契約書のリーガルチェックについて知りたいと悩んでいませんか?
取引によるリスクを減らすために、適切なリーガルチェックのポイントは押さえておきたいところです。
契約書のリーガルチェックとは、契約書が法的観点から適切であるかチェックし、問題点を特定するためのプロセスをいいます。
実際にリーガルチェックを弁護士に依頼する場合、以下のような流れで進行します。
流れ2:ヒアリング・アドバイス
流れ3:当事者による交渉
流れ4:契約書の修正・完成
リーガルチェックがこのようなプロセスを辿る意味は、契約書を有効に機能させることにあります。
なぜなら、契約書の原稿を作成した段階では、個別の契約に適した形になっていないことも多く、段階を踏んで洗練させていく必要があるためです。
しかし、リーガルチェックの費用相場は5万円~15万円程度となっており、その金額は決して安くありません。
実は、中小企業などではコスト削減のためにリーガルチェックを省略することがあり、こうした対応はかえって高額な損害賠償責任を生じてしまうことがあるのです。
この記事を通して、リーガルチェックの重要性について知っていただければと思います
今回は、リーガルチェックの重要性を説明した上で、実際にチェックする際のポイントについて解説していきます。
具体的には、以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、契約書におけるリーガルチェックのポイントがよくわかるはずです。
目次
1章 契約書のリーガルチェックとは?
契約書のリーガルチェックとは、契約書が法的観点から適切であるかを確認し、問題点を特定するためのプロセスをいいます。
一般的には、「契約書レビュー」や「契約書チェック」といわれることもあります。
リーガルチェックの方法としては、例えば以下の方法があります。
・社外弁護士が行う方法
2章 契約書をリーガルチェックすることの重要性3つ
契約書のリーガルチェックは企業の利益に繋がることもあり、企業活動を行う上で重要性が認められます。
契約書をリーガルチェックすることの重要性は以下のとおりです。
重要性2:トラブルのリスクを減らしやすくなる
重要性3:取引を円滑に行いやすくなる
それでは各重要性について順番に解説していきます。
2-1 重要性1:取引に適した契約書を作成しやすくなる
契約書をリーガルチェックすることの重要性1つ目は、取引に適した契約書を作成しやすくなることです。
企業が取引を行う場合、経営戦略などの取引目的があることがほとんどです。
しかし、テンプレートを流用した場合のように、個別の事情をまったく考慮していない契約書では、取引目的を満足に達成できないおそれがあります。
リーガルチェックを行えば、契約書の内容を確認できる機会が増え、より実態に即した内容を落とし込みやすくなるのです。
そのため、リーガルチェックの重要性の1つとして、取引に適した契約書を作成しやすくなることが挙げられます。
2-2 重要性2:トラブルのリスクを減らしやすくなる
契約書をリーガルチェックすることの重要性2つ目は、トラブルのリスクを減らしやすくなることです。
契約書の文言が不正確であったり曖昧な表現だと、当事者の解釈に大きな違いを生じることもあります。
実際の取引では、こうした認識のズレからトラブルに発展することもあり、誤解が生じないよう正確な契約書を作成することが求められます。
リーガルチェックを行えば、契約書の内容を確認することになるため、不正確な表現を直す機会が増えやすいのです。
そのため、リーガルチェックの重要性の1つとして、トラブルのリスクを減らしやすくなることが挙げられます。
2-3 重要性3:取引を円滑に行いやすくなる
契約書をリーガルチェックすることの重要性3つ目は、取引を円滑に行いやすくなることです。
契約書を作成する場合、相手方とのやり取りを通じて完成に近づけていくことになります。
しかし、提出した契約書に不備があると、相手方のリーガルチェックに必要な時間が延びてしまうおそれがあります。
リーガルチェックを行うことで、こうした不備を減らしやすくなり、相手方との信頼関係を構築しやすくなるのです。
そのため、リーガルチェックの重要性の1つとして、取引を円滑に行いやすくなることが挙げられます。
3章 契約書のリーガルチェックの費用相場
契約書のリーガルチェックの費用相場は、5万円~15万円程度とされています。
リーガルチェックは、依頼する方法によって費用が異なり、例えば以下のような方法があります。
・リーガルチェックのみを依頼
顧問契約では、月額費用がかかる代わりに、1件あたりのリーガルチェック費用を抑えられるというメリットがあります。
他方で、単発的な依頼は、契約書を作成する機会が少ない企業にとってメリットがあります。
具体的な費用は法律事務所によって異なるため、依頼する前に確認しておくことが望ましいです。
リバティ・ベル法律事務所では、リーガルチェックに関する費用を以下のように設定させていただいています。
詳細なサービス内容と費用は、以下のページをご参照ください。
4章 契約書のリーガルチェックを弁護士に依頼する場合の具体的な流れ
適切な契約書を作成するには、リーガルチェックの流れを抑えておくことが重要になります。
契約書のリーガルチェックを弁護士に依頼する場合の具体的な流れは以下のとおりです。
流れ2:ヒアリング・アドバイス
流れ3:当事者による交渉
流れ4:契約書の修正・完成
それではリーガルチェックの流れを順番に解説していきます。
