慰謝料を振り込まないとどうなるのか知りたいと悩んでいませんか?
高額の慰謝料を支払えるかどうか不安ですよね。
結論としては、慰謝料はすぐに振り込んではいけません。
なぜなら、当初請求されている金額は過大であることが多く、適正な金額との間に大きなギャップがある為です。
他方で、慰謝料をすぐに振り込まない場合でも、請求を無視してしまうと以下のようなリスクが生じるおそれがあります。
・慰謝料が増額するおそれ
・訴訟を提起されるおそれ
・強制執行されるおそれ
例えば、訴訟を提起されれば、通常、訴状が家に届くこととなりますので、紛争の内容を家族に知られてしまうリスクもあるのです。
他にも、訴訟で敗訴すると、あなたのお給料や預金を差し押さえられてしまう可能性もあります。
そのため、慰謝料請求は無視せずに、減額交渉等の適切な対処法を講じてから振り込むことになるでしょう。
負担が大きくなるのを防ぐためにも、慰謝料を振り込めない場合の対処法や、振り込む前の注意事項について一緒に確認していきましょう。
今回は、慰謝料を請求された場合に、すぐに振り込んではいけないこと及びそのリスクについて解説していきます。
具体的には、以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、慰謝料を振り込まないとどうなるのかについてよくわかるはずです。
目次
1章 慰謝料はすぐに振り込まない!過大な振込みとなる可能性
慰謝料を請求されても、請求された金額をすぐに振り込まないようにしましょう。
なぜなら、当初請求される慰謝料の金額は適正金額に比べて過大であることが多いためです。
慰謝料請求の相場は、10~300万円程度とされています。
しかし、実際の慰謝料請求では、相場の限界の300万円の金額が請求されることも珍しくありません。
例えば、慰謝料の相場が100万円にもかかわらず、300万円の慰謝料が請求されたとしましょう。
この場合、300万円をそのまま支払ってしまうと、交渉すれば100万円程度になる可能性があったのに、200万円分余計に負担してしまうのです。
そのため、慰謝料請求をされた場合に、慰謝料請求の内容を確認しないまますぐに振り込むことはやめた方がいいでしょう。
具体的には、慰謝料請求の確認事項としては、以下のものが挙げられます。
確認事項2:請求金額
確認事項3:支払期限
それでは各事項について順番に説明していきます。
1-1 確認事項1:記載内容
慰謝料を振り込む前の確認事項1つ目は、記載内容です。
慰謝料を請求された場合、まずは請求書の記載内容をよく確認する必要があります。
記載内容を確認しないと、あなたが本当に慰謝料を支払うべきかを判断できないためです。
例えば、慰謝料請求書には、あなたが不倫に関係していたとの記載があったとしましょう。
しかし、実際には食事をしただけで肉体関係をもっていなかった場合には、慰謝料を振り込む必要はないのです。
そのため、慰謝料を請求された場合、過大な負担となることを避けるためにも、まずは記載内容の事実を確認する必要があります。
1-2 確認事項2:請求金額
慰謝料を振り込む前の確認事項2つ目は、請求金額です。
慰謝料の相場は、おおよそ10万円~300万円程度とされています。
具体的な金額は以下の表のとおりです。
請求金額が相場よりも高い場合、適切な手段を取らずに振り込んでしまうと、過大な負担となってしまいます。
また、慰謝料の金額と相場は、防御に使うべき費用と労力を判断するための材料になります。
例えば、請求金額が相場に近い50万円だった場合、弁護士を入れると弁護士費用で費用倒れとなるおそれがあるでしょう。
そのため、振り込む前に請求金額を確認し、相場と照らし合わせることが重要となります。
1-3 確認事項3:支払期限・回答期限
慰謝料を振り込む前の確認事項3つ目は、支払期限・回答期限です。
相場に記載されている回答期限に法的拘束力はありませんが、回答の目安となるので注意しましょう。
回答期限を無視したうえで何も対応しなければ、そのまま訴訟に至ってしまうこともあります。
そのため、振り込む前に支払期限を確認し、適切な対応を取る必要があるでしょう。
慰謝料の振り込み期日は、段階によって異なってきます。
