般的です。
5章 離婚慰謝料と税金
離婚慰謝料の支払いを受けた場合、原則として課税されることはありません。
ただし、社会通念上相当な金額を超えたと判断された場合には、課税がされることがあります。
例えば、高額な不動産や自動車を慰謝料の支払いの代わりとして贈与された場合等は、課税される可能性があります。
6章 慰謝料以外に獲得できるお金3つ
実は、離婚慰謝料以外にも、配偶者に請求することが可能なものが存在します。
配偶者に請求することが可能なものは、主に3つ存在します。
・婚姻費用
・養育費
・財産分与
以下でこれらについてそれぞれ解説をしていきます。
6-1 婚姻費用
婚姻費用とは、婚姻関係を継続しているものの別居している場合に、収入が高い方の配偶者から収入が低い方の配偶者に対して支払われる生活費です。
例えば、夫の給与収入が年額500万円、妻のパート収入が年額120万円で、夫婦の間に子がいない場合には、月額6万円程度の支払いを受けることが可能です。
婚姻費用は、離婚または同居に戻る日まで支払われることが一般的です。
6-2 養育費
養育費とは、離婚後に子どもを育てていない親から子どもを育てている親に対して支払われる子どもの監護・養育のための費用です。
例えば、夫の給与収入が年額500万円、妻のパート収入が年額120万円で、夫婦の間に14歳以下の子が1人いる場合には、月額5万円程度の支払いを受けることが可能です。
養育費は、子どもが20歳になる日が属する月まで支払われることが一般的です。
6-3 財産分与
財産分与は、夫婦が婚姻中に積み上げた財産を分ける手続きです。
例えば、夫が婚姻中に500万円、妻が婚姻中に100万円を貯蓄していた場合、夫から妻に対して200万円を支払います。
財産分与は、離婚の際に行われることが一般的です。
7章 離婚慰謝料の相談はリバティ・ベル法律事務所へ
離婚慰謝料の請求について不安がある方は、ぜひ、リバティ・ベル法律事務所にご相談ください。
離婚慰謝料の請求は、予め弁護士に相談しておくと安心です。
特に離婚慰謝料を請求する場合には、どのような証拠を集めておくと良いのか事前に把握しておくことが大切です。
そのため、予め弁護士に相談するようにしましょう。
リバティ・ベル法律事務所では、離婚分野に注力しており、離婚慰謝料の請求について十分なノウハウを有しております。
初回相談は無料なので、お気軽にご相談ください。
8章 まとめ
以上のとおり、今回は、離婚慰謝料の請求の際に考慮されるポイントや、ケース別の離婚慰の相場について説明したうえで、婚の請求方法や、金額の計算方法、申し立て時期に関する注意点について解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・離婚慰謝料の相場は全体としてみると0円~300万円程度であり、以下の要素を考慮して判断されます。
要素1 離婚理由
要素2 婚姻期間
要素3 配偶者の年収や社会的地位
要素4 子どもの有無
要素5 配偶者の行為が夫婦の婚姻関係に影響を与えた度合い(有責性)
・ケース別の慰謝料の相場は以下のとおりです。
ケース1:モラハラと離婚慰謝料の相場は50万円~200万円
ケース2:DVと離婚慰謝料の相場は50万円~300万円
ケース3:不貞行為と離婚慰謝料の相場は200万円~300万円
ケース4:性格の不一致は0円
ケース5:借金・浪費と離婚慰謝料相場は50万円~300円
ケース6:悪意の遺棄と離婚慰謝料の相場は50万円~300万円
ケース7:相手方の親族からの嫌がらせは0円
・請求のための方法は以下のとおりです。
ステップ1:離婚慰謝料を請求する
ステップ2:交渉
ステップ3:離婚調停
ステップ4:訴訟
・離婚慰謝料として支払われた金銭に課税されることはありませんが、社会通念上相当な範囲を超えたと判断された場合には課税される可能性があります。
この記事が離婚慰謝料の相場がわからずについて悩んでいる方の助けになれば幸いです。
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