4-1 流れ1:原稿作成・提出
契約書のリーガルチェックを弁護士に依頼する場合の流れ1つ目は、原稿作成・提出です。
自社が契約書を作成する場合には、たたき台となる原稿を作成し、弁護士に提出することになります。
他方で、相手方が原稿を作成した場合には、受け取った原稿を弁護士に提出することになります。
4-2 流れ2:ヒアリング・アドバイス
契約書のリーガルチェックを弁護士に依頼する場合の流れ2つ目は、ヒアリング・アドバイスです。
原稿を提出した後は、実態に即した契約書を作成するために、弁護士が取引内容についてヒアリングを行います。
ヒアリングの結果、修正点や取引リスクについてアドバイスが行われ、それに基づいて修正すべきか検討することになります。
4-3 流れ3:当事者による交渉
契約書のリーガルチェックを弁護士に依頼する場合の流れ3つ目は、当事者による交渉です。
修正点がある場合には、どのような内容で修正するかを当事者で検討することになります。
なお、契約書の内容を一方的に変更すると、トラブルになる可能性が高いため、変更の際には相手方の同意を得るようにしましょう。
4-4 流れ4:契約書の修正・完成
契約書のリーガルチェックを弁護士に依頼する場合の流れ4つ目は、契約書の修正・完成です。
契約書の内容がまとまれば、当事者が署名等をすることで契約書が完成し、リーガルチェックは終了します。
5章 契約書のリーガルチェックをする際のポイント5つ
契約書のリーガルチェックではルールのようなものがあり、いくつか押さえていただきたいものがあります。
契約書のリーガルチェックをする際のポイントを5つ厳選すると以下のとおりです。
ポイント2:危険な条項がないか確認する
ポイント3:言葉は統一し省略しない
ポイント4:優先度を意識してチェックを行う
ポイント5:修正等をする場合にはその旨を告げる
それでは各ポイントについて順番に解説していきます。
5-1 ポイント1:実態に即した契約書にする
契約書のリーガルチェックをする際のポイント1つ目は、実態に即した契約書にすることです。
条項を有効に機能させるには、実態に即した契約書にすることが求められます。
しかし、実際にはテンプレートをそのまま流用してしまい、条項が有効に機能していないケースをよく見かけます。
というのも、ネット上にあるテンプレートは、一般的な条項を示したものにすぎず、個別の事情を考慮していないためです。
そのため、取引の流れを分析し、契約書の各条項が契約の流れを汲んだものにしていく必要があります。
5-2 ポイント2:危険な条項がないか確認する
契約書のリーガルチェックをする際のポイント2つ目は、危険な条項がないか確認することです。
契約書の中には、一方の利益に偏った規定が存在していることもあります。
例えば、以下のような規定は一方にのみ有利となっています。
・当該契約違反により生じた一切の損害を負担するとの条項
・当該契約により損害が生じた場合でも一切責任を負わないとの条項
このような条項が残っていると、契約締結後に大きなリスクとなる可能性が高く、削除・修正を求めることが望ましいです。
5-3 ポイント3:言葉は統一し省略しない
契約書のリーガルチェックをする際のポイント3つ目は、言葉は統一し省略しないことです。
同一の契約書内では、同じ意味の単語は統一することが望ましいです。
というのも、「商品」「製品」のように同じ意味でも異なる言葉を用いると、解釈の余地が生まれてしまうためです。
また、「東京地方裁判所」を「東京地裁」といったように省略することはせずに、正式名称で記載しましょう。
5-4 ポイント4:優先度を意識してチェックを行う
契約書のリーガルチェックをする際のポイント4つ目は、優先度を意識してチェックを行うことです。
契約交渉では、細かい表現をすべて指摘しようとすると、膨大な時間が必要になります。
また、取引では当事者に交渉力の格差があることも多く、修正に応じてもらえるとは限りません。
そのため、契約書のリーガルチェックでは、交渉力に応じて、特にリスクの高い部分を優先して修正を求めることが重要になります。
5-5 ポイント5:修正等をする場合にはその旨を告げる
契約書のリーガルチェックをする際のポイント5つ目は、修正等をする場合にはその旨を告げることです。
契約交渉は当事者の信頼関係によって成り立っており、一方的な修正は信頼関係を損なうおそれがあります。
例えば、勝手に修正すると、相手方が気付かずに押印してしまうこともあり、トラブルに発展するおそれがあります。
そのため、信頼関係を維持するために、修正等をする場合にはその旨を告げることが重要です。
6章 AIによる契約書のリーガルチェック
AIによる契約書のリーガルチェックとは、その言葉の通り、AIが契約書の内容を法的に審査するサービスをいいます。
AIを用いることで人的コストを削減できるなど、企業に様々な恩恵をもたらします。
しかし、AIが契約書をリーガルチェックすることは、非弁行為にあたらないか問題視されています。
法務省は、非弁行為との関係について、弁護士が用いるなどの例外的な場合を除き、非弁行為にあたる場合があるとしています(※出典:法務省:弁護士法)。
そのため、AIによる契約書のリーガルチェックを用いるかは、交渉の状況等に照らして慎重に判断することが求められます。
7章 契約書のリーガルチェックに関するよくある疑問3つ
契約書のリーガルチェックに関するよくある疑問としては、以下の3つがあります。
Q2:ネット上のテンプレートは使ってもいい?
