不倫をしたら謝罪すべきなのか知りたいと悩んでいませんか?
不倫については反省していて誠実に対応したいと考えていても、どのように対応すればいいのかよくわからないですよね。
結論としては、まずあなたが不倫をした場合には、真摯に謝罪の意思を伝えるべきです。
確かに、不倫をしても謝罪をすべき法的な義務は発生しません。
しかし、不誠実な対応することにより、紛争が拡大してしまったり、慰謝料金額が高額化したりしてしまうことがあります。
例えば、謝罪せず交渉についた場合と謝罪をして交渉についた場合とで、話し合いの内容にも変化が出てくるでしょう。
もっとも、謝罪をするといっても、事案により謝罪の方法は異なります。
謝罪文を提出する場合やメールや手紙などに謝罪の意思を付記する場合、対面で謝罪する場合等から、相応しい手段を選択することとなります。
対面の謝罪をすれば誠意は伝わりやすいでしょうが、実は事案によっては大きなリスクとなることもあります。
この記事をとおして、不倫をした場合には、謝罪をするべきなのかどうか、及び、謝罪の方法について、一緒に確認していきましょう。
今回は、不倫をした場合の謝罪について詳しく解説していきます。
具体的には、以下のような流れで解説していきます。
この記事を読めば、不倫と謝罪についてよくわかるはずです。
目次
1章 不倫をしたら謝罪はするべき
あなたが不倫をした場合には、謝罪はするべきです。
不倫慰謝料の請求は、裁判まで至らずに交渉段階で解決することが多い傾向にあります。
紛争の早期解決には、当事者間の話し合いが重要になってくるのです。
しかし、不倫をした場合、不倫された側はあなたに対してマイナスの感情を抱きやすいでしょう。
マイナスの感情を抱いたまま交渉を続けても、納得のできる解決を探すことは難しいといえます。
そのため、不倫をしてしまったら、まず真摯に謝罪の意思を伝えて、相手の気持ちに寄り添うことが必要なのです。
不倫をした場合でも、謝罪をすべき法的義務は生じません。
謝罪するようにお願いされても、断ることは一応できるのです。
しかし、謝罪をしないと紛争が拡大してしまったり、慰謝料の金額が高額になることがあります。
例えば、あなたが謝罪の法的義務はないから謝らないと言ってしまった場合、話し合いでの解決は難しくなり、裁判に発展することもあるでしょう。
そのため、紛争の早期解決のためにも、謝罪すべきかどうかは慎重に検討する必要があるのです。
2章 不倫した側の謝罪方法4つ
謝罪の方法は、事案に適した形で行われる必要があります。
ここでは、不倫した側の謝罪方法について、以下の順序で詳しく解説していきます。
方法2:電話する
方法3:メールや連絡文書に付記する
方法4:謝罪文を送付する
それでは各方法について順番に説明していきます。
2-1 方法1:相手に直接会う
謝罪方法の1つ目は、相手に直接会う方法です。
相手に直接会う方法は、一長一短です。
会うことであなたの誠意が相手に伝われば、慰謝料の請求を取下げてもらえることもあるでしょう。
しかし、不倫発覚直後は特に感情的になりやすく、些細なことでも相手の感情をエスカレートさせてしまうことがあります。
直接会うことで、かえって紛争を拡大させてしまうこともありえるのです。
例えば、あなたの言動で相手を怒らせてしまい、示談書にサインをするまで帰さないと言われることもあるでしょう。
そのため、状況によっては会わない方がいいこともあるので、直接会おうか考えている場合は慎重に検討する必要があります。
2-2 方法2:電話する
謝罪方法の2つ目は、電話する方法です。
電話は、直接会うよりもリスクが少なく、あなたの口から誠意を伝えることができます。
しかし、電話で謝罪する場合にもリスクはあります。
通話の内容を録音されていると、それが不倫の証拠となってしまうのです。
また、相手からはあなたの表情がわからないので、直接会う場合よりも言葉を選んで慎重に発言しましょう。
2-3 方法3:メールや連絡文書に付記する
謝罪方法の3つ目は、メールや連絡文書に付記する方法です。
メールや連絡文書に付記する形であれば、きちんと言葉を選ぶことができます。
口頭で話すよりも、正確な表現で相手に誠意を伝えることができるのです。
しかし、メールや連絡文書に付記された文章は、不倫の証拠となってしまいます。
例えば、謝罪メールで不倫の回数を記載していると、裁判になった場合にそのまま認定されてしまうこともあり得るでしょう。
そのため、不倫の事実を争いたいと考えている方は、より慎重に言葉を選ぶ必要があります。
2-4 方法4:謝罪文を送付する
謝罪方法の4つ目は、謝罪文を送付する方法です。
