SNSでのやり取りが不倫の証拠になるか悩んでいませんか?
何気ない異性とのSNSでのやり取りが不倫だと思われるのは納得いきませんよね。
結論から言うと、SNS上のやり取りは原則として不倫の証拠にはなりません。
というのも、不倫とは配偶者以外の異性と肉体関係をもつことをいうので、単なるSNS上のやり取りは不倫にあたらないためです。
しかし、SNS上のやり取りであってもその内容から肉体関係を窺わせるやり取りをしている場合には、不倫の証拠になることがあります。
また、SNSのやり取りだけでなく実際に肉体関係を持っている証拠がある場合には、証拠としての扱いに違いが出てきます。
例えば、性交渉それ自体の写真がある場合には、SNS上のやり取りは写真を補助するものとして扱われることがあるのです。
そのため、SNSのやり取りが証拠となる以上、SNSでの不倫がバレた場合には適切に対処していく必要があります。
実は、決定的な証拠がないことから慰謝料請求に対する準備を怠ってしまい、高額な慰謝料が認められてしまったということもあるのです。
この記事をとおして、どのようなやり取りが不貞行為の証拠として認められるのかを理解し、バレてしまった場合にはどのように行動すればいいのかを知っていただければと思います。
今回は、SNSは不倫の証拠になるのか解説したうえで、対処法について説明していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、SNSが不倫の証拠になるのかよくわかるはずです。
目次
1章 不倫(浮気)を疑われるきっかけで最も多いのはSNS!
配偶者に不倫を疑われるきっかけで最も多いのは、SNSです。
不倫を疑われるきっかけの割合は、以下のとおりです。
出典:【浮気調査に関するアンケート】配偶者の浮気を疑った人は3割。浮気を疑うきっかけは、「LINEなどのSNSのやりとり履歴」や電話の履歴から。|株式会社HALのプレスリリース (prtimes.jp)
このように、浮気を疑うきっかけの第1位として、「LINE等SNSでのやり取り、履歴を見た」が47%という高い割合で挙げられているのです。
そのため、不倫を疑われた段階で、既にSNSを見られている可能性も高くなってしまうのです。
2章 SNSを使った不倫を疑われる行動6つ
SNSでのやり取りは、ふとした拍子に見られる以外にも、些細なことから不信に思われて確認されている場合もあるでしょう。
例えば、次のような行動が疑われるきっかけとなります。
行動2:トイレやお風呂でもスマホを手放さない
行動3:スマホを伏せて机などに置く
行動4:スマホにロックをかけるようになる
行動5:通知音が鳴っているのに無視する
行動6:SNSの更新頻度、タイミングが変わる
それでは、各行動について順番に解説していきます。
2-1 行動1:スマホを見る回数が急激に増える
疑われる行動の1つ目は、スマホを見る回数が急激に増えることです。
仕事、生活、スマホでできる趣味など、何かしらの変化がないにも関わらずスマホを見る回数が増えていると、不倫を疑われる可能性があります。
見る回数が増えることを、不倫相手と頻繁にメッセージをやり取りしていると思われる可能性があるためです。
2-2 行動2:トイレやお風呂でもスマホを手放さない
疑われる行動の2つ目は、トイレやお風呂でもスマホを手放さないことです。
これは、スマホを常に手放さないほど見られたくないものがあるのかと疑われてしまうためです。
もともとお風呂にスマホを持ち込むなどの習慣がなければ、このような些細な変化でも疑われる可能性はあります。
2-3 行動3:スマホを伏せて机などに置く
疑われる行動の3つ目は、スマホを伏せて机などに置くことです。
スマホのロック画面やホーム画面に表示される通知を見られたくないためにそうしているのではないかと疑われる可能性があります。
2-4 行動4:スマホにロックをかけるようになる
疑われる行動の4つ目は、スマホにロックをかけるようになることです。
今までロックをかけていなかったにも拘わらず、前触れもなくスマホにロックをかけてしまうと不倫を疑われる可能性があります。
スマホの中に見られたくない情報があるのではないかと疑われてしまうためです。
2-5 行動5:通知音が鳴っているのに無視する
疑われる行動の5つ目は、通知音が鳴っているのに無視することです。
通知音が鳴っているにも関わらず、確認もせずに無視をしていると不倫を疑われる可能性があります。
近くを通った際に覗かれてしまうのを警戒していると考えられてしまうためです。
同様の理由で、別室でSNSなどの返信をしていても疑われる可能性があります。
2-6 行動6:SNSの更新頻度、タイミングが変わる
疑われる行動の6つ目は、SNSの更新頻度、タイミングが変わることです。
もともとあまり高い頻度でSNSを更新していないにも関わらず、更新頻度が増えたり、配偶者が出かけているタイミングで必ずSNSを更新しているといったような変化でも不倫を疑われることがあります。
不倫相手とそのSNSを通してやり取りをしている可能性があると疑われる可能性があるためです。
3章 SNSの履歴は不倫の証拠になるの?
