年の差婚で離婚したいと感じても、本当に離婚していいのか悩んでいませんか?
年の差婚では周りの反対を押し切って結婚するケースもあるため、離婚に踏み出しにくいこともありますよね。
年の差婚とは、一般的には10歳前後以上の年齢差がある結婚をいいます。
年の差婚で離婚する場合には、財産分与が高額になりやすい等メリットもありますが、強い孤独感に苛まれるおそれといったデメリットも存在します。
それにもかかわらず、年の差婚の離婚率は高く、5歳以上離れた夫婦の離婚率は33%とされています。
年の差婚でキャリアを形成する前に家庭に入ってしまうと、離婚後に困窮してしまうケースも少なくないため、離婚したいと感じたら入念な準備が大切になります。
実は、年の差婚の離婚で後悔する方の多くは、財産分与の知識が乏しいために財産調査が甘く、財産が適正に分与されていなかったというのが実情です。
この記事で、離婚したいと感じた場合の対処法について一緒に確認していきましょう。
今回は、年の差婚の離婚において取るべき行動を説明していきます。
具体的には、以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、年の差婚で離婚したいと感じた場合に取るべき行動がよくわかるはずです
目次
1章 年の差婚では離婚しない方がいい?
年の差婚とは、10歳前後以上の年齢差がある結婚をいいます。
年の差婚では、年上の方の経済力や包容力に魅力を感じ、結婚に踏み出す方が多いです。そのため、年下の方はそのまま家庭に入ってしまい、離婚後の生活への不安から離婚を躊躇ってしまう方もいるかと思います。
しかし、適正な条件で離婚することができれば、十分に生活していくことも可能であり、経済面だけを理由に離婚を諦めてしまうのは望ましくありません。
それだけでなく、望まない結婚生活を続けるのは双方にとって不利益であり、離婚すれば新たな出会いの可能性もあります。
そのため、年の差婚であっても、離婚したらどうなるのか確認した上で、本当に離婚すべきなのか検討していくことが大切です。
2章 年の差婚で離婚するメリットとデメリット
年の差婚で離婚する場合、メリットだけでなくデメリットも存在します。
そのため、離婚すべきかは良い面と悪い面の双方から検討するといいでしょう。
2-1 年の差婚で離婚するメリット3つ
年の差婚で離婚するメリットには、以下の3つがあります。
メリット2:婚姻費用を多くもらいやすい
メリット3:介護の必要がなくなる
それでは、順番に説明していきます。
2-1-1 メリット1:財産分与が高額になりやすい
年の差婚で離婚するメリット1つ目は、財産分与が高額になりやすいことです。
財産分与とは、夫婦の共有財産を分け合うことをいいます。その割合は2分の1が原則であり、これは専業主婦の場合でも同様です。
財産分与で受け取った財産は、そのまま離婚後の生活費にもできるため、離婚においては最も重要な要素となります。
とくに、年の差婚では同年代と結婚した場合よりも、年上の配偶者の年収が高いことがほとんどであり、財産分与が高額になりやすいのです。
2-1-2 メリット2:婚姻費用を多くもらいやすい
年の差婚で離婚するメリット2つ目は、婚姻費用をもらいやすいことです。
婚姻費用とは、夫婦の共同生活に必要な一切の費用をいいます。これは、離婚または同居に戻る日までの間において、収入の高い方から低い方へと支払われることになります。
婚姻費用の金額は算定表に従って計算され、収入が高くなるほど高額になります。
つまり、年の差婚であれば同年代よりも収入が高いため、婚姻費用も高額になりやすいのです。
2-1-3 メリット3:介護の必要がなくなる
年の差婚で離婚するメリット3つ目は、介護の必要がなくなることです。
年の差婚の場合、何十歳も年齢が離れていることも少なくありません。年の差婚の最高記録は、ソマリアにおける112歳の男性と17歳の少女による95歳差婚とされています。
配偶者は、互いに扶養義務を負っているため、もう一方の配偶者を介護しなければいけません。
介護が必要になる年齢は、一般的に80歳前後とされており、年の差が大きくなるほど介護が必要になるのも早くなります。
しかし、離婚すれば扶養義務もなくなるため、介護をする必要はなくなるのです。
2-2 年の差婚で離婚するデメリット3つ
年の差婚で離婚するデメリットは以下の3つです。
デメリット2:離婚後の孤独感
デメリット3:離婚トラブルのおそれがある
それでは、順番に説明していきます。
2-2-1 デメリット1:経済面への不安
年の差婚で離婚するデメリット1つ目は、経済面への不安です。
