家の出入りは不貞行為にあたるの?判断基準3つを分かりやすく解説

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弁護士 籾山 善臣

リバティ・ベル法律事務所|神奈川県弁護士会所属
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。

家の出入りが不貞行為にあたるか知りたいと悩んでいませんか?

家に出入りしていただけなのに、高額の慰謝料を請求されてしまうと不安ですよね。

結論としては、家に出入りをしただけでは不貞行為にはあたりません

なぜなら、不貞行為といえるには肉体関係が必要なので、単に家に出入りしていたにすぎないときは肉体関係がなく、不貞行為にあたらないためです。

例えば、お礼を伝えるために短時間だけ家に滞在していた場合など、肉体関係があったとはいえないようなときは不貞行為が認められにくくなります。

しかし、家に出入りしているだけでも、以下の場合には不貞行為があったと認定されることがあります

・複数回の出入り
・長時間の滞在
・二人きりでの滞在

実は、肉体関係がなくても慰謝料が認められることがあり、油断していると大きな負担をすることになるリスクがあります

この記事を読んで、家に出入りすることのリスクを知っていただければと思います。

今回は、家の出入りが不貞行為にあたるかどうかについてわかりやすく解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、家の出入りが不貞行為にあたるかよくわかるはずです。

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1章 家の出入りが不貞行為にあたるか|不貞行為とは

家の出入りだけでは不貞行為にあたりません

なぜなら、不貞行為といえるには肉体関係が必要となることから、家の出入りだけでは肉体関係があったとはいえないからです。

例えば、異性の家で短時間を食事をしていたにすぎない場合、不貞行為は認められにくくなるでしょう。


2章 家の出入りで不貞行為と認定されがちなケース3つ

家の出入りだけでも不貞行為があったと推認されてしまうケースがあります

家の出入りで不貞行為と認定されがちなケースは以下のとおりです。

ケース1:複数回の出入り
ケース2:長時間の滞在
ケース3:二人きりでの滞在

それでは各ケースについて順番に解説していきます。

2-1 ケース1:複数回の出入り

不貞行為と認定されがちなケースの1つ目は、複数回の出入りです。

複数回の出入りがある場合、継続的な関係を築くことができ一度の出入りと比較してより親密な関係になることができます

例えば、異性の家に10回出入りをしていた場合、外からは家の中の出来事を見ることができません。

10回出入りするという二人の関係性から、肉体関係を持っている可能性が高いと判断されるおそれがあるのです。

そのため、親密な関係にあったとして不貞行為があったと認定されることがあります

2-2 ケース2:長時間の滞在

不貞行為と認定されがちなケースの2つ目は、長時間の滞在です。

長時間の滞在は、滞在を許す側にとってストレスになることもあり、親しくなければ簡単にできることではありません。

そうした親密さから、肉体関係があったとして不貞行為が認定されるおそれがあるのです。

しかし、長時間滞在していない場合でも、物理的に肉体関係を結ぶことができる時間があれば不貞行為があったと判断されることもあります

例えば、2時間程度の滞在でも不貞行為があったと認定されることがあります。

判例は、6時間半での滞在で長時間として認定しており、その説明は以下のとおりです。

東京地判平成29年3月16日D1-Law.com判例体系
「被告とAは、平成27年8月7日の時点で既に、前記のとおり、公道において手をつなぎながら歩き、被告宅で約6時間半過ごすなど親密な関係にあり、交際関係にあったことが推認される。」
「しかし、屋外は酷暑であるし人目を避けるために自宅の室内で過ごすこともあり得ることであり、男女が自宅に長時間いるからといって必ずしも性交渉に及ぶものともいえないから、Aと被告が、性交渉に及んだことが争いがない平成27年9月半ば過ぎより前に性交渉に及んだことを推認することはできない。」

2-3 ケース3:二人きりでの滞在

不貞行為と認定されがちなケースの3つ目は、二人きりでの滞在です。

気のない異性と二人で滞在することはなるべく避けるのが普通であり、二人きりで滞在していることから親密な関係にあるといえます。

こうした二人の関係性から不貞行為があったと認定されるおそれがあります

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3章 家の出入りがバレる理由3つ

家の出入りがバレる原因は様々ですが、ここでは特にバレやすいものについて挙げていきます。

家の出入りがバレる理由は以下のとおりです。

理由1:探偵
理由2:SNS
理由3:雰囲気

それでは各理由について順番に解説していきます。

3-1 理由1:探偵

家の出入りがバレる理由の1つ目は、探偵です。

探偵に依頼された場合、不貞行為をしている可能性が高い日を特定して行動を観察されることになります。

例えば、異性の家に行っていたことがバレないと思っていても、普段の行動の変化から家に行く日を特定されており、調査報告で家の出入りがバレることがあります。

3-2 理由2:SNS

家の出入りがバレる理由の2つ目は、SNSです。

SNSで誰と遊んでいたかどこに行っていたのか等の投稿をすると、投稿の内容が家の出入りがバレるきっかけになります。

3-3 理由3:雰囲気

家の出入りがバレる理由の3つ目は、雰囲気です。

異性の家に行っていた日だけ上機嫌な場合や、普段のルーチンワークから外れた行動をすると同じ家に住む配偶者からすれば何かあったのかと疑いの目を向けるきっかけになります

