顧問弁護士をつける必要があるかどうか悩んでいませんか?
顧問契約を締結した場合にどのようなメリット・デメリットがあるのかイメージしにくいですよね。
顧問弁護士(顧問契約)のメリットとデメリットを整理すると以下のとおりです。
顧問弁護士をつけることにより多くのメリットを受けられますが、顧問料(ランニングコスト)がかかりますので、これらを考量して最終的に顧問契約の必要性があるかを検討します。
例えば、顧問契約が必要かを判断する目安として、以下のいずれかに該当するか否かを基準にするといいでしょう。
目安2:1~2か月に1回程度の相談がある
目安3:会社規模が従業員10人以上である
また、弁護士と顧問契約を結んだ場合に、最大限に活用するためにはいくつかのコツがあります。
実は、日々、企業から顧問契約について聞かれる機会は多いですが、なぜ顧問弁護士を必要としているのかが漠然としている企業が多いと感じます。
詳しいサービスの内容や活用方法をお伝えすると、もっと早く知りたかったと言っていただけることも多いのです。
今回は、顧問契約のメリットとデメリットを整理して説明したうえで、顧問弁護士をつける必要性や最大限活用するコツを解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、貴社が顧問弁護士をつけた方がいいのかどうかがよくわかるはずです。
目次
1章 顧問弁護士(顧問契約)のメリット9つ
顧問弁護士(顧問契約)をつけることにより、いくつかのメリットがあります。
企業としても、顧問料を支払って弁護士をつける以上は、それに見合ったメリットを求めるのは当然のことです。
例えば、顧問弁護士(顧問契約)のメリットとしては、以下の9つが挙げられます。
メリット2:弁護士を選ぶ手間が省ける
メリット3:リーガルコストを下げられる
メリット4:トラブルを予防・回避できる
メリット5:トラブルの解決をスムーズにできる
メリット6:会社を理解した説明・助言を得られる
メリット7:優先して相談を受けられる
メリット8:コンプライアンスの向上を図れる
メリット9:不安が軽減され経営に専念できる
それでは、各メリットについて、順番に説明していきます。
1-1 メリット1:メールなどで気軽に相談できる
顧問弁護士(顧問契約)のメリットの1つ目は、メールなどで気軽に相談できることです。
法律相談については、顧問契約を締結していない場合には対面で行うのが基本であり、簡易な場合であってもオンライン等の面談行うのが通常です。
5~10分程度で解消する疑問であってもメールや電話で簡易に解消することはできず、30分~1時間の枠をとって面談を行う必要があるのです。
これは弁護士側においても、会社の内情や当事者関係がわからないと簡単に返答できないこと、メールや電話だけだと費用の精算が行いにくいこと等が原因です。
顧問弁護士であれば、メールや電話で気軽に疑問への回答をもらうことができます。
1-2 メリット2:弁護士を選ぶ手間が省ける
顧問弁護士(顧問契約)のメリットの2つ目は、弁護士を選ぶ手間が省けることです。
顧問弁護士がいないと法律相談をしたいと考えた場合には、どの弁護士に相談するかを選ばなければなりません。
相談したことのない弁護士に法律相談をしても、その回答内容がどの程度信頼できるものなのか心配もあるでしょう。
例えば、知り合いに弁護士を紹介してもらうようにお願いするなどの手間が生じてしまうこともあるでしょう。
顧問弁護士がいれば、相談する弁護士が選ぶ手間も省けます。
1-3 メリット3:リーガルコストを下げられる
顧問弁護士(顧問契約)のメリットの3つ目は、リーガルコストを下げられることです。
顧問弁護士がいる場合には、「紛争になった場合のコスト」や「法務部員を雇うコスト」を節約することができます。
例えば、紛争になった場合のコストについては、紛争自体を回避できたり、紛争になった場合に生じる不利益を抑えたりすることができます。
また、紛争への対応を依頼する弁護士費用についても、顧問契約をしている分、割り引いていてもらえることが多いです。
更に、日々の法的な相談や契約書の作成、レビューを任せることができますので、法務部員を雇うよりも費用を抑えることができます。
1-4 メリット4:トラブルを予防・回避できる
顧問弁護士(顧問契約)のメリットの4つ目は、トラブルを予防・回避できることです。
日々の相談をとおして、法的なトラブルが生じないように助言をもらうことができます。
このような日々の相談の積み重ねにより、顧問弁護士がいる企業と顧問弁護士がいない企業では、抱えている法的なリスクの大きさや量に差が生じてきます。
つまり、顧問弁護士がいる企業では、日々の法律相談をとおして、法的なトラブルを予防・回避できるのです。
1-5 メリット5:トラブルの解決をスムーズにできる
顧問弁護士(顧問契約)のメリットの5つ目は、トラブルの解決をスムーズにできることです。
顧問弁護士がいれば、事前に法的なトラブルになった場合の見通しや流れ、方針、事前の対策を助言してもらうことができます。
事前に行っておくことや残しておくべきエビデンス等のアドバイスを受けることにより、万が一、トラブルになった場合でもスムーズに解決することが可能となります。
1-6 メリット6:会社を理解した説明・助言を得られる
顧問弁護士(顧問契約)のメリットの6つ目は、会社を理解した説明・助言を得られることです。
顧問契約は継続的な関係となりますので、多くの場合には数年以上の間やり取りを行うことになります。
そして、長年契約関係を続けていると、その企業のビジネスモデルや現在抱えている法的なリスクが見えてきます。
そのため、年月を重ねるにつれて、助言や説明の内容も、その企業のニーズに沿ったオーダーメイドの内容に洗練されていくことになります。
これにより、スポットでの相談と比べて、より質の高い相談を受けることが可能となるのです。
1-7 メリット7:優先して相談を受けられる
顧問弁護士(顧問契約)のメリットの7つ目は、優先して相談を受けられることです。
人気の弁護士ほど忙しいもので、いざ相談したいと考えたときに電話がつながらなかったり、すぐに予約することができなかったりということがほとんどです。
これに対して、顧問契約をしていれば、忙しい場合には他のスポットでの相談を断って、顧問先の相談を優先させます。
つまり、顧問契約にはファストパス的な機能があるのです。
そのため頼りになる弁護士を確実に押さえておきたいと考えた場合には、顧問契約を締結することが考えられます。
1-8 メリット8:コンプライアンスの向上を図れる
顧問