顧問弁護士費用(顧問料)はいくらが相場なのか知りたいと悩んでいませんか?
法律事務所によって料金も違うのでいくらが適正なのか分かりづらいですよね。
顧問料とは、顧問契約の対価として支払う費用のことです。
顧問弁護士費用(顧問料)の相場は、月額5万円/年額60万円程度です。
ただし、企業の規模や受けられるサービスの内容により、金額が上下することになります。
大企業だと10万~30万円、中小企業だと5万~10万円、個人事業主だと1万~5万円程度が多い印象です。
料金によって、顧問料の範囲で相談できる回数や依頼できる業務の内容、個別事件の割引率などが異なってきます。
そのため、一概に安ければいいというわけではありません。
この記事では、弁護士が誰でもわかりやすいように顧問弁護士費用(顧問料)の考え方を説明していければと思います。
今回は、顧問弁護士費用の相場と受けることができるサービス内容、顧問料を抑える方法を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、貴社にあった顧問弁護士費用がいくらのかがよくわかるはずです。
目次
1章 顧問料とは|顧問契約の対価として支払う費用
顧問料とは、顧問契約の対価として支払う費用です。
顧問契約というのは、毎月(又は毎年)定額の費用を支払うことにより、日常的に生じる問題に関して、法的なサービスを提供するものです。
通常の委任契約では事件を依頼した際の着手金や事件が終了した際の報酬金などを支払うことになりますが、顧問契約では事件や相談の有無にかかわらず費用が発生するのが通常です。
例えば、月額●万円等の合意をして、その料金の範囲内で提供可能な法的なサービスを受けることができます。
2章 顧問弁護士費用(顧問料)は月額5万円/年額60万円程度が相場
顧問弁護士費用(顧問料)の相場は、月額5万円/年額60万円程度です。
以下では、「旧弁護士報酬基準」と「アンケート結果に基づく統計」を紹介していきます。
2-1 旧弁護士報酬基準|「事業者の場合 月額5万円以上」
(旧)日本弁護士連合会弁護士報酬基準(いわゆる旧弁護士報酬基準)では、顧問料については以下のとおり定められています。
区分 | 弁護士報酬の額 |
事業者の場合 | 月額5万円以上 |
非事業者の場合 | 年額6万円(月額5000円)以上 |
旧弁護士報酬基準は2004年4月1日から廃止されておりますので、各弁護士は上記金額に拘束されず自由に顧問料を設定できますが、一応の目安となっています。
2-2 アンケート結果に基づく統計|約半数が5万円で最多
日本弁護士連合会(日弁連)が2009年に全国の2005名の弁護士を対象にしたアンケート(回答総計304名)では、顧問料に関する回答は以下のとおりとなっています。
最も多いのは5万円であり45.70%(月3時間程度までの稼働まで含める契約の場合は52.70%)となっています。
次いで多いのは3万円であり40.00%(月3時間程度までの稼働まで含める契約の場合は33.50%)となっています。
最近では、毎月一定の顧問料が発生する形式ではなく、タイムチャージによって生じた時間分の費用が発生するという形式としている事務所もあるようです。
顧問料とタイムチャージは必ずしも矛盾するものではなく、これまでも顧問料の範囲を超えた稼働についてはタイムチャージで精算するなどの方法を採用している事務所も多く存在しています。
定額の費用はなく、タイムチャージのみにより顧問弁護士の費用を決定する制度についても、日常的に相談が少ない場合には選択肢の1つとしてはあり得るかもしれません。
しかし、日常的な相談の量が多い場合には、割高となってしまう可能性があり、また、毎月の費用精算が煩雑であったり、発生する金額が予測しづらいというデメリットがあります。
3章 顧問弁護士費用(顧問料)と受けることができるサービス|個別事件は別費用
顧問弁護士費用(顧問料)により受けることができるサービスの内容に差が設けられていることが多い傾向にあります。
日本弁護士連合会(日弁連)が2009年に全国の2005名の弁護士を対象にしたアンケート(回答総計304名)では、顧問契約のサービス内容に関する回答は以下のとおりとなっています。
顧問弁護士費用(顧問料)により受けることができるサービスの内容としては、まず、最低限、「電話、FAX、メール等による相談で、調査を要せず、すぐに回答できる内容のもの」が含まれていることがわかります。
次に、「調査の要否にかかわらず、月3時間程度(調査時間・相談時間を含む)の相談」についてもサービスの内容に含まれているケースが半分以上となっています。
例えば、判例の調査や契約書のレビュー、対面による資料を見ながらの相談等がこれに含まれるでしょう。
これに対して、個別事件については、通常、顧問弁護士費用(顧問料)とは別に料金(着手金や報酬金)がかかることになります。