具体的には、以下の表のとおりです。
判決の場合は明確な支払期限はないものの、相手方に債務名義が与えられているので、できる限り早めに振り込んだ方が良いでしょう。
全額の振り込みが難しい場合、相手方に連絡をして支払時期の協議をすることが望ましいです。
慰謝料が振り込まれない場合、相手方は強制執行の手続を進めなければならず必要以上の負担をすることになります。
そのため、相手方としても強制執行を進めるよりは、支払時期を協議して遅らせた方が良い場面もあるのです。
2章 すぐに振り込まない場合も無視は禁物!無視した場合のリスク4つ
慰謝料をすぐに振り込むべきではないからといって、慰謝料請求を無視することは禁物です。
なぜなら、何もしないで放置していると紛争が拡大してしまい、解決に必要な労力やコストが増大してしまうためです。
例えば、慰謝料請求を無視した場合のリスクとしては以下の4つがあります。
リスク2:慰謝料が増額するおそれ
リスク3:訴訟を提起されるおそれ
リスク4:強制執行されるおそれ
それでは各リスクについて順番に説明していきます。
2-1 リスク1:感情的対立が深まるおそれ
慰謝料請求を無視した場合のリスクの1つ目は、感情的対立が深まるおそれがあることです。
慰謝料請求がされた場合、誠実に交渉すれば示談で解決することが多く、訴訟にまで至ることはそう多くはありません。
しかし、慰謝料請求を無視してしまうと、感情的対立が深まるおそれがあります。
相手方との話し合いが難しくなり、徒に紛争が拡大するおそれがあるのです。
最悪の場合、示談には絶対に応じないということもあり、訴訟にまで至ってしまうこともあるでしょう。
2-2 リスク2:慰謝料が増額するおそれ
慰謝料請求を無視した場合のリスクの2つ目は、慰謝料が増額するおそれがあることです。
訴訟が提起された場合、慰謝料の具体的な金額は裁判官が判断することになります。
慰謝料の金額の考慮要素には様々なものがありますが、不倫の態様等だけでなく不倫後のあなたの姿勢も考慮されることがあります。
反省の態度などによっては、慰謝料が増えてしまうこともあるのです。
そのため、慰謝料を振り込みたくないがために、請求を無視したり不倫の事実を隠したりすることは絶対にしてはいけません。
2-3 リスク3:訴訟を提起されるおそれ
慰謝料請求を無視した場合のリスクの3つ目は、訴訟を提起されるおそれがあることです。
あなたが慰謝料請求を無視した場合には、相手方は話し合いによる解決は難しいものと判断して強硬的な手段に出てきます。
例えば、慰謝料請求を無視していたら、ある日、あなたの家に裁判所から訴状が送られてきたというのは、実際によく聞く話です。
訴訟を提起されると解決までに1年程度かかることもありますし、訴状が家に届くことにより家族に知られてしまうリスクも出てきます。
そのため、強硬的な手段が使われないよう、慰謝料を請求は無視せず誠実に交渉しましょう。
2-4 リスク4:強制執行されるおそれ
慰謝料請求を無視した場合のリスクの4つ目は、強制執行されるおそれがあることです。
訴訟を提起された後も請求を無視し続けると、慰謝料の請求が認められて敗訴してしまうでしょう。
敗訴判決が確定すると、相手方に債務名義が与えられ強制執行に必要な手続を進めることができます。
そのため、慰謝料請求の無視は、最終的にあなたの大切な財産の差押えへと繋がってしまうのです。
差押えについては以下の記事で詳しく解説しています。
3章 慰謝料を請求されてから振り込みまでの正しい流れ
ここでは、慰謝料を請求されてから振り込みまでの正しい流れを簡単に解説していきます。
流れ2:回答書を出す
流れ3:交渉をする
流れ4:示談書の作成
流れ5:振り込み
それでは各流れについて順番に説明していきます。
3-1 流れ1:通知書が届く
慰謝料請求されてから振り込みまでの正しい流れ1つ目は、通知書が届くことです。
慰謝料請求の方法は様々ですが、一般的なものとしては内容証明郵便で通知書を送付する方法が挙げられます。
内容証明郵便は、いつ誰がどんな内容の文書を誰に出したのかを謄本によって証明することができるサービスです。