謝罪文という形であれば、あなたの誠意が相手に伝わりやすいでしょう。
しかし、謝罪文をよく書くという方はいないでしょうから、内容はよく推敲する必要があります。
また、謝罪文に記載された内容は、不倫の証拠となってしまいます。
謝罪文を出してから、後でその内容を争うということは難しいのです。
そのため、謝罪文を出すかは、相手が謝罪文を重要視しているかなど具体的な状況に沿って慎重に検討する必要があります。
土下座とは、地面や床に跪いて謝ることをいいます(土下座とは-コトバンク。
不倫をしても、当たり前ですが、土下座すべき法的な義務は生じません。
しかし、稀に不倫の被害者から土下座を求められることがあります。
そして、場合によっては、土下座を拒否しているにもかかわらず、これを無理強いされることも少なくありません。
もっとも、謝罪の意思をどのように示すかについては、加害者側にも選択する権利があり、意に反して土下座をすることはおすすめしません。
このように強要されて土下座を行ったという記憶は、あなたの自尊心を気付つけることになってしまいますし、トラウマとなってしまうこともあるでしょう。
土下座を拒否したからと言って、それによって法的に不利益な判断がされるとも考え難いです。
他方で、相手が土下座を無理強いしてきた場合、強要罪(刑法223条1項)にあたる可能性があります。
もしも、意に反して土下座を強要されるような場合には、謝罪の意思は示しつつも、毅然とした態度で断りましょう。
3章 不倫の謝罪をした場合のメリットとデメリット
不倫したことに対する謝罪は、メリットとデメリットを併せもっています。
ここでは、不倫の謝罪をした場合のメリットとデメリットを解説していきます。
メリット2:慰謝料減額の可能性が高まる
デメリット1:不倫をしたことの証拠となる
それではメリットとデメリットについて順番に説明していきます。
3-1 メリット1:誠意が伝わりやすくなる
不倫に対する謝罪のメリット1つ目は、誠意が伝わりやすくなることです。
不倫慰謝料に関するトラブルは、できる限り早い段階で解決したいものです。
早期解決で重要なのは当事者間での話し合いですが、交渉態度によっては冷静な話し合いが困難になることもあります。
例えば、謝罪もせずに慰謝料の減額だけ要求している場合には、裁判に発展する可能性が高いです。
そのため、あなたの真摯な謝罪の意思を相手に伝えることが、話し合いを円滑に進めるカギとなるでしょう。
3-2 メリット2:慰謝料減額の可能性が高まる
不倫に対する謝罪のメリット2つ目は、慰謝料減額の可能性が高まることです。
謝罪をしたからといって、慰謝料の請求自体が取下げられることは稀です。
しかし、謝罪の有無は慰謝料減額における1つの考慮要素となります。
慰謝料の考慮要素としては、以下のようなものが挙げられます。
・婚姻の期間
・不倫の期間
・不倫の回数
・別居または離婚したか
・妊娠しているか
・幼い子どもがいるか
・反省の度合いなど
慰謝料は複数の考慮要素から構成されているので、謝罪したから慰謝料も低額になるというわけではないことに注意が必要です。
慰謝料の相場や考慮要素については、以下の記事で詳しく解説しています。
3-3 デメリット1:不倫をしたことの証拠となる
不倫に対する謝罪のデメリット1つ目は、不倫をしたことの証拠になることです。
裁判で不倫が認められるには、証拠が必要となります。
謝罪の中で、不倫したことを認める内容が含まれていると、裁判において証拠となってしまいます。
謝罪を証拠として出されてしまうと、後から謝罪の内容を争うことは難しく、不利となってしまうこともあるでしょう。
そのため、謝罪すべきかを慎重に判断したうえで、謝罪する場合には内容を吟味する必要があります。
不倫の証拠については、以下の記事で詳しく解説しています。
4章 謝罪の有無が不倫慰謝料の額に影響を与えた判例2つ
ここでは、謝罪の有無が慰謝料の金額に影響を与えたとみられる判例についてご紹介します。
判例2:謝罪した事例
それでは順番に説明していきます。
4-1 判例1:謝罪しなかった事例
原告は、被告が原告の妻と不倫をしていたことから、被告に対して慰謝料550万円を請求した事案について、
裁判所は、被告が謝罪していないことや妻主導の不倫であったことを考慮して、慰謝料は130万円が相当であるとしたうえで、探偵の調査費用と弁護士費用を合わせた176万円が損害にあたるとしています。
判例は以下のように説明しています。
