不倫でうつ(鬱)病に!?慰謝料金額とすぐできる証拠集めの方法4つ

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弁護士 籾山 善臣

リバティ・ベル法律事務所|神奈川県弁護士会所属
取扱分野は、浮気・不倫問題、離婚問題、労働問題等。
敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。

不倫を理由とするうつ病と慰謝料が関係するのか知りたいと悩んでいませんか?

不倫が原因でうつ病になってしまうと、仕事もままならなくなってしまって不安ですよね。

結論としては、不倫が原因でうつ病になった場合、慰謝料の増額事由となります。

これは、うつ病を発症した場合、うつ病を患うほどの精神的苦痛を受けたといえるからです。

また、うつ病を発症したことによる休業損害や医療費が問題になることもあります

例えば、うつ病によって営業を断念せざるを得なくなった場合や、病院の治療費や通院費などの損害を慰謝料の増額事由として主張できる可能性があります。

他方で、不倫をした側がうつ病になった場合は、当然には慰謝料や損害の賠償を請求することはできません

もっとも、状況によっては離婚の請求が認められることはあります

不倫された側と不倫した側の違いは以下のとおりです。

今回は、不倫を理由とするうつ病によって発生した損害を請求できるかについてわかりやすく解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、不倫とうつ病の関係についてよくわかるはずです。

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1章 不倫うつとは?不倫でうつ(鬱)病になる2つのパターン

不倫うつとは、不倫を原因としてうつ病を発症してしまうことをいいます。

これは、不倫をした側またはされた側の両方が、不倫を原因としてうつ病を発症した場合を含みます。

以下では、「不倫された側」と「不倫した側」の双方のパターンを解説していきます。

それでは各パターンについて順番に解説していきます。

1-1 不倫された側(不安を感じやすい人)

不倫うつのパターンとして、不倫をされた側がうつ病になることがあります

不倫をされた側の人でうつ病になりやすいのは、不安感を感じやすい人です。

なぜなら、不倫されたことにより今後の夫婦関係に不安を感じてしまい、マイナス思考から抜け出せない状態に陥ってしまうからです。

例えば、不倫相手があなたの家で配偶者と不倫していたような場合ですと、家にいるだけで不倫されたことを思い出してしまい悲しい気持ちになってしまうことがあります。

1-2 不倫した側(罪悪感を感じやすい人)

不倫うつのパターンとして、不倫をした側がうつ病になることがあります

不倫をした側の人でうつ病になりやすいのは、罪悪感を感じやすい人です。

なぜなら、配偶者に会う度につらい気持ちになり、精神的に病んでしまうからです。

例えば、日常生活でも、後ろめたい気持ちで配偶者と接しなければならず、純粋に楽しむことができません。


2章 不倫うつの典型症状5つ

うつ病を発症している人には共通の症状があり、典型的な症状からうつ病を発症しているか判断することができます。

不倫うつの典型症状は以下のとおりです。

症状1:マイナス思考
症状2:強い疲労感
症状3:決断力の低下
症状4:食欲の低下
症状5:趣味が楽しくない

それでは各症状について順番に解説していきます。

2-1 症状1:マイナス思考

不倫うつの典型症状の1つ目は、マイナス思考です。

不倫が原因で気分が落ち込んでしまい、問題が解決した後も物事を素直に受け止められない状態になってしまいます。

例えば、不倫を知るまでは職場でも明るく友好的な雰囲気の人でも、物事を素直に受け止められずマイナス思考に陥ってしまうことがあります。

他にも、明るかった人の表情が暗くなったなど客観的な事情などからもマイナス思考になっていることを判断することができます。

2-2 症状2:強い疲労感

不倫うつの典型症状の2つ目は、強い疲労感です。

不倫を知ってしまうとマイナス思考から抜け出せず、自分や他人を責めてしまい自己嫌悪からくる精神的疲労が身体的な疲労に繋がってしまいます。

例えば、真面目な人であれば、不倫されたのは自分にも悪いところがあったと思い詰めてしまうでしょう。

このような状況になると考えすぎてしまい夜も十分に眠れず、強い疲労感に襲われてしまうことがあります。

2-3 症状3:決断力の低下

不倫うつの典型症状の3つ目は、決断力の低下です。

決断力は心が健康な状態でこそ発揮されるので、マイナス思考と疲労感によって弱っていると決断力が低下してしまうことがあります。

2-4 症状4:食欲の低下

不倫うつの典型症状の4つ目は、食欲の低下です。

食欲は人間にとって強い欲求ですが、精神的ダメージが大きいと減退してしまうことがあります。

例えば、不倫されたことを知った後、食事が喉を通らない日が続いている場合には、うつ病を発症している可能性があります。

2-5 症状5:趣味が楽しくない

不倫うつの典型症状の5つ目は、味が楽しくないです。

うつ病を発症していると気分の落ち込みが激しいので、普段は楽しく感じる趣味でも普段通りに受け止めることができなくなってしまうことがあります。

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3章 不倫うつの解消方法5つ

不倫うつはずっと続くわけではなく、正しい行動を取ることで緩和することができます。

不倫うつの解消方法は以下のとおりです。

方法1:軽い運動をする
方法2:お風呂に入る
方法3:親しい人といる
方法4:規則正しい生活をする
方法5:没頭できることをする
それでは各方法について順番に解説していきます。

