ゲーム依存症の大人と離婚できるのか知りたいと悩んでいませんか?
ゲームばかりで家庭を蔑ろにされてしまうと、夫婦としてやっていけるのか不安になってしまいますよね。
昨今、在宅勤務などで自宅にいる時間が増えたため、ゲーム依存症が増加したとされています。
夫/妻がゲーム依存症の場合には離婚できることがあります。なぜなら、度を過ぎたゲームは家族の繋がりを希薄にし、夫婦関係を破綻させる原因にもなるためです。
ゲームにのめり込むあまり、ゲームの遊び相手と不倫したり、ゲームやりたさに育児放棄をするなど家庭を顧みないこともあります。
離婚したいと感じた場合でも、その後の生活を守るためには焦らず冷静に対処していくことが大切です。
実は、離婚を決断してすぐ別居してしまったために、十分な証拠がなく離婚交渉が難航してしまうことが少なくないのです。
この記事をとおして、ゲーム依存症の大人と離婚する際に知っておいていただきたい知識をお伝えすることができれば幸いです。
今回は、ゲーム依存症の大人と離婚できるのか説明した上で、上手く付き合うポイントと離婚を決断した際の対処法について解説していきます。
具体的には、以下の流れで解説してきます。
この記事を読めば、ゲーム依存症の大人との離婚する際にどうすればいいのかよくわかるはずです。
目次
1章 ゲーム依存症の大人と離婚できる?
ゲーム依存症の大人とは、離婚できる場合があります。
ゲーム依存症の大人との離婚が認められる場合には、大きく分けて以下の2つがあります。
・法律上の離婚事由がある(「その他婚姻を継続し難い重大な事由」)
ゲーム依存症とは、ゲームの時間をコントロールできず日常生活に支障をきたしている状態をいいます。
ゲーム依存症は、離婚事由として挙げられていないため、依存していること自体が離婚事由になるものではありません。
しかし、ゲーム依存症から重大な事態が発生し、夫婦関係が破綻した場合には離婚が認められることがあります。
例えば、ゲーム依存症の大人と離婚できるケースとしては以下の5つがあります。
ケース2:仕事に悪影響がある場合
ケース3:多額の課金をしている場合
ケース4:育児放棄している場合
ケース5:ゲーム時間が長すぎる場合
2章 ゲーム依存症の大人と離婚する前の3つのチェックリスト
長時間ゲームをしている場合でも、ゲーム依存症には該当しないことがあります。
そのため、ゲーム依存症にあたるのはどのような状態なのか、離婚を検討する前に押さえておくといいでしょう。
ゲーム依存症の指標となるものとして、WHOがその基準を明らかにしています。
具体的には、以下の3つの項目に該当する状態が12ヶ月以上続いている場合、ゲーム障害にあたるとされています。
☑ゲーム優先の生活となり、それ以外の楽しみや日常行う責任のあることに使う時間が減る
☑ゲームにより個人、家族、社会、教育、職業やそのほかの重要な機能分野において著しい問題を引き起こしているにもかかわらずゲームがやめられない
3章 ゲーム依存症の大人と離婚できるケース5つ
ゲーム依存症が発展して夫婦生活にも支障が生じている場合には、離婚が認められることもあります。
しかし、配偶者と合意できない場合には、夫婦関係が破綻していないと主張される可能性が高いため、どのようなケースであれば離婚できるのか知っておく必要があります。
具体的には、ゲーム依存症の大人と離婚できるケースには以下の5つがあります。
ケース2:仕事に悪影響がある場合
ケース3:多額の課金をしている場合
ケース4:育児放棄している場合
ケース5:ゲーム時間が長すぎる場合
それでは、順番に説明していきます。
3-1 ケース1:ゲームの遊び相手と不倫している場合
ゲーム依存症の大人と離婚できるケース1つ目は、ゲームの遊び相手と不倫している場合です。
不倫は、「不貞行為」として法律上の離婚事由に該当します。
ここでいう不倫は、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことをいいます。
そのため、離婚するには単なる画面上の付き合いだけでは足りず、現実に会っていることが必要となります。
不倫の証拠になるものとしては以下の19個があります。
ただし、ゲーム上の証拠を集めるために本人以外がログインすると、不正アクセス禁止法違反となるおそれがあるため、勝手にログインするのは絶対にやめましょう。
どのような行為が不正アクセス禁止法に違反するかは、以下の記事で詳しく解説しています。
3-2 ケース2:仕事に悪影響がある場合
ゲーム依存症の大人と離婚できるケース2つ目は、仕事に悪影響がある場合です。
夫婦は互いに助け合って生活しなければいけません。
しかし、ゲームをやめられず仕事ができない場合、生活費を稼ぐことができません。中にはゲームに依存するあまり、仕事を辞めてしまうといった方もいます。
この場合、家庭に十分な生活費を入れることができず、「悪意の遺棄」として法律上の離婚事由に該当する可能性があります。
3-3 ケース3:多額の課金をしている場合
ゲーム依存症の大人と離婚できるケース3つ目は、多額の課金をしている場合です。
最近のゲームでは、オンラインゲームやソーシャルゲームなどの課金要素に重点を置いたゲームが存在します。
ゲーム依存症の場合、課金に歯止めが効かず生活費を削ってしまう方もいます。中には、借金をしてまで課金しようとする方もおり、夫婦の財産に甚大な影響を与えることもあります。
そのため、ゲームに課金するあまり十分に生活費を渡してもらえないという場合には、「悪意の遺棄」として法律上の離婚事由が認められる可能性があります。
3-4 ケース4:育児放棄している場合
ゲーム依存症の大人と離婚できるケース4つ目は、育児放棄している場合です。
育児放棄は、それ自体として法律上の離婚事由にはあたるわけではありません。
