子なしではあるものの、本当に離婚してもいいのか迷っていませんか?
子なしであっても、離婚後は自分生活していかなければいけない以上、経済的に困窮する可能性もあり、生活していけるのか不安になりますよね。
子なし夫婦であっても、「お金がない」「離婚事由がない」として、離婚を諦めてしまう方もいます。
しかし、令和2年度における子なし夫婦の離婚率は約42%程度(8万1918件)であり、その離婚件数は決して少なくありません。
子なし夫婦が離婚を決断する理由は様々ですが、離婚手続は共通しているため必要な準備も大きく異なることはありません。
具体的には、夫婦の共有財産を分け合う財産分与や、婚姻費用の請求など、協議すべき事項は多岐に渡ります。
つまり、協議の内容次第では、離婚後も安心して生活していくことが可能なのです。
実は、離婚後に困窮してしまう方の多くは、不利な条件で財産分与するなど適正な条件で離婚していないというのが実情です。
この記事で、子なし夫婦が離婚を決めたらする事を一緒に確認していきましょう。
今回は、子なし夫婦の離婚に必要な準備について解説していきます。
具体的には、以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、離婚を決めたらどのように行動すべきかよくわかるはずです。
目次
1章 子なし夫婦が離婚に踏み切れない理由|離婚を迷う方へ
子なしの場合であっても、その後の生活への不安から、離婚に踏み切れない方は少なくありません。
実際、離婚した後は配偶者からの収入は途絶えてしまうため、安定した収入がない場合には、自分が我慢すればいいと離婚を諦めてしまう方もいます。
しかし、経済面だけを理由に離婚を諦めてしまうのは望ましくありません。
なぜなら、適正な条件で離婚することができれば、離婚後の経済的基盤を確保することができ、今までの生活を維持しながら生計を立てることも可能なためです。
最近では、QOL(生活の質)の考え方が定着してきており、我慢を続ける生活は望ましくなく、自分らしさのある充実した生活を送ることが日々の健康にもつながります。
そのため、子なしの場合でも、子ありの場合でも、離婚したいと感じたら離婚に向けた行動をしていくことが重要になります。
2章 子なし夫婦の離婚率は約42%!
子なし夫婦の離婚率は42%とされており、離婚する夫婦のうち半数近くが子なし夫婦となっています。
具体的な離婚件数については、厚生労働省が公開しており、以下のとおり8万1918件が子なし夫婦とされています。
このように、子なし夫婦の離婚率が高い背景には、子どもがいないために離婚を決断しやすいことが考えられます。
実際、子どもがいる夫婦では、「子どもが独立するまで」「子どもの将来のため」など、離婚を我慢される方もいます。
そのため、子どもの存在が夫婦を繋ぎ止める要因にもなることから、子なし夫婦の離婚率は高くなりやすいのです。
3章 子なし夫婦に多い離婚理由4つ
子なし夫婦は、子どもがいる夫婦と比べて離婚しやすい状況にありますが、離婚を決断する理由は夫婦によって異なります。
具体的には、子なし夫婦に多いよくある離婚理由には以下の4つがあります。
理由2:不倫
理由3:モラハラ
理由4:セックスレス
それでは、順番に説明していきます。
3-1 理由1:性格の不一致
子なし夫婦に多い離婚理由1つ目は、性格の不一致です。
性格の不一致は、子なし夫婦に限らず最も多い離婚理由とされています。
なぜなら、多様性が尊重される現代では性格の不一致が生じやすいこと、様々な離婚原因が性格の不一致として扱われていることなどが原因として挙げられます。
例えば、価値観の違いや金銭感覚のズレのほか、宗教観の違いなども包括して性格の不一致として扱われます。
3-2 理由2:不倫
子なし夫婦に多い離婚理由2つ目は、不倫です。
なぜなら、不倫は夫婦の信頼関係を破壊するものであり、法律上も離婚事由として明記されているためです。
子なし夫婦の場合、配偶者の不妊を原因として、不倫へと至ってしまう方もいるようです。
3-3 理由3:モラハラ
子なし夫婦に多い離婚理由4つ目は、モラハラです。
DVには、身体的暴力や精神的暴力など種類がありますが、モラハラは精神的暴力としてDVに該当します。