例えば、普段は仲が悪い夫婦が、異性の家に行った日だけだけ会話をしていた場合、相手は何かいいことがあったのではないかと疑われることがあります。

そのため、異性の家に遊びに行った日だけ雰囲気が変わることは、家の出入りがバレる理由となる可能性があります。


4章 家の出入りを理由に慰謝料を請求された場合の対処法

不貞行為をしていないのに家の出入りを理由に慰謝料を請求された場合、肉体関係を持っていないことを明確に説明したうえで、家の出入りをした合理的な理由を説明することになります。

なぜなら、家の出入り自体は不貞行為を認定するための一事情にすぎないため、合理的な理由があれば不貞行為が認定されないこともあるためです。

家の出入りに合理的理由があるかについては、滞在時間や2人の関係や出入りの回数等から判断することになります

例えば、重要な会議のため異性の家で1度だけ30分だけ打ち合わせをしていた場合、実際に翌日会議が行われていることが裏付けられると、不貞行為は認定されない可能性があります。

そのため、家の出入りを理由に慰謝料請求された場合、肉体関係を持っていないことを説明したうえで、家の出入りをした合理的な理由を説明することが重要になります。

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5章 異性の家に出入りする場合の注意点3つ

異性の家に出入りすることは不貞行為があったと疑われるおそれがあるので、事前に対策をしておく必要があります。

異性の家に出入りする場合の注意点は以下のとおりです。

注意点1:あらかじめ配偶者に伝えておく
注意点2:短時間の滞在に止める
注意点3:二人きりにならないようにする

それでは各注意点について順番に解説していきます。

5-1 注意点1:あらかじめ配偶者に伝えておく

異性の家に出入りする場合の注意点の1つ目は、あらかじめ配偶者に伝えておくことです。

なぜなら、あらかじめ異性の家に行くことを伝えておけば、家の出入りに隠すほどのやましい気持ちはないのだと配偶者に伝えられためです。

しかし、遊びに行く異性との関係性が疑われている場合には、不貞行為だと疑われることもあります。

この場合でも、配偶者に伝えておけば不貞行為があったか否かについて配偶者自身で確認できることから、実際に不貞行為がなかったと説明しやすくなります。

5-2 注意点2:短時間の滞在に止める

異性の家に出入りする場合の注意点の2つ目は、短時間の滞在に止めることです。

これは、肉体関係があるといえるにはある程度の滞在時間が必要となるので、短時間であれば肉体関係があったと主張することが難しいからです。

例えば、仕事の書類を渡すために異性の家に5分だけ滞在していた場合、5分だけなら単純に書類を渡していただけという主張にも筋が通るうえ、5分で肉体関係を結ぶことは難しいでしょう。

そのため、異性の家に出入りする際は短時間の滞在に止めることが望ましいといえます。

5-3 注意点3:二人きりにならないようにする

異性の家に出入りする場合の注意点の3つ目は、二人きりにならないようにすることです。

なぜなら、人が大勢いるような状況では不貞行為に及ばないと考えるのが普通なためです。

例えば、既婚者が仕事仲間と打ち上げのために異性の家に行ったとしても、その際に複数人いたのであれば、家に出入りしただけで不貞行為があったというのは難しいでしょう。


6章 慰謝料の減額交渉はリバティ・ベル法律事務所にお任せ

慰謝料の減額交渉については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。

慰謝料の減額交渉については、複数の事情がある中から適切に取捨選択をして主張していく必要があります。

また、慰謝料の減額交渉については、交渉力の格差が獲得金額に大きく影響してきます

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7章 まとめ

今回は、家の出入りが不貞行為にあたるかについて見た後に、不貞行為と認定されがちなケース・家の出入りがバレる理由・慰謝料請求された場合の対処法・異性の家に出入りする場合の注意点について解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

まとめ
・家の出入り自体は、不貞行為にあたりません。
・家の出入りから不貞行為があったものと認定されがちなケースは以下のとおりです。
ケース1:複数回の出入り
ケース2:長時間の滞在
ケース3:二人きりでの滞在
・家の出入りがバレる理由としてよくある例は以下のとおりです。
理由1:探偵
理由2:SNS
理由3:雰囲気

・異性の家に出入りする場合の注意点は以下のとおりです。
注意点1:あらかじめ配偶者に伝えておく
注意点2:短時間の滞在に止める
注意点3:二人きりにならないようにする

この記事が、家の出入りが不貞行為にあたるか知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。

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