ただし、顧問契約を締結している場合には、個別事件に関しても一定の割引を行う傾向にあります。
日本弁護士連合会(日弁連)が2009年に全国の2005名の弁護士を対象にしたアンケート(回答総計304名)を参考にすると、顧問契約が「ある場合」と「ない場合」における着手金と報酬金について、以下の回答が多くなっております。
4章 貴社にあった顧問弁護士費用(顧問料)を簡単査定
それでは貴社にはあった顧問弁護士費用(顧問料)はいくらくらいになるのか確認していきましょう。
適正な顧問弁護士費用(顧問料)は、企業規模や相談回数、求めるサービスの内容等により異なってきます。
そのため、以下では、「大企業」、「中小企業」、「個人事業主」に分けて説明していきます。
4-1 大企業|月額10~30万円/年額120~360万円
大企業については、月額10~30万円/年額120~360万円程度の顧問弁護士費用(顧問料)を目安とするのがいいでしょう。
日常法律相談や法的な紛争も多くなってくるため、相談回数や稼働時間、個別事件の割引率が大きいプランを選んだ方がいいでしょう。
例えば、毎月対面での面談や会社への訪問を必要とする場合、簡易な契約書のレビューを毎月4回以上お願いする場合、年に複数回個別事件が生じる場合などです。
ただし、最近では、法律事務所も専門化が進んでいますので、大企業になると複数の法律事務所と顧問契約を結び、案件ごとに使い分けている企業も増えてきています。
4-2 中小企業|月額5~10万円/年額60~120万円
中小企業については、月額5~10万円/年額60~120万円程度の顧問弁護士費用(顧問料)を目安とするのがいいでしょう。
5万円程度を目安に考えて、相談回数が多い場合や相談の内容が専門的である場合、個別事件の依頼が多い場合などには、プランを上げることも考えます。
例えば、毎月メールや電話により簡単な質問をしたい場合、簡易な契約書のレビューを毎月1~4回程度お願いする場合、個別事件が年に1回程度は生じる場合には5~10万円の範囲で検討するといいでしょう
4-3 個人事業主|月額1~5万円/年額12~60万円
個人事業主については、月額1~5万円/年額12~60万円程度の顧問弁護士費用(顧問料)を目安とするのがいいでしょう。
とくに従業員などを雇っておらず、取引の数も多くないような場合には、月額1万円~2万円程度で十分でしょう。
例えば、契約書のレビューなどは予定しておらず、メールや電話等による簡易な相談はあるものの、対面による面談などは数カ月に一度程度で足りるような場合です。
他方で、数人の従業員がいるような場合や毎月契約書を作成するような場合には月額2~5万円程度で検討してもいいでしょう。
例えば、数か月に一回程度契約書のレビューをお願いしたい場合や個別事件の紛争が生じるようになってきた場合です。
5章 顧問弁護士費用を抑える方法3つ
顧問弁護士費用(顧問料)については、安ければいいというわけではありません。
自社にあっていないプランだと、顧問料の範囲内のサービスでは足りず、対応してもらうことができなかったり、スポットでの費用が高額になってしまったりするリスクがあります。
そのため、顧問弁護士費用(顧問料)を上手く抑えたい場合には、以下の方法がおすすめです。
方法1:自社に必要なサービス見極める
方法2:自社の規模にあった金額にする
方法3:料金体系が明確な事務所を選ぶ
それでは各方法について順番に説明していきます。
5-1 方法1:自社に必要なサービス見極める
顧問料を抑える方法の1つ目は、自社に必要なサービスを見極めることです。
不要なサービスを減らすことにより費用を抑えることができる反面、必要なサービスについては契約内容に含めておかなければ活用できません。
例えば、月に契約書のレビューを1回程度しか依頼しないのに、月に4回程度の契約書レビューを可能とするプランに申し込む必要はありません。
また、簡易なメールや電話での相談はあるものの、判例の調査や対面での面談、書面の作成等までは不要な場合には、長時間の稼働を顧問契約に含める必要はないでしょう。
5-2 方法2:自社の規模にあった金額にする
顧問料を抑える方法の2つ目は、自社の規模にあった金額にすることです。
大企業であれば10万円を超える顧問料が適正な場合もあるでしょうが、中小企業であれば5万~10万円、個人事業主であれば1万~5万円程度で考えるのがいいでしょう。
自社の売上に見合わない顧問弁護士費用を支払っていても、長続きはしないでしょう。顧問契約は継続的な契約ですので無理のない金額とすることが大切です。
顧問契約を継続していく中で、企業の成長に合わせて、プランを変更していくことも可能です。
5-3 方法3:料金体系が明確な事務所を選ぶ
顧問料を抑える方法の3つ目は、料金体系が明確な事務所を選ぶことです。
料金体系が不明確ですと、弁護士の一存で、顧問契約の範囲外と言われてしまうリスクがあります。