SNSの履歴が不倫の証拠になるのかは、やり取りの内容次第です。
SNSでのやり取りは、肉体関係にあることを匂わせるような親密な内容でない限り、不倫の証拠になることはありません。
例えば、食事をしに行ってその感想を言い合うようなやり取りをしていたとしても、親密であることは分かりますが、親密なだけでは法律的に不倫であるということにはなりません。
というのも、不倫とは配偶者以外の異性と肉体関係をもつことをいうので、単なるSNS上のやり取りは不倫にあたらないためです。
他方で、SNS上のやり取りであってもその内容から肉体関係を窺わせるやり取りをしている場合には、不倫の証拠になることがあります。
他には、既婚者であることを知っていたかということが争点になった場合にも、SNS上のやり取りが証拠になることがあります。
以下の判例では、複数の女性と不倫関係にあり、SNSでのやり取りの内容の違いで不倫の証拠として扱われたかどうかについて、実際に差異がでています。
ア Aとの関係
……被告は、平成25年5月5日にAと2人で自然食品等の販売会場に出かけたことが認められる。しかしながら、平成27年5月13日のAの被告に対するメッセージでは「ランチ兼ねて」とされており、被告とAは、当日、買物をしたほかは、昼食を摂ったと認められるにとどまり、当日の予定について、Aが「体調が良ければ」という留保を付していたことにも照らすと、被告がAと同日前後から交際を開始したとまでは推認するに足りない。
イ Bとの関係
前記1(4)アの事実(ラブホテルを選ぶためのやり取りをし、当日被告が「気持ち良かった!!」というメッセージを送信して、Bも被告に対して「私も気持ち良かったよ」という返信をしたやり取り)によれば、被告は、Bとの間で、性交渉に及ぶための内容のやり取りを行ったことが明らかであるが、その内容は自然であり、疑いを差し挟むべき事情は見当たらないから、そのやり取りのとおり、不貞行為に及んだと認められる。
このように、やり取りの内容次第で証拠として扱われる可能性があるため、万が一不倫をしてしまい、そのようなやり取りをSNSでしている場合には、消去しておいた方がいいでしょう。
また、SNSのやり取りが証拠になる場合、他の証拠との関係によってSNS上の証拠の扱いが変わってくることもあります。
例えば、性交渉それ自体の証拠がある場合には補助的な証拠として、ない場合には不倫を推認するための証拠として扱われることがあります。
4章 スマホを勝手に見るのは違法?違法になるパターン3つ
スマホを勝手に見るという行為は、プライバシーの侵害などにあたる可能性があります。
ただし、仮に違法であると認められ、損害賠償請求ができたとしても、認められる賠償額は少額になることが多いです。
勝手にスマホを見られたということだけを持って損害賠償請求するのは、費用倒れになってしまう可能性が高く、おすすめできません。
そのため、ここではスマホを勝手に見るという行為以外で、不倫調査の過程でSNSに関連して違法になる可能性があるパターンに関して解説していきます。
違法になる可能性があるパターンは以下の3つです。
パターン2:データの転送
パターン3:無断でアプリのダウンロード
それでは、各パターンについて順番に解説していきます。
4-1 パターン1:IDやパスワード等を利用して別の端末からログイン
違法となる可能性があるパターンの1つ目は、IDやパスワード等を利用して別の端末からログインすることです。
他人のIDやパスワードなどを利用してログインする行為は、不正アクセス禁止法に違反する可能性があります。
何人も、不正アクセス行為をしてはならない。
加えて、不正アクセス禁止法に違反した場合、懲役や罰金の可能性もあります。
第3条の規定に違反した者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
このように、行き過ぎた不倫調査は刑事罰の対象となる可能性があります。
以下の記事では、不倫をした側、された側で逮捕される可能性のあるケースについて詳しく解説しています。
4-2 パターン2:データの転送