年の差婚では、年上の方が経済的に安定しているため、年下の方は家庭に入るケースが多いです。
しかし、離婚すると年上の経済力に頼ることはできないため、自分で生活費を稼がなければいけません。
とくに、若い内に家庭に入ると、キャリアも十分に積めていないため、就職活動が難航する可能性もあります。
そのため、年の差婚で離婚する場合、経済面での見通しが立ってから離婚することが重要です。
2-2-2 デメリット2:離婚後の孤独感
年の差婚で離婚するデメリット2つ目は、離婚後の孤独感です。
離婚によって今まで暮らしてきた家族と離れ離れになるため、たとえ険悪な仲だったとしても孤独感に苛まれてしまうでしょう。
とくに、年の差婚であれば、年上の包容力に惹かれた方も少なくないため、強い孤独感に襲われる可能性があります。
2-2-3 デメリット3:離婚トラブルのおそれがある
年の差婚で離婚するデメリット3つ目は、離婚トラブルのおそれがあることです。
離婚する場合、解決すべき問題が山積みであり、例えば財産分与や婚姻費用の請求だけでなく、子どもがいれば親権の問題も発生します。
夫婦の対立が深刻だと、合意による離婚が難しいこともあり、裁判での離婚になることもあります。裁判になると、離婚までに1~2年程度かかることもあり、多大な労力を費やさなければいけません。
また、年の差婚では高収入な年上と結婚する場合も多いため、財産分与では分与の割合が争いになりやすい傾向があります。
3章 年の差婚の離婚率は33%|離婚原因の1位は「性格の不一致」
年の差婚をした夫婦の離婚率は33%程度とされています。他方で、5歳差未満の離婚率は15.2%であり、同年代に近いほど離婚率は低くなっています。
そのため、年の差が開くほど離婚しやすい状態にあることがわかります。
年の差婚における離婚原因を多い順で並べると以下のとおりです。
②浮気・不倫、浪費癖
③DV、モラハラ等
④その他
このように、年の差婚であるからといって特別な離婚原因があるわけではなく、一般的な離婚原因が上位を占めていることがわかります。
4章 年の差婚夫婦が離婚前に関係を修復する方法3つ
離婚する方法には、配偶者の合意がある場合のほか、調停や裁判によることが考えられます。
配偶者が離婚に応じない場合、最終的には裁判になりますが、とくに離婚事由がなければ、婚姻関係の修復可能性が問題になります。
そのため、離婚事由がなければ、まずは婚姻関係の修復可能性を模索すべきであり、離婚したいと感じても見切り発車することは望ましくないのです。
具体的には、婚姻関係を修復する方法には以下の3つがあります。
方法2:コミュニケーションを増やす
方法3:共通の趣味を持つ
それでは、順番に説明していきます。
4-1 方法1:価値観の違いを受け入れる
年の差婚夫婦が離婚前に関係を修復する方法1つ目は、価値観の違いを受け入れることです。
年の差婚の場合、ジェネレーションギャップなどから、価値観がまったく違うということもあります。
しかし、価値観のズレに納得はできなくても、ありのままを受け止めることができれば、素直に話し合い理解することはできるはずです。
そのため、修復可能性を模索するには、まず価値観の違いを受けいれ、心を開くことから始めていくといいでしょう。
4-2 方法2:コミュニケーションを増やす
年の差婚夫婦が離婚前に関係を修復する方法2つ目は、コミュニケーションを増やすことです。
夫婦のように親密な関係であっても、コミュニケーションがなければ意思疎通は難しくなります。
とくに、年の差婚であれば価値観のズレ等から、配偶者がどこに不満を持っているのか会話がなければ把握しづらい部分もあります。
また、コミュニケーションが少ないと夫婦関係も希薄になり、本当に言いたいことを伝えられない状況に陥るおそれがあります。
そのため、会話等のコミュニケーションを増やすことで、お互いに喋りやすい雰囲気を作れるか確認しておくといいでしょう。
4-3 方法3:共通の趣味を持つ
年の差婚夫婦が離婚前に関係を修復する方法3つ目は、共通の趣味を持つことです。
夫婦の趣味は同じなのが理想ですが、多様性が尊重される現代では趣味が異なるという事態も当然に起こり得ます。
しかし、趣味が違うからといって、夫婦がまったく違う行動を取ってしまうと、次第に生活も別々になっていくおそれがあります。
例えば、配偶者が趣味のために自室に閉じこもり、何日も顔を合わせることがなければ、家庭内別居に近い状況になってしまうでしょう。
そのため、配偶者に歩み寄るための手段として、共通の趣味を作ってみるのもいいでしょう。
5章 年の差婚で離婚したい場合の対処法3つ