慰謝料請求の通知書をあなたに送付したことを証拠にできることから、訴訟まで見据えた請求の方法となるのです。
3-2 流れ2:回答書を出す
慰謝料請求されてから振り込みまでの正しい流れ2つ目は、回答書を出すことです。
通知書が届いた後は、相手方に回答書を出す必要があります。
回答書を出さないと、相手方は通知書を無視されたと感じてしまうためです。
しかし、回答書の作成は慎重にする必要があり、書く前に方針を検討しておかなければなりません。
方針を検討しないまま回答書を送ってしまうと、描いていた状況からかけ離れてしまうおそれがあるためです。
回答書の書き方については以下の記事で詳しく解説しています。
3―3 流れ3:交渉をする
慰謝料請求されてから振り込みまでの正しい流れ3つ目は、交渉をすることです。
回答書を送付した後は、当事者で交渉することになります。
通知書と回答書の内容を踏まえて協議し、事件の適切な落としどころを見つける必要があるためです。
しかし、当事者同士が直接会って交渉をすることはリスクを伴います。
不倫発覚直後は感情的になりやすく、些細な発言から紛争が拡大するおそれがあるのです。
直接の話し合いが難しい場合には、弁護士を代理人とすることで、当事者に代わってやり取りをすることもあります。
3-4 流れ4:示談書の作成
慰謝料請求されてから振り込みまでの正しい流れ4つ目は、示談書の作成です。
当事者間の交渉で話しがまとまれば、示談書を作成することになります。
示談書は、通常、一方が示談書案を提示しもう一方が示談書案を修正した後に、署名押印をする方法で作成されます。
しかし、交渉力に格差がある場合には、一方が提示した示談書に署名押印するよう迫ってくることもあります。
この場合、その場で署名押印することは非常に危険な行為です。
示談書が一度作成されてしまうと、後から内容を修正することは困難なためです。
そのため、示談書に署名押印する前に、示談書の内容を確認することが重要となります。
示談書の作成方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
3-5 流れ5:振り込み
慰謝料請求されてから振り込みまでの正しい流れ5つ目は、振り込みです。
示談書を作成し慰謝料の具体的な金額が決まった後は、示談書に定められた金額を振り込むことになります。
振込の方法としては、以下の方法が挙げられます。
・銀行振り込み
一般的には、銀行振り込みが多く利用されています。
慰謝料は高額であることが多く、直接現金でやり取りするのは紛失等のリスクが高いためです。
銀行での振り込みの場合、なるべく振込明細書を受け取るようにしましょう。
振込明細書は、あなたが慰謝料を振り込んだ事実を証明できる証拠となるためです。
他方で、現金払いの場合には注意が必要となります。
現金払いでは、支払った証拠がないと後で争いになることもあるためです。
そのため、領収書や合意書に記載する方法を取ることになるでしょう。
領収書の場合、支払の前に領収書を作成して印刷し、支払の際に領収書に署名押印をしてもらいます。
他方で、示談書作成当日に現金払いする場合などに、現金を領した旨を記載することになるでしょう。
4章 お金がない!慰謝料を振り込めない場合の対処法
慰謝料を払いたくても資力がなくて振り込むのが難しい場合、適切な方法を取らなければ大切な財産を失うおそれがあります。
ここでは、慰謝料を振り込めない場合の対処法について解説していきます。
対処法2:分割払いの申し出をする
対処法3:求償権を行使する
それでは各対処法について順番に説明していきます。
4-1 対処法1:減額交渉をする
慰謝料を振り込めない場合の対処法1つ目は、減額交渉をすることです。
慰謝料を振り込むことが難しい場合、減額交渉することをおすすめします。
慰謝料の請求は相場よりも高額でされることが多く。適正な金額へと減額する必要があるためです。
また、減額することで慰謝料を振り込むことができる可能性も高まります。
そのため、慰謝料を振り込むことが難しい場合、減額交渉をしてみるといいでしょう。
上手な減額交渉の方法については以下の記事で詳しく解説しています。
4-2 対処法2:分割払いの申し出をする