違法となる可能性があるパターンの2つ目は、データの転送をすることです。
他人のスマホ内のデータを勝手に転送することも、不正アクセス禁止法に違反するおそれがあります。
そのため、SNSでのやり取りをスクショを取って転送する、という行為も違法となる可能性があります。
ただし、自分のスマホのカメラで不倫の証拠になりそうなやり取りの写真を撮ることはデータの転送にはあたらないため、注意が必要です。
4-3 パターン3:無断でアプリのダウンロード
違法となる可能性があるパターンの3つ目は、無断でアプリをダウンロードすることです。
不倫を確かめるために、遠隔操作、位置情報の確認、LINEのトーク履歴の監視、ボイスレコーダーでの録音などを行うことができる浮気調査アプリを配偶者のスマホにダウンロードしてしまおうと考える方もいます。
しかし、不倫調査という目的であっても、他人のスマホに無断でアプリをダウンロードする行為は、不正アクセス禁止法に違反し違法となる可能性があります。
また、所持者に知られずに位置情報などを他のスマホなどに伝えるアプリを使用することも違法となる可能性があります。
こちらに関しては、刑法における不正指令電磁的記録に関する罪に該当します。
他人が設定し、そのデータを受け取るだけという状態でも同様に罪に問われる可能性があります。
第十九章の二 不正指令電磁的記録に関する罪
(不正指令電磁的記録作成等)
第百六十八条の二 正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 …
二 …
2 正当な理由がないのに、前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。
3 前項の罪の未遂は、罰する。
(不正指令電磁的記録取得等)
第百六十八条の三 正当な理由がないのに、前条第一項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
※電子計算機とは、パソコン、スマホなどを含めたコンピューターの事を指します。
このように、勝手に見るという行為だけでの損害賠償請求は現実的ではないものの、それ以外にも多くの違法となる行為があるため、履歴等を見ただけでは知りようがない情報を配偶者が知っていた場合などは原因を探ってみてもいいでしょう。
5章 SNSを使った不倫(浮気)がバレてしまった場合の対処法4つ
SNSを使用しているかどうかに関わらず、不倫(浮気)がバレてしまった場合にはその後の対応が慰謝料の金額を左右します。
SNSを使った不倫(浮気)がバレてしまった場合の対処法は、以下の4つです。
対処法2:誠心誠意謝罪する
対処法3:減額要素を主張する
対処法4:弁護士に相談する
それでは、各対処法について順番に解説していきます。
5-1 対処法1:正直に話して不貞関係にないことを説明する
バレてしまった場合に取るべき対処法の1つ目は、正直に話して不貞関係にないことを説明することです。
これは、実際に肉体関係に至っていない場合に取るべき対処法になります。
先程も説明した通り、不倫とは配偶者以外の異性と肉体関係をもつことをいうので、単なるSNS上のやり取りは不倫にあたりません。
そのため、状況を正直に話して、肉体関係がないことをしっかりと説明しましょう。
もちろん、ここで虚偽の説明を行うことは良くありません。
もしも説明で嘘を吐いていた場合、他の証拠と併せて法的措置を行われる可能性があることに加えて、説明の際に嘘を吐いたという事実は、裁判において、今後の自分の証言の信頼性まで低下させます。
裁判官の心証にも大きな影響を及ぼすため、虚偽の説明は決しておすすめすることはできません。
そのため、本当に肉体関係にない場合には正直に説明し、安易な嘘は吐かないように気を付けましょう。
5-2 対処法2:誠心誠意謝罪する
バレてしまった場合に取るべき対処法の2つ目は、誠心誠意謝罪することです。
慰謝料を請求されてしまった場合、当事者による交渉を中心として手続きが進行します。
しかし、当事者間の対立が根強いと、感情的になりやすく交渉が難航しやすくなります。
交渉が難航した場合には、裁判になるなど紛争が拡大してしまうこともあります。