DVは不法行為にあたるため、「婚姻を継続し難い重大な事由」として、DVを理由に離婚することも可能です。
実際、モラハラを含むDVは、性格の不一致に次いで申立件数の多い離婚理由であり、深刻な悩みを抱えている夫婦も少なくありません。
そのため、子なし夫婦においても、モラハラは離婚理由になりやすいのです。
3-4 理由4:セックスレス
子なし夫婦に多い離婚理由4つ目は、セックスレスです。
なぜなら、セックスレスも「婚姻を継続し難い重大な事由」として、離婚理由にあたる可能性があるため、子どもを望む子なし夫婦において離婚理由となりやすいのです。
実際、夫婦双方が子どもを望んでいるとは限らないため、必ずしも配偶者が協力的でないことがあります。
こうした夫婦では、セックスレスに陥ると、子どもに対する価値観の違いから夫婦関係が崩れてしまうことがあるのです。
4章 子なしで離婚する場合の手続き
子なしで離婚する場合であっても、親権に関する手続きが不要となるだけであり、手続きの流れに大きな違いはありません。
具体的には、子なしで離婚する場合の手続きには、大きく分けて以下の2つがあります。
手続2:裁判離婚
それでは、順番に説明していきます。
4-1 手続1:協議・調停離婚
子なしで離婚する場合の手続き1つ目は、協議・調停離婚です。
離婚する場合、まずは夫婦間において合意を目指して話し合う必要があります。
具体的には、以下の4つの事項について話し合うことになります。
・慰謝料
・年金分割
・婚姻費用など
これらの事項について話し合いがまとまらなければ、調停を申し立てて家庭裁判所の関与の下で話し合うことになります。
申立てに必要な書類には以下の6つがあります。
・事情説明書
・連絡先等の届出書
・進行に関する照会回答書
・夫婦の戸籍謄本
・年金分割のための情報通知書(年金分割を求める場合のみ)
※出典:裁判所‐調停を申し立てる方へ
調停が申し立てられた場合、調停が成立するまでの期間は、半年~1年以上となることが多いです。
4-2 手続2:裁判離婚
子なしで離婚する場合の手続き2つ目は、裁判離婚です。
調停によっても合意することができなければ、裁判所の判断に委ねるために訴訟を提起することになります。
訴訟の提起に必要な書類には、以下の4つがあります。
・夫婦の戸籍謄本とそのコピー
・年金分割のための情報通知書とそのコピー(年金分割を申立てる場合)
・その他、源泉徴収票や預金通帳などの証拠とする書類のコピー2部
※出典:裁判所‐離婚
裁判離婚するためには、次の5つの離婚理由のいずれかに該当する必要があります。
・悪意の遺棄(理由のない同居拒否、家事育児への不協力等)
・3年以上の生死不明
・強度の精神病にかかり回復の見込みが立たない場合
・その他婚姻を継続し難い重大な事由(暴力、浪費癖等)
訴訟が提起された場合、判決が言い渡されるまでの期間は、半年~2年程度となることが多いです。
5章 子なし夫婦が離婚を決めたらする事3つ|必要な準備
子なし夫婦が離婚で後悔しないためには、事前の準備が大切となります。
具体的には、子なし夫婦が離婚を決めたらする事は以下の3つです。
する事2:別居して婚姻費用の分担調停を申し立てる
する事3:弁護士に相談する
それでは、順番に説明していきます。
5-1 する事1:生活の拠点/経済的基盤を確保する
子なし夫婦が離婚を決めたらする事1つ目は、生活の拠点と経済的基盤を確保することです。
離婚後も同居することは可能ですが、別居する夫婦がほとんどであり、今までの家に住めなければ新たに住居を確保する必要があります。
実家や友人を頼れない場合、賃貸物件を探すことになりますが、賃貸探しは1ヶ月程度かかることもあるため、離婚前から行動しておくことが大切です。
また、離婚後は配偶者の収入を頼れないため、自分で生活費を稼がなければいけませんが、共働きでもなければすぐに就職先を見つけることは難しいこともあります。
そのため、離婚の前から、生活の拠点と安定した収入を得られる就職先を探しておくといいでしょう。
5-2 する事2:別居して婚姻費用の分担調停を申し立てる
子なし夫婦が離婚を決めたらする事2つ目は、別居して婚姻費用の分担調停を申し立てることです。
