浮気の期間が慰謝料に与える影響は?期間ごとの慰謝料相場と判例5選

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弁護士 籾山 善臣

リバティ・ベル法律事務所|神奈川県弁護士会所属
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。

 浮気期間と慰謝料の関係を知りたいと悩んでいませんか?

浮気の期間は短かったのに、相場にそぐわない高額の慰謝料を請求されてしまうと不安ですよね。

結論としては、浮気の期間が短い場合、それに伴って慰謝料の金額も少なくなります

これは、浮気された側が浮気の期間の長さに応じた精神的な苦痛が大きくなりやすいので、期間が短いほど損害が少なくなるためです。

例えば、浮気の期間が数ヶ月の場合において300万円の慰謝料を請求された場合、300万円は一般的な慰謝料の相場よりも高いものといえます。

一般的な慰謝料の相場は以下のようになっています。

浮気の期間が短い場合には、減額交渉して慰謝料を適正な金額にすることが重要になります。

実は、慰謝料請求に対する不安から請求金額をそのまま支払ってしまい、相場よりも大きな負担をすることになってしまったという方もいるのです。

この記事を読んで、浮気の期間が慰謝料に与える影響について知っていただければと思います。

今回は、浮気の期間が慰謝料に与える影響についてわかりやすく解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、浮気の期間が慰謝料に与える影響についてよくわかるはずです。

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1章 浮気の期間が慰謝料に与える影響は?長いと高額・低いと低額

浮気の期間は慰謝料の金額に影響します。

というのも、浮気の期間によって相手が受ける精神的苦痛の程度が異なるためです。

例えば、浮気の期間が短ければ精神的苦痛は小さくなりますが、浮気の期間が長いと精神的苦痛も大きなものになります。

そのため、浮気の期間が短いと慰謝料は低額になり、長いと慰謝料は高額になります


2章 浮気の期間別!慰謝料金額の相場

慰謝料金額の相場は、10万円~300万円程度となっており、事情によって金額の増減が大きいです。

これは、慰謝料の算定には様々な事情が考慮されており、浮気の期間の長さも考慮要素となっているためです。

慰謝料の算定で考慮される事情としては、以下のとおりです。

浮気の期間と慰謝料のイメージを具体化すると、以下のグラフのようになります。

浮気の慰謝料相場については以下の記事で詳しく解説しています。

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3章 浮気の期間についての判例5つ

浮気の期間についての判例につき、以下の5つを紹介します。

3-1:2か月の浮気は短期間とした判例
3-2:5か月の浮気は長期間とした判例
3-3:1年間の浮気は長期間とした判例
3-4:5年間の浮気は長期間とした判例
3-5:17年間の浮気は長期間とした判例

それでは各判例について順番に解説していきます。

3-1 2か月の浮気は短いとした判例

Aさんは、BさんがCと結婚していることを知りながら、Bさんと2か月間継続した不貞行為があった事案について、

裁判所は、不貞行為の期間が2か月と短いことや、浮気は受動的に行われていたことを考慮すると、慰謝料は150万円程度になると判断しています。

判例は以下のように説明しています。

参照:東京地方裁判所平成25年4月24日
「職場の先輩後輩関係を利用して積極的に誘ったことで本件不貞行為が始まったといえること、本件不貞行為が継続した期間がわずか2か月程度と短いこと、その他、本件に顕れた一切の事情を考慮すると、原告の精神的苦痛と相当因果関係の認められる損害は、150万円と認めるのが相当である。」

3-2 5か月の浮気は長期間とした判例

AさんとBさんが婚姻していて、AさんがCさんと5か月間浮気をしていた事案について、

裁判所は、夫婦関係が5年に及び、不貞関係の証拠が提出されるまでの間は不貞の事実を否定することで原告の精神的苦痛を増大させていたことや、浮気の期間が5か月にも及んでいたことからすると、慰謝料は160万円程度になると判断しています。

参照:東京地方裁判所平成22年3月25日 平成21年(ワ)第23010号

3-3 1年間の浮気は長期間とした判例

AさんとBさんが婚姻していて、AさんがCさんと1年間浮気をしていた事案について、

裁判所は、不貞行為が1年以上の比較的長期間にわたって継続していたものの、婚姻期間が3年と比較的短いことや、AB間に子どもがいないことから、慰謝料は100万円程度と判断しています。

参照:東京地方裁判所平成22年3月23日

3-4 5年間の浮気は長期間とした判例

AさんとBさんが結婚していて子どもが誕生しているものの、AさんがCさんと5年間浮気をしていてこどもが誕生していた事案について、

裁判所は、婚姻期間が3年と短いものの、浮気の期間が5年間にも及び、Bさんは関係の修復を望んでいるのにCさんがそれを妨害していることから、慰謝料は450万円程度と判断しています。

参照:東京地方裁判所平成15年9月8日

3-5 17年間の浮気は長期間とした判例

AさんとBさんが結婚していたが、AさんがCさんと17年間浮気をしていて子どもが誕生していた事案について、

裁判所は、不貞の期間が17年間にも及び、Cさんは婚姻していたことを認識しながらAさんと不貞関係を継続していたことや、AB間の離婚届を偽造したことから、慰謝料は800万円程度と判断しています。