しかし、夫婦は助け合うべきであり、ゲームに没頭するあまり必要な育児もしないというのは夫婦の信頼関係を悪化させます。
そのため、不協力によって夫婦関係が破綻した場合には「その他婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が認められる可能性があります。
3-5 ケース5:ゲーム時間が長すぎる場合
ゲーム依存症の大人と離婚できるケース5つ目は、ゲーム時間が長すぎる場合です。
ゲーム時間が長くなると、部屋にいる時間も長くなり、顔を合わせる機会が減ってしまいます。とくに、ゲーム依存症の場合には20時間以上にも及ぶことがあり、一緒に過ごす時間がほとんどないこともあります。
このように全く異なる生活を送ることは、家庭内別居に近い状況にあります。
そのため、ゲーム時間が長すぎることで夫婦関係が破綻した場合には、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が認められる可能性があります。
4章 ゲーム依存症の大人と離婚せず上手く付き合うポイント3つ
ゲーム依存を理由に直ちに離婚した場合、離婚後に後悔してしまうこともあります。
そのため、離婚に向けた別居の開始前に、本当に修復可能性がないのか上手く付き合っていけないのか検討しておくことが大切です。
具体的には、ゲーム依存症の大人と離婚せず上手く付き合うポイントは以下の3つです。
ポイント2:話す機会を増やす
ポイント3:ゲームの時間を制限する
それでは、順番に説明していきます。
4-1 ポイント1:依存の原因を考える
ゲーム依存症の大人と離婚せず上手く付き合うポイント1つ目は、依存の原因を考えることです。
普段あまりゲームをしない人がゲームに依存する場合、現実に不満を抱えていることが多いです。
例えば、仕事で大きな失敗をしてしまったり、夫婦間でのすれ違いなど、ゲームに依存する理由は様々です。
そのため、どのように改善すべきか検討するためにも、まずは依存の原因を考えることが重要です。
4-2 ポイント2:話す機会を増やす
ゲーム依存症の大人と離婚せず上手く付き合うポイント2つ目は、話す機会を増やすことです。
ゲームに没頭していると、気づけば長時間経過していることがあります。これは、長時間やろうと意気込んでやっているわけではなく、楽しいから結果的に長時間になってしまうのです。
話しかけることがゲームをやめるきっかけになる可能性があるため、何をすべきか迷ったら話しかけることから始めてみるといいでしょう。
また、あなたがゲームへの興味を持つことで、趣味の共有にも繋がり円満な夫婦関係を築く足掛かりにもなります。
そのため、話す機会を増やすことが、ゲーム依存症の大人と上手く付き合うポイントといえるでしょう。
4-3 ポイント3:ゲームの時間を段階的に制限する
ゲーム依存症の大人と離婚せず上手く付き合うポイント3つ目は、ゲームの時間を段階的に制限することです。
ゲームの時間を制限することで、ゲームを強制的に終わらせられるため他の時間は日常生活に使うことができます。
しかし、いきなり「1日何時間」というように制限しても、今まで長時間やっていたため規定の時間で満足してやめられる可能性は低いです。
そこで、まずは「明日は仕事があるから23時まで」といったように緩い制限から始めていくといいでしょう。
5章 ゲーム依存症の大人と離婚する場合の対処法3つ
ゲーム依存症に改善の見込みがない場合、離婚に向けて行動することになります。
しかし、いきなり別居を開始すると準備に支障が生じることもあるため、離婚交渉を円滑に進めるためにもどのように行動すべきなのか押さえておくことが大切です。
ゲーム依存症の大人と離婚する場合の対処法は以下の3つです。
対処法2:住居と収入の確保
対処法3:弁護士に相談する
それでは、順番に説明していきます。
5-1 対処法1:証拠を集める
ゲーム依存症の大人と離婚する場合の対処法1つ目は、証拠を集めることです。
離婚交渉では、発言に説得力を持たせるため事前に証拠を集めておくことが大切です。
例えば、ゲーム依存症の証拠になるものとしては以下の5つがあります。
・家事や育児への不協力の事実を記したメモ
・ゲームしている状態の録画・録音
・クレジットカードの利用明細
・プリペイドカードを購入したレシート
そのため、離婚を決断したら別居前からこれらの証拠を集めておきましょう。
5-2 対処法2:住居と収入の確保
ゲーム依存症の大人と離婚する場合の対処法2つ目は、住居と収入の確保です。
離婚後も同居するケースは少ないため、あらかじめ生活の見通しは立てておかなければいけません。
持ち家について財産分与を受けられるのであれば良いですが、そうでなければ実家を頼れるのか賃貸物件はあるのかなど住居を確保できるか確認しておくといいでしょう。
また、配偶者の収入に依存していた場合、就活は数か月かかることもあることから、安心して暮らすためにも離婚前から就職先を探しておきましょう。
5-3 対処法3:弁護士に相談する
ゲーム依存症の大人と離婚する場合の対処法3つ目は、弁護士に相談することです。
ゲーム依存症の大人との離婚では、合意できなければ離婚事由があることを主張しなければいけません。
しかし、主張に説得力を持たせるためには、ネット上の知識だけでなく法的知識や経験が重要となります。
また、財産分与については、知識がなければ不利な条件であると気づけないこともあり、離婚した後に後悔するというケースが後を絶ちません。
そのため、ゲーム依存症の大人と離婚したいと感じたら、適正な条件で離婚するためにも弁護士に相談することをおすすめします。
6章 ゲーム依存症の大人との離婚に関するよくある質問3つ
Q1.ゲームへの多額の課金は財産分与に影響しますか?