Q3:リーガルチェックの費用を安く抑えるには?
それではこれらの疑問を1つずつ解消していきます。
7-1 Q1:リーガルチェックはどの会社も行うものなの?
A.リーガルチェックは、会社の規模を問わず行うことをおすすめします。
なぜなら、リーガルチェックは、企業に様々な恩恵をもたらす反面、行わないことによるリスクが大きいためです。
例えば、コスト削減のためにリーガルチェックをまったく行わない場合、取引目的を達成できないおそれがあることや、高額の損害賠償責任が生じてしまうこともあります。
7-2 Q2:ネット上のテンプレートは使ってもいい?
A.ネット上のテンプレートは、使用が自由とされているものについては使うことをおすすめします。
というのも、テンプレートを用いることで時間短縮やコスト削減に繋がることがあり、企業活動において有益に働くことがあるためです。
ただし、テンプレートは一般条項のみを記載したものが多く、実態に即したものにはなっていません。
そのため、テンプレートをたたき台として採用し、取引の内容を分析した上で、適宜修正するといったように使うことが望ましいです。
7-3 Q3:リーガルチェックの費用を安く抑えるには?
A.リーガルチェックの費用を安く抑えるには、必要なサービスの内容を見極め、複数の法律事務所で見積もりを比較することです。
なぜなら、リーガルチェックのサービス内容や費用は法律事務所によって異なり、 不要なサービスまで取ると費用が高くなってしまうためです。
特に、顧問弁護士に依頼する場合は、複数のサービスがセットになっていることも多く、どのようなサービスが含まれているのか確認することが重要になります。
8章 契約書におけるリーガルチェックの相談はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
契約書におけるリーガルチェックの相談は、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
あなたの会社にあった契約書を作成するためには、その契約によって、どのような紛争が生じるリスクがあるのか、それをどのように予防していくのかということについて、専門的な知識や経験が必要となります。
リバティ・ベル法律事務所では、契約書のリーガルチェックについて圧倒的な知識とノウハウを蓄積しており、貴社の契約書の作成を適切にサポートすることができます。
具体的には、リバティ・ベル法律事務所では、各種契約書の作成やレビュー、就業規則の作成等のサービスを提供しています。
→契約・取引に関するリバティ・ベル法律事務所のサポートの詳細はこちら (libertybell-law.com)
リバティ・ベル法律事務所では、各企業の取引の内容を丁寧にヒアリングさせていただいたうえで、契約書の1つ1つの規定の表現や言い回しについても、実情に即した内容になるようにこだわっています。
貴社と取引先の交渉力などに応じて、優先的に交渉していくべき条項はどこか、どのように交渉していくべきか等についても丁寧に助言いたします。
オンライン面談やお電話等を利用して遠方の方でもスピーディーな対応が可能です。
契約書のリーガルチェックに悩んでいる方は、リバティ・ベル法律事務所にお気軽にご相談ください。
9章 まとめ
以上のとおり、今回は、リーガルチェックの重要性を説明した上で、実際にチェックする際のポイントについて解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・契約書のリーガルチェックとは、契約書が法的観点から適切であるか確認し、問題点を特定するプロセスをいいます。
・契約書をリーガルチェックすることの重要性は以下の3つです。
重要性1:取引に適した契約書を作成できる
重要性2:トラブルのリスクを減らせる
重要性3:取引を円滑に行いやすくなる
・契約書のリーガルチェックの費用相場は、5万円~15万円程度とされています。
・契約書のリーガルチェックを弁護士に依頼する場合の具体的な流れは以下のとおりです。
流れ1:原稿作成・提出
流れ2:ヒアリング・アドバイス
流れ3:当事者による交渉
流れ4:契約書の修正・完成
・契約書のリーガルチェックをする際のポイントは以下の5つです。
ポイント1:実態に即した契約書にする
ポイント2:危険な条項がないか確認する
ポイント3:言葉は統一し省略しない
ポイント4:優先度を意識してチェックを行う
ポイント5:修正等をする場合にはその旨を告げる
・AIによる契約書のリーガルチェックは、コスト削減に繋がるものの、取引の状況次第では非弁行為になるケースもある。
この記事が、契約書におけるリーガルチェックについて知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
コメント