そうならないように交渉を円滑に進めるためにも、謝罪をして反省していることを示すことは非常に重要となります。
また、反省しているかということは慰謝料の金額を左右する要素になることもあるため、謝罪することで慰謝料を適正な金額にすることにもつながるでしょう。
不倫をしたら謝罪をすべきかに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
5-3 対処法3:減額要素を主張する
バレてしまった場合に取るべき対処法の3つ目は、減額要素を主張することです。
不倫の慰謝料は、配偶者の精神的苦痛を様々な要素から客観的に評価して決められるため、減額要素となるものもあります。
例えば、以下のような要素は慰謝料の増減に影響します。
・発覚前の婚姻生活の状況
・婚姻期間の長さ
・不倫関係の期間の長さ
・不貞行為(性交渉)の回数
・発覚後の不貞行為(性交渉)の有無
・子の有無
・不倫による妊娠の有無
・配偶者の精神科への通院
慰謝料を請求される事態に陥ってしまった場合には、このような要素などから減額につながるものを主張することで、減額できることがあります。
不倫の慰謝料に対する減額交渉の方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
5-4 対処法4:弁護士に相談する
バレてしまった場合に取るべき対処法の4つ目は、弁護士に相談することです。
対処法3で慰謝料の減額交渉に関して触れましたが、慰謝料の増減は様々な要素を勘案して行うため、何を、どのように主張すれば減額につながるか正しく判断することは、とても難しい部分になります。
加えて、違法な方法でSNSなどから情報収集されて不倫がバレていた場合、逆に損害賠償請求が出来る可能性もあります。
これに関しても、自分で請求することは非常に難しい上に、大きな労力を要します。
そのため、負担の軽減や、適切な主張をして適正な慰謝料に近づけるためにも、弁護士に相談してその後の方針を検討することをおすすめします。
6章 不倫慰謝料の減額交渉はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
慰謝料の減額交渉については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
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7章 まとめ
今回は、SNSは不倫の証拠になるのか解説したうえで、対処法について説明しました。
この記事の要点をまとめると、いかの通りです。
・不倫(浮気)を疑われるきっかけで最も多いのはSNSであり、全体の47%を占めています。
・SNSを使った不倫を疑われる行動は、以下の6つです。
行動1:スマホを見る回数が急激に増える
行動2:トイレやお風呂でもスマホを手放さない
行動3:スマホを伏せて机などに置く
行動4:スマホにロックをかけるようになる
行動5:通知音が鳴っているのに無視する
行動6:SNSの更新頻度、タイミングが変わる
・SNSの履歴が不倫の証拠になるかは、やり取りの内容と状況次第です。
・スマホを勝手に見る行為は違法じゃないとは言えませんが、損害賠償請求は認められても少額です。
・スマホを勝手に見る行為以外で違法になるパターンは、以下の3つです。
パターン1:IDやパスワード等を利用して別の端末からログイン
パターン2:データの転送
パターン3:無断でアプリのダウンロード
・SNSを使った不倫(浮気)がバレてしまった場合の対処法は、以下の4つです。
対処法1:正直に話して不貞関係にないことを説明する
対処法2:誠心誠意謝罪する
対処法3:減額要素を主張する
対処法4:弁護士に相談する
この記事が、SNSでのやり取りが不倫の証拠になるのか悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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