「原告とA…の婚姻期間は約12年間にわたっていたこと、原告が、令和元年7月に被告と電話で話した際に、今後、Aと連絡を取らないよう注意し、被告もこれを約束したにもかかわらず、その後も被告はAと連絡を取り合い、不貞関係を続けていたこと、その後、原告と離婚が離婚したこと、被告は、本件訴訟においても本件不貞行為を否定し、原告に対し謝罪等をしていないこと(弁論の全趣旨)が認められる。」
「本件に現れた諸事情を考慮すると、原告が被った精神的苦痛の慰謝料としては130万円が相当である。」
4-2 判例2:謝罪した事例
原告は、被告が原告の夫と不倫に及んだことから、被告に対して慰謝料800万円を請求した事案について、
裁判所は、不倫によって原告は相当な精神的苦痛を被ったものの、被告が謝罪を述べていることや慰謝料支払の意思を明確にしていることから、慰謝料は180万円が相当としています。
判例は以下のように説明しています。
「弁論の全趣旨によれば、原告と原告夫の本件口頭弁論終結時までの婚姻期間は約10年5か月に及ぶこと、被告と原告夫との本件不貞行為の期間は平成24年3月頃から約4年8か月にわたり、被告も原告夫も別れるつもりはないと述べていること、被告は交際当初から原告が原告夫の妻であることを認識していたこと…被告は、本件訴訟に至り本件不貞行為が原告と原告夫との婚姻関係を破綻に導いた一因であることを認め、原告に対する一応の謝罪の言葉を述べ、原告夫に頼らず自らの貯金から慰謝料として200万円を原告へ支払う意向を示したことがそれぞれ認められる。」
「上記認定事実その他本件に現れた一切の事情を考慮すると、本件不貞行為により原告は相当程度の精神的苦痛を受けたものといえ、原告が被った精神的苦痛に対する慰謝料額は180万円と認めるのが相当である。」
5章 不倫謝罪文の書き方(形式面)
ここでは、不倫謝罪文の書き方を簡単に確認していきます。
不倫謝罪文の書き方に決まったものはなく、以下で紹介する内容は一例にすぎません。
そのため、必要に応じて内容の取捨選択をするといいでしょう。
書き方2:謝罪の言葉を入れる
書き方3:不倫関係の解消する旨の制約を入れる
書き方4:慰謝料の支払を認める
書き方5:作成日時の記載や署名押印をする
それでは順番に説明していきます。
5-1 書き方1:不倫を認める
不倫謝罪文の書き方1つ目は、不倫を認めることです。
謝罪文でまず最初に書くべきは、不倫の事実です。
具体的には、以下のような事実を記載する必要があります。
・不倫を行っていたことなど
注意が必要なのは、事実を詳細に書きすぎると後から訂正することが難しいことです。
そのため、記憶が不明確である場合には、日時や場所などあまり細かく記載しない方がいいでしょう。
5-2 書き方2:謝罪の言葉を入れる
不倫謝罪文の書き方2つ目は、謝罪の言葉を入れることです。
謝罪文は、あなたの誠意を伝えるために、あなたの言葉で真摯に表現する必要があります。
テンプレートをそのままコピペしても、相手にあなたの気持ちが伝わりにくいからです。
例えば、ネットで調べればすぐに見つかる内容のものをコピペすると、その場凌ぎで書いたという印象を与えてしまいかねません。
そのため、あくまでもテンプレートなどは参考に止めて、あなた自身の言葉で表現するようにしましょう。
5-3 書き方3:不倫関係の解消する旨の誓約を入れる
不倫謝罪文の書き方3つ目は、不倫関係の解消を誓約することです。
不倫関係が解消されなければ、謝罪したとしても相手は安心できないためです。
あなたの真摯な気持ちを伝えきるためにも、不倫関係解消の制約は必要なのです。
5-4 書き方4:慰謝料の支払を認める
不倫謝罪文の書き方4つ目は、慰謝料の支払を認めることです。
慰謝料の支払を認める旨の記載は、慰謝料を請求されている場合に記載することになります。
不倫謝罪文は、慰謝料の請求と一緒にされることが多いためです。
慰謝料の支払を認める旨の記載をする場合、謝罪文には具体的な金額は明記しない方がいいでしょう。
相手に、お金で解決できる問題だという認識をもたれていると思われかねませんし、相手方が納得できない金額だと誠意が感じられないと捉えられてしまう場合もあります。
そのため、簡潔に慰謝料を支払う意思を示し、それとともに謝罪文を記載することが望ましいでしょう。
5-5 書き方5:作成日時・住所の記載や署名押印をする
不倫謝罪文の書き方5つ目は、作成日時・住所の記載や署名押印をすることです。
謝罪文は、誰が書いたかがわかるよう、文章の最後に作成日時・住所の記載に加え、署名押印をした方がいいでしょう。
6章 不倫謝罪文を書く際の注意点3つ
不倫謝罪文を書くときは、形式面以外でも注意すべき事項があります。
ここでは、不倫謝罪文を書く際の注意点を3つご紹介します。
注意点2:自分の言葉で表現すること