3-1 方法1:軽い運動をする

不倫によるうつ病の解消方法の1つ目は、軽い運動をすることです。

なぜなら、うつ病の状態だと室内で横になっている時間が増えてしまうので、体を動かすことで沈んだ気分を晴らすことができるためです。

例えば、気分が乗らなくても散歩をすることで、閉鎖的空間から開放的な空間へと足を踏み出し運動をすることができ、気分をリフレッシュすることができます。

そのため、軽い運動はマイナス思考から脱出するチャンスとなるので、うつ病解消の手段となるでしょう。

これは、外へ出ずとも室内を歩くだけでも同様の効果が見込めるでしょう。

3-2 方法2:お風呂に入る

不倫によるうつ病の解消方法の2つ目は、お風呂に入ることです。

お風呂は心の洗浄といわれるほど精神の疲労を落とすことができる場所なので、沈んだ心も洗い流すことができます。

そのため、お風呂に入ることは、メンタルをリセットすることにも繋がり、うつ病解消の手段になります。

3-3 方法3:親しい人といる

不倫によるうつ病の解消方法の3つ目は、親しい人といることです。

なぜなら、親しい人といればその人との時間を過ごすことになるので、精神的ダメージを和らげることができるからです。

そのため、親しい人といることは不倫による精神的ダメージを和らげることに繋がり、うつ病解消の手段となるでしょう。

3-4 方法4:規則正しい生活をする

不倫によるうつ病の解消方法の4つ目は、規則正しい生活をすることです。

不規則な生活だと自律神経が乱れてしまって不安定な精神状態に陥りやすい状況にあります。

うつ病によるマイナス思考に拍車をかけないためにも、規則正しい生活をすることで精神を安定させることができます。

3-5 方法5:没頭できることをする

不倫によるうつ病の解消方法の5つ目は、没頭できることをすることです。

物事に没頭した場合、周りのことは気にならない状態になるのでマイナス思考を回避することができるからです。

例えば、不倫を忘れるために、家庭から離れ、仕事や趣味に打ち込むことも自分の心を守る手段となることがあります。


4章 不倫された側のうつ病と慰謝料の金額

不倫をされた側は、うつ病を発症した場合には慰謝料の増額事由となり得ます

なぜなら、不倫により強い心理的負荷がかかったことを示す要素の一つとなるためです。

例えば、不倫された際の慰謝料の考慮要素としては、他にも以下のようなものがあります。

・視点1 浮気の態様
・視点2 婚姻関係に対する影響の程度
・視点3 婚姻期間・幼い子どもの有無
・視点4 浮気の期間や回数
・視点5 反省の度合い

不倫慰謝料の金額の考慮要素については以下の記事で詳しく解説しています。

うつ病による医療費や薬品費の請求

不倫被害者がうつ病になった場合には、医療費や薬品費が問題となることがあります。

確かに、うつ病による医療費や薬品費の請求については、認められることがないわけではありません。

例えば、裁判例(東京地判平成28年2月1日)には、心療内科への通院が不貞を知ったことによることは明らかとして、加害者に対して治療費の支払いを命じています。

しかし、実際には、不貞と医療費や薬品費との間の因果関係を認めず、医療費や薬品費の請求までは認められないことが一般的です。

例えば、裁判例(東京地判平成28年11月8日)は、一方の配偶者の不貞により他方配偶者が精神的衝撃を受けたとしても、それを原因としてうつ病に罹患するのが通常であるとはいえないから、治療費が不貞との間に相当因果関係のある損害とは認められないとしています。

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5章 不倫した側のうつ病と離婚の可否

不倫をした側がうつ病になった場合でも、不倫された側と離婚できる場合があります

まず、不倫をした側から離婚を申し出る場合であっても、配偶者がこれに同意した場合には離婚できます。

ただし、同意がない場合には、不倫された側からすれば、不倫被害者なのに離婚までされてしまうという、いわゆる踏んだり蹴ったりな状態なので、離婚の可否は厳格に判断されます。

具体的には、以下のような事情が考慮されることになります。

・別居期間の長さ
・小さな子どもがいるか
・離婚しても不倫された側が過酷な状態に置かれないかなど…

判例は、有責配偶者(不倫した側)からの離婚請求について以下のように説明しています。

最高三小昭和27年2月19日最高裁判所民事判例集6巻2号100頁
「結局上告人が勝手に情婦を持ち、その為め最早被上告人とは同棲できないからと、これを追出すということに帰着するものであつて、もしかかる請求が是認されるならば、被上告人は全く俗にいう踏んだり蹴つたりである。」
「前記民法の規定は相手方に有責行為のあることを要件とするものではないことは認めるけれども、さりとて前記の様な不徳義、得手勝手の請求を許すものではない。」