慰謝料を振り込めない場合の対処法2つ目は、分割払いの申し出をすることです。
慰謝料を一括で振り込むことができない場合、分割払いにしてもらえることがあります。
具体的な方法としては、あなたが相手方に分割払いの申し出をして、これを相手方に認めてもらうことになるでしょう。
もっとも、分割払いが認められたとしても注意が必要になります。
分割払いにする場合、公正証書等の書類を作成を求められることもあり、条項の中には期限の利益喪失条項を付されることが多いです。
この場合、振り込みを怠ってしまうと、将来分も一括して振り込まなければならず、一括払いと変わらない状況になってしまうでしょう。
そのため、分割払いの申し出をする場合、必ず振り込める金額かを確認する必要があります。
4-3 対処法3:求償権を行使する
慰謝料を振り込めない場合の対処法3つ目は、求償権を行使することです。
求償権とは、あなたが振り込んだ慰謝料の一部を、不貞相手に負担するよう求めることができる権利をいいます。
例えば、300万円の慰謝料を等しい割合で負担している場合、あなたが200万円を弁済すると、不貞相手に100万円分の負担を求めることができるのです。
そのため、全額振り込めない場合は求償することも1つの手段となるでしょう。
また、求償権を放棄して減額交渉をするということも考えられます。
不倫慰謝料における求償権については、以下の記事で詳しく解説しています。
5章 慰謝料を請求されたら振り込む前に弁護士と相談を!
慰謝料を請求された場合、慰謝料を振り込む前に弁護士と相談することをおすすめします。
不倫慰謝料では、最初の対応が後に響いてくることもあり、慎重に方針を検討する必要があります。
しかし、方針の検討には専門的な知識や経験が必要となることも多く、適切な対応を取ることは難しいです。
また、慰謝料を適正な金額にするには、判例の知識や実務相場、交渉の方法やタイミングを熟知している必要があります。
無闇に主張をしても、慰謝料を適正な金額にすることは難しいのです。
そのため、慰謝料を請求された場合、まずは無料相談などを通して弁護士に見通しや処理方針を相談することをおすすめします。
弁護士を選ぶポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。
6章 慰謝料の減額交渉はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
慰謝料の減額交渉については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
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7章 まとめ
今回は、慰謝料を振り込まないとどうなるのかについて解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・慰謝料はすぐに振り込まない!過大な振込みとなる可能性がある。
・慰謝料請求された場合の確認事項は以下の3つです。
確認事項1:記載内容
確認事項2:請求金額
確認事項3:支払期限・回答期限
・慰謝料の振り込み期日は以下のとおりです。
・すぐに振り込まない場合も無視は禁物!無視した場合のリスクは以下の4つです。
リスク1:感情的対立が深まるおそれ
リスク2:慰謝料が増額するおそれ
リスク3:訴訟を提起されるおそれ
リスク4:強制執行されるおそれ
・慰謝料を請求されてから振り込みまでの正しい流れは以下のとおりです。
流れ1:通知書が届く
流れ2:回答書を出す
流れ3:交渉をする
流れ4:示談書の作成
流れ5:振り込み
・お金がない!慰謝料を振り込めない場合の対処法は以下の3つです。
対処法1:減額交渉をする
対処法2:分割払いの申し出をする
対処法3:求償権を行使する
・慰謝料を請求されたら振り込む前に弁護士と相談がおすすめ
この記事が、慰謝料を振り込まないとどうなるのか知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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