例えば、顧問契約の料金表がない場合、その料金の範囲でどのようなサービスを受けることができるのか、月に何回程度サービスを受けることができるのか明らかでない場合には、注意した方がいいでしょう。
事前に法律事務所のWEBページなどで料金表を探してみたり、顧問契約の検討用の資料を確認したりすることがおすすめです。
6章 顧問弁護士費用(顧問料)の税金・勘定科目・源泉義務
顧問弁護士費用(顧問料)については、事業者の場合には、その全額を経費として処理することが可能です。
勘定科目については、「支払手数料」などの名目を用います。
また、弁護士に顧問料を支払うときは、所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。ただし、支払い相手が弁護士法人である場合には、源泉をする必要はありません。
No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金|国税庁 (nta.go.jp)
No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金等|国税庁 (nta.go.jp)
7章 顧問弁護士費用(顧問料)についてよくあるQ&A5個
顧問弁護士費用(顧問料)についてよくある質問として以下の5つがあります。
Q2:年度途中の解約をした場合どうなる?
Q3:顧問料が格安の事務所があるのはなぜ?
Q4:相談しなかった場合は返金してもらえる?
Q5:顧問料と弁護士の実力は関係ある?
それでは順番にこれらの疑問を解消していきましょう。
1:支払時期や支払い方法は?
支払時期については、毎月の支払いが多いですが、1年分まとめて支払う場合もあります。
支払方法については、銀行振込み、自動引き落とし、クレジットカード払いなど、どのような方法に対応しているか確認してみましょう。
2:年度途中の解約をした場合どうなる?
他方で、委任契約については、広く解除の自由が認められていますので、契約期間が残っている場合でも解約日までの部分についての支払いをする必要性は少ないでしょう。
3:顧問料が格安の事務所があるのはなぜ?
例えば、相談等については、別途料金が発生するようなことが多いでしょう。事前に顧問契約の内容をよく確認しましょう。
4:相談しなかった場合は返金してもらえる?
そのため、仮に、相談がない月があったとしても、返金してもらうことは難しいでしょう。
5:顧問料と弁護士の実力は関係ある?
人気があり高い顧問料を設定しても多数の相談がくるような弁護士の場合には、相場よりも高めの費用設定をしていることがあります。逆も同様です。
ただし、顧問料が高ければ必ず実力が伴っているとも限らないので、高ければ安心というわけではないことに注意しましょう。
8章 リバティ・ベル法律事務所の顧問弁護士費用
リバティ・ベル法律事務所では、企業の紛争を未然に防止する顧問業務に力を入れています。
リバティ・ベル法律事務所の顧問弁護士費用には、以下の3つのプランがあります。
弊所では、金額以上に質の高いサービスを提供できるように顧問先の企業を全力でサポートさせていただいております。
圧倒的な判例の知識や経験、ノウハウを蓄積しており、これまでに対応した多くの紛争案件の経験をもとに具体的な提案ができる事務所であることを目指しております。
顧問契約をご検討中の場合には是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
9章 まとめ
以上のとおり、今回は、顧問弁護士費用の相場と受けることができるサービス内容、顧問料を抑える方法を解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・顧問料とは、顧問契約の対価として支払う費用です。
・顧問弁護士費用(顧問料)の相場は、月額5万円/年額60万円程度です。
・顧問弁護士費用(顧問料)により受けることができるサービスの内容としては、低限、「電話、FAX、メール等による相談で、調査を要せず、すぐに回答できる内容のもの」が含まれている傾向にあり、「調査の要否にかかわらず、月3時間程度(調査時間・相談時間を含む)の相談」についてもサービスの内容に含まれているケースが半分以上となっています。これに対して、個別事件は割引はあるものの別料金となります。
・顧問弁護士費用(顧問料)を上手く抑えたい場合には、以下の方法がおすすめです。
方法1:自社に必要なサービス見極める
方法2:自社の規模にあった金額にする
方法3:料金体系が明確な事務所を選ぶ
この記事が顧問弁護士費用(顧問料)が分からず悩んでいる企業の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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