A.ゲームに多額の課金をしていた場合、財産分与で考慮されることがあります。
なぜなら、財産分与の割合は原則として2分の1とされていますが、多額の課金をするなど浪費癖がある場合には公平の観点から割合を修正することがあるためです。裁判例では、浪費癖のある配偶者との離婚で7:3の割合による財産分与を認めています(水戸家裁平成28年3月)。
Q2.ゲーム依存症を理由に慰謝料請求できますか?
A.ゲーム依存症であることだけを理由に慰謝料請求することはできません。
なぜなら、慰謝料請求するには不法行為の条件を満たす必要がありますが、ゲームをしていたというだけでは不法行為にあたらないためです。しかし、ゲームを通じて知り合った異性と肉体関係を持ち不倫に至った場合等には、慰謝料請求が認められる可能性があります。
Q3.妻がゲーム依存の場合に夫は親権を得られますか?
A.妻がゲーム依存である場合、状況次第では夫が親権を得られることがあります。
なぜなら、親権を決める際には、子どもの意思や年齢、兄弟姉妹の有無、主要な育児担当者はどちらだったか、親権者になろうとする者の健康状況、経済状況や生活環境等が考慮されることから、妻がゲームに依存して育児をまったくせず、心身ともに不健康であるなど妻に親権を与えることが相当でない場合には、夫に親権が与えられることもあるためです。
7章 ゲーム依存症の大人との離婚の相談はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
離婚の相談は、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
離婚については、財産調査のノウハウ、経験が獲得金額に大きな影響を与える分野です。
リバティ・ベル法律事務所は、離婚問題に注力しており、財産分与請求等について圧倒的な知識とノウハウを持っています。
少数精鋭でご依頼を受けた一つ一つの案件について、離婚問題に強い弁護士が丁寧に向き合っているところが弊所の強みです。
離婚については、ご依頼者様の負担を軽減するために初回相談無料にて対応しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
8章 まとめ
以上のとおり、今回は、ゲーム依存症の大人と離婚できるのか説明した上で、上手く付き合うポイントと離婚を決断した際の対処法について解説していきます。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・ゲーム依存症の大人との離婚は、合意がある場合や法定離婚事由がある場合にすることができます。
・ゲーム依存症の大人と離婚する前のチェックリストは以下の3つです。
☑ゲームに関する行動(頻度、開始・終了時間、内容など)がコントロールできない
☑ゲーム優先の生活となり、それ以外の楽しみや日常行う責任のあることに使う時間が減る
☑ゲームにより個人、家族、社会、教育、職業やそのほかの重要な機能分野において著しい問題を引き起こしているにもかかわらずゲームがやめられない
・ゲーム依存症の大人と離婚できるケースは以下の5つです。
ケース1:ゲームの遊び相手と不倫している場合
ケース2:仕事に悪影響がある場合
ケース3:多額の課金をしている場合
ケース4:育児放棄している場合
ケース5:ゲーム時間が長すぎる場合
・ゲーム依存症の大人と離婚せず上手く付き合うポイントは以下の3つです。
ポイント1:依存の原因を考える
ポイント2:話す機会を増やす
ポイント3:ゲームの時間を制限する
・ゲーム依存症の大人と離婚する場合の対処法は以下の3つです。
対処法1:証拠を集める
対処法2:住居と収入の確保
対処法3:弁護士に相談する
・ゲーム依存症の大人との離婚に関するよくある質問は以下の3つです。
Q1.ゲームに多額の課金をしていた場合、財産分与で考慮されることがあります。
Q2.ゲーム依存症であることだけを理由に慰謝料請求することはできません。
Q3.妻がゲーム依存である場合、状況次第では夫が親権を得られることがあります。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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