離婚するまでの別居期間中などでは、婚姻費用を請求して生計を立てていくことが可能です。
婚姻費用とは、夫婦の共同生活に必要な一切の費用をいい、一般的に収入の高い配偶者からもう一方の配偶者へと支払われることになります。
婚姻費用の金額は算定表に則って計算され、子どもがいる場合には養育費が含まれるため高額になりやすいです。
しかし、実務上は婚姻費用の発生時期は「調停を申し立てた時点」とされており、申し立てた時期によって最終的な総額に変動を生じることがあります。
そのため、離婚するまでの生活費を確保するために、別居に合わせて婚姻費用の分担調停を申し立てることが望ましいです。
5-3 する事3:弁護士に相談する
子なし夫婦が離婚を決めたらする事3つ目は、弁護士に相談することです。
離婚においては、財産分与が離婚後の生活に重大な影響を与えることもあるため、適正な条件で離婚する必要があります。
しかし、個人での調査には限界があり、すべての財産を把握することが難しい場合もあります。
実際、財産調査の前に別居してしまい、上手く調査できないまま不利な条件で離婚してしまい、離婚後に後悔する方も少なくありません。
弁護士であれば、弁護士会照会などを通じて適切に財産を把握することが可能であり、財産分与など離婚交渉を公平に進めることができます。
そのため、離婚交渉に不安を感じたら、弁護士に相談することをおすすめします。
6章 子なし夫婦の離婚における慰謝料請求の可否
子なし夫婦の場合であっても、慰謝料請求の条件を満たせば、慰謝料を請求することができます。
なぜなら、慰謝料請求は不法行為を根拠とするものであり、離婚自体は不法行為にあたらないためです。
慰謝料請求の条件については、例えば以下のも4つがあります。
・DV、モラハラがあった
・生活費の不払いがあった
・セックスレスだった(一方的な拒絶など)
ただし、慰謝料の二重取りは認められないため、既に財産分与において慰謝料全額が支払われている場合には、別に慰謝料請求することはできないので注意が必要です。
7章 子なし夫婦の離婚の相談はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
子なし夫婦の離婚の相談は、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
離婚については、財産調査のノウハウ、経験が獲得金額に大きな影響を与える分野です。
リバティ・ベル法律事務所は、離婚問題に注力しており、財産分与請求等について圧倒的な知識とノウハウを持っています。
少数精鋭でご依頼を受けた一つ一つの案件について、離婚問題に強い弁護士が丁寧に向き合っているところが弊所の強みです。
財産分与請求を含む離婚については、ご依頼者様の負担を軽減するために初回相談無料にて対応しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
8章 まとめ
今回は、子なし夫婦の離婚に必要な準備について解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・子なし夫婦が離婚に踏み切れない理由として、経済面への不安がありますが、適正な条件で離婚することにより、離婚後の負担を軽減することができます。
・子なし夫婦の離婚率は約42%とされています。
・子なし夫婦に多い離婚理由は以下の4つです。
理由1:性格の不一致
理由2:不倫
理由3:モラハラ
理由4:セックスレス
・子なしで離婚する場合の手続きには、大きく分けて以下の2つがあります。
手続1:協議・調停離婚
手続2:裁判離婚
・子なし夫婦が離婚を決めたらする事は以下の3つです。
する事1:生活の拠点/経済的基盤を確保する
する事2:別居して婚姻費用の分担調停を申し立てる
する事3:弁護士に相談する
・子なし夫婦の離婚であっても、条件を満たせば慰謝料請求は可能ですが、財産分与で全額支払われていないか確認する必要があります。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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