注意点3:特定記録郵便を使用すること
それでは各注意点について順番に説明していきます。
6-1 注意点1:不倫をした場合に書くこと
不倫謝罪文を書く際の注意点1つ目は、不倫をした場合に書くことです。
不倫謝罪文は、裁判上の証拠となってしまいます。
また、一度提出してしまうと後から内容を訂正することや、内容を裁判で争うことは非常に難しくなります。
例えば、実際には不倫していないのに、相手の剣幕に負けて謝罪文を書いてしまった場合、謝罪文はあなたにとって不利な証拠となってしまうのです。
そのため、不倫謝罪文は、実際に不倫をした場合にだけ書くようにしましょう。
6-2 注意点2:自分の言葉で表現すること
不倫謝罪文を書く際の注意点2つ目は、自分の言葉で表現することです。
不倫謝罪文の目的は、あなたの誠意を相手に伝えることにあります。
テンプレートをコピペしただけの謝罪文では、あなたの誠意を相手にきちんと伝えることは難しいのです。
そのため、できる限り謝罪文はあなたの言葉で表現するようにしましょう。
6-3 注意点3:特定記録郵便を使用すること
不倫謝罪文を書く際の注意点3つ目は、特定記録郵便を使用することです。
特定記録郵便とは、郵便物を出した記録が残り、配達を追跡することができるサービスをいいます(※参考:特定記録|日本郵便株式会社 。
郵便物の出した記録が残らない普通郵便などでは、万が一配達中に紛失した場合などに相手まで届いたか確認することができません。
そのため、謝罪文は特定記録郵便で出すことが望ましいでしょう。
7章 慰謝料の減額交渉をすることは不誠実ではない
慰謝料の減額交渉をしても、一般に不誠実と思われることはありません。
慰謝料の請求は、相場よりも高い金額でされることがほとんどでしょう。
相場よりも高い金額から、適正な金額にする必要があるのです。
例えば、慰謝料300万円を請求された事件の相場が100万円の場合、100万円を超える200万円の部分は過大な出費となってしまいます。
そのため、相場からかけ離れた慰謝料を、適正な金額にするための減額交渉が不誠実とされることはないでしょう。
慰謝料の減額交渉については、以下の記事で詳しく解説しています。
8章 慰謝料の減額交渉はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
慰謝料の減額交渉については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
慰謝料の減額交渉については、交渉力の格差が獲得金額に大きく影響してきます。
リバティ・ベル法律事務所では、慰謝料の減額交渉について圧倒的な知識とノウハウを蓄積しておりますので、あなたの最善の解決をサポートします。
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慰謝料の減額交渉に悩んでいる方は、一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。
9章 まとめ
今回は、不倫をしたら謝罪すべきかどうか、謝罪の方法、謝罪のメリット/デメリット、謝罪と慰謝料に関する判例、不倫謝罪文の書き方、謝罪文を書く際の注意点について解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・不倫をしたら謝罪はするべき
・不倫した側の謝罪方法は以下の4つです。
方法1:相手に直接会う
方法2:電話する
方法3:メールや連絡文書に付記する
方法4:謝罪文を送付する
・不倫の謝罪をした場合のメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット1:誠意が伝わりやすくなる
メリット2:慰謝料減額の可能性が高まる
デメリット1:不倫をしたことの証拠となる
・不倫謝罪文の書き方は以下のとおりです。
書き方1:不倫を認める
書き方2:謝罪文を入れる
書き方3:不倫関係の解消する旨の制約を入れる
書き方4:慰謝料の支払を認める
書き方5:作成日時・住所の記載や署名押印をする
・不倫謝罪文を書く際の注意点は以下の3つです。
注意点1:不倫をした場合に書くこと
注意点2:自分の言葉で表現すること
注意点3:特定記録郵便を使用すること
・慰謝料の減額交渉をすることは不誠実ではない
この記事が、不倫をしたら謝罪すべきなのか知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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