最高大判昭和62年9月2日最高裁判所民事判例集41巻6互応1423頁
「有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできないものと解するのが相当である。」


6章 不倫うつの証拠を集める4つの方法

不倫うつの証拠を集める4つの方法は以下のとおりです。

方法1:心療内科で診断書を出してもらう
方法2:定期的に心療内科に通いカルテや診療録の開示を求める
方法3:うつ病の具体的な症状について日記をつける
方法4:うつ病の具体的な症状についてLINE等で相談する

それでは各方法について順番に説明していきます。

6-1 方法1:心療内科で診断書を出してもらう

不倫うつの証拠を集める方法の1つ目は、心療内科で診断書を出してもらうことです。

診断書とは、医師が患者の病名や症状を記載した書類のことをいいます。

医師が記載していることから信頼性が高く、慰謝料の増額事由としてうつ病を主張する際に、診断書を提出すればうつ病が認定されやすくなるでしょう。

そのため、交渉を有利に進めるためにも心療内科で診断書を出してもらうことが望ましいです。

6-2 方法2:定期的に心療内科に通いカルテや診療録の開示を求める

不倫うつの証拠を集める方法の2つ目は、定期的に心療内科に通いカルテや診療録の開示を求めることです。

診断書のみだけでは不倫とうつ病の関係性が不鮮明なことがあります

もっとも、定期的に心療内科に通いカルテや診療録の開示を求めることで、関係性を明確にできることがあります。

そのため、診断書に併せてカルテや診療録も提出することで立証がしやすくなります。

6-3 方法3:うつ病の具体的な症状について日記をつける

不倫うつの証拠を集める方法の3つ目は、うつ病の具体的な症状について日記をつけることです。

なぜなら、裁判ではうつ病の状況を把握するために具体的な症状に関して裁判官から質問されることがあるためです。

例えば、あなたが日記をつけていれば、何月何日にどのような症状であったのかなど具体的に説明することができます。

そのため、質問に答えられるように日記につけておくことが望ましいといえるでしょう。

6-4 方法4:うつ病の具体的な症状についてLINE等で相談する

不倫うつの証拠を集める方法の4つ目は、うつ病の具体的な症状についてLINE等で相談することです。

なぜなら、LINEなどで相談することで症状に関する記録が残るので、記憶よりも正確な記録によってうつ病に関する主張がしやすくなるからです。

例えば、不倫によってうつ病を発症した場合に、うつ病の症状についてLINEで親に相談していたとしましょう。

この場合、LINEのスクリーンショットやテキストデータを証拠として裁判所に提出することができますので、裁判所もうつ病の症状についてのイメージをしやすくなります。

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7章 不倫の慰謝料交渉はリバティ・ベル法律事務所事務所にお任せ

不倫の慰謝料交渉については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。

慰謝料交渉については、複数の事情がある中から適切に取捨選択をして主張していく必要があります。

また、慰謝料交渉については、交渉力の格差が獲得金額に大きく影響してきます

リバティ・ベル法律事務所では、慰謝料交渉について圧倒的な知識とノウハウを蓄積しておりますので、あなたの最善の解決をサポートします

リバティ・ベル法律事務所では、慰謝料交渉に関して、「初回相談無料」を採用していますので、少ない負担で気軽にご相談できる環境を整えています。

慰謝料交渉に悩んでいる方は、一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。


8章 まとめ

今回は、不倫うつと不倫うつになりやすいパターン・不倫うつの典型症状と解消方法・不倫された側のうつ病と慰謝料金額・不倫した側のうつ病と離婚の可否・不倫うつの証拠を集める方法を解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

~まとめ~
・不倫うつには以下の2つがあります。
 不倫された側がうつ病になるパターン
 不倫した側がうつ病になるパターン
・不倫うつの典型症状としては以下の5つがあります。
 症状1:マイナス思考
 症状2:強い疲労感
 症状3:決断力の低下
 症状4:食欲の低下
 症状5:趣味が楽しくない
・不倫によるうつ病の解消方法は以下のとおりです。
 軽い運動をする
 お風呂に入る
 親しい人といる
 規則正しい生活をする
 没頭できることをする
・不倫された側がうつ病になった場合には、慰謝料の増額事由となり得ます。
・不倫した側がうつ病になった場合でも、離婚できることがあります。
・不倫うつの証拠を集める方法としては以下の4つがあります。
 方法1:心療内科で診断書を出してもらう
 方法2:定期的に心療内科に通いカルテや診療録の開示を求める
 方法3:うつ病の具体的な症状について日記をつける
 方法4:うつ病の具体的な症状についてLINE等で相談する

この記事が、不倫とうつ病の関係について知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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