夫婦関係の修復が難しい場合には、離婚に向けた準備を進めることになります。
具体的には、年の差婚で離婚したい場合の対処法は以下の3つです。
対処法2:別居に合わせて調停を申し立てる
対処法3:弁護士に相談する
それでは、順番に説明していきます。
5-1 対処法1:財産調査を徹底する
年の差婚で離婚したい場合の対処法1つ目は、財産調査を徹底することです。
財産分与では、夫婦の共有財産を原則として2分の1の割合で分け合うことになります。
ここでいう共有財産とは、結婚してから離婚するまでに夫婦が協力して築いた財産をいいます。例えば、結婚後に購入した住居や自動車などがこれにあたります。
しかし、財産分与の対象になる財産でも、その財産が存在することを立証できなければ、実際に分与されることはないのです。
つまり、知らなかった財産については分与を受けることはできないのです。なお、離婚後に明らかとなれば分与する方法がありますが、離婚後に調査することは困難なケースが少なくありません。
そのため、全ての共有財産を分与するためにも、徹底した財産調査が必要となるのです。
財産調査の方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
5-2 対処法2:別居に合わせて調停を申し立てる
年の差婚で離婚したい場合の対処法2つ目は、別居に合わせて調停を申し立てることです。
離婚前においては、様々な理由から別居する夫婦が少なくないかと思います。
別居のように夫婦が生計を別にしている場合でも、夫婦である限り助け合わなければならず、収入の高い配偶者は低い配偶者に婚姻費用を支払わなければいけません。
この支払義務は、実務上は婚姻費用分担調停を申し立てた時に発生するとされています。これは、婚姻費用を請求したことを明らかにするためです。
そのため、婚姻費用を請求した事実を明確に残すためにも、別居に合わせて調停を申し立てておくといいでしょう。
5-3 対処法3:弁護士に相談する
年の差婚で離婚したい場合の対処法3つ目は、弁護士に相談することです。
年の差婚では高額な財産が関係してくることもあるため、離婚後の生活を守るには適正な条件で離婚しておく必要があります。
しかし、離婚交渉では法的知識や経験の有無が離婚条件に影響しやすいため、万全な準備を整えておきたいところです。
弁護士であれば、弁護士会照会を通じて適切な財産調査を期待することができるほか、配偶者と直接話し合うのが難しい場合でも、弁護士を介した冷静な話し合いが可能となります。
そのため、離婚交渉に不安を感じたら、弁護士に相談してみるといいでしょう。
6章 財産分与請求を含む離婚の相談はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
財産分与請求を含む離婚の相談は、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
離婚については、財産調査のノウハウ、経験が獲得金額に大きな影響を与える分野です。
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7章 まとめ
以上のとおり、今回は、年の差婚の離婚において取るべき行動を説明しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・年の差婚では離婚後の経済面に不安は残りますが、離婚条件を適正なものとすることである程度の不安は解消できます。
・年の差婚で離婚するメリットは以下の3つです。
メリット1:財産分与が高額になりやすい
メリット2:婚姻費用を多くもらいやすい
メリット3:介護の必要がなくなる
・年の差婚で離婚するデメリットは以下の3つです。
デメリット1:経済面への不安
デメリット2:離婚後の孤独感
デメリット3:離婚トラブルのおそれがある
・年の差婚の離婚率は33%であり、離婚原因の1位は「性格の不一致」とされています。
・年の差婚夫婦が離婚前に関係を修復する方法は以下の3つです。
方法1:価値観の違いを受け入れる
方法2:コミュニケーションを増やす
方法3:共通の趣味を持つ
・年の差婚で離婚したい場合の対処法は以下の3つです。
対処法1:財産調査を徹底する
対処法2:別居に合わせて調停を申し立てる
対処法3:弁護士に相談する
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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