参照:東京地方裁判所平成21年4月8日


4章 浮気の期間が長くても慰謝料が低額になる3つのケース

浮気の期間が長いと認定されても、慰謝料が低額になるケースがあります。

長期間の浮気になってしまった場合でも、諦めることなく交渉をすることが重要といえます。

そのため、浮気の期間が長いとされた場合には、以下の3つのケースにあてはまるかを確認してみてください

低額になるケース1:婚姻期間が短い場合
低額になるケース2:浮気の回数が少ない場合
低額になるケース3:別居に至らなかった場合

それでは各ケースについて順番に解説していきます。

4-1 低額になるケース1:婚姻期間が短い場合

慰謝料が低額になるケースの1つ目は、婚姻期間が短い場合です

婚姻期間が短い場合は慰謝料の金額が少なくなり、別居に至らなかった場合を前提とすれば30~100万円程度と判断されることが多いように感じます。

なぜなら、婚姻期間が短い場合、長い場合と比較して夫婦関係の蓄積が少ないためです。

例えば、婚姻期間が2年程度の短い期間であれば、浮気によって与える精神的苦痛は大きいとはいえないでしょう。

そのため、婚姻期間が短ければ慰謝料の金額も低額になりやすいといえます

4-2 低額になるケース2:浮気の回数が少ない場合

慰謝料が低額になるケース2つ目は、浮気の回数が少ない場合です

浮気の期間が長くなっても、浮気をした回数が少なければその分だけ慰謝料が減額されます

なぜなら、浮気をした回数が少なければ行為の悪質性が低くなり、パートナーに与える精神的苦痛が少なくなるからです。

例えば、浮気の回数が2回程度であれば、3回以上浮気した場合と比べて精神的苦痛は小さくなるでしょう。

そのため、浮気の回数が少なければ慰謝料の金額も低額になりやすいといえます

4-3 低額になるケース3:別居に至らなかった場合

慰謝料が低額になるケース3つ目は、別居に至らなかった場合です

浮気の後でも別居に至らなかった場合、離婚した場合と比較して慰謝料を減額できます

というのも、別居していなければ夫婦関係の維持を望んでいるものとして、浮気によって夫婦関係が破綻したとはいえないからです。

例えば、婚姻期間が15年と長くても、別居に至らなければ慰謝料は100万円程度で済むこともあります。

そのため、別居に至らなかった場合、慰謝料は定額になりやすいといえます。

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5章 浮気期間の長短と慰謝料交渉の注意点2つ

慰謝料の交渉においては、気を付けていただきたい点が2点あります

慰謝料交渉における注意点は以下のとおりです。

請求する側の注意点:通知書に期間を明示しない
請求された側の注意点:期間が短い場合には減額交渉する

それでは各注意点について順番に解説していきます。

5-1 請求する側の注意点|通知書に期間を明示しない

浮気慰謝料を請求する側の注意点は、通知書に期間を明示しないことです。

なぜなら、通知書に期間を明示してしまうと、仮に浮気の期間が通知書記載の期間よりも長い場合でも、相手方が本当の浮気期間を隠してしまう可能性があるためです。

例えば、実際には3年の間浮気していた場合でも、通知書に浮気期間を1年と記載すると本当の浮気期間を言ってもらえない可能性があります。

そのため、通知書に期間を明示せずに、浮気の期間については相手方に主張させる形で行った方が慰謝料の金額は大きくなりやすいです。

5-2 請求された側の注意点|期間が短い場合には減額交渉をする

浮気慰謝料を請求された側の注意点は、期間が短い場合には減額交渉をすることです。

なぜなら、実際の慰謝料請求では、浮気をしていた期間よりも長い期間浮気をしていたものとして慰謝料請求されることがあるためです。

例えば、実際には6か月しか浮気をしていないのに、3年間浮気していたものとして請求されることがあります。

この場合、実際の浮気の期間が6か月程度であることを主張すれば、慰謝料を減額できる可能性があります。

そのため、実際に浮気をしていた期間が請求された期間よりも短い場合には、浮気の期間が短いことを主張して減額交渉することが望ましいでしょう。

上手な減額交渉の方法については以下の記事で詳しく解説しています。


6章 慰謝料の交渉はリバティ・ベル法律事務所にお任せ

慰謝料の交渉については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください

慰謝料の交渉については、複数の事情がある中から適切に取捨選択をして主張していく必要があります。

また、慰謝料の交渉については、交渉力の格差が獲得金額に大きく影響してきます

リバティ・ベル法律事務所では、慰謝料の交渉について圧倒的な知識とノウハウを蓄積しておりますので、あなたの最善の解決をサポートします

リバティ・ベル法律事務所では、慰謝料の交渉に関して、「初回相談無料」を採用していますので、少ない負担で気軽にご相談できる環境を整えています。

慰謝料の交渉に悩んでいる方は、一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。

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7章 まとめ

今回は、浮気期間と慰謝料の関係について見た後に、浮気期間と慰謝料の相場・具体例・判例、慰謝料の額が低額になるケース、慰謝料交渉の注意点について解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

まとめ

・浮気の期間の長短は、慰謝料の額を増減させます。

・浮気による慰謝料の相場は10~300万円程度とされています。

・浮気期間の長短に関する判例は以下とおりです。
2か月の浮気は短期間とした判例
5か月の浮気は長期間とした判例
1年間の浮気は長期間とした判例
5年間の浮気は長期間とした判例
17年間の浮気は長期間とした判例

・慰謝料の額が低額になるケースは以下の3つです。
低額になるケース1:婚姻期間が短い場合
低額になるケース2:浮気の回数が少ない場合
低額になるケース3:別居に至らなかった場合

・慰謝料交渉の注意点は以下の2つです。
注意点1:通知書に期間を明示しない
注意点1:期間が短い場合には減額交渉する

この記事が、浮気期間と慰謝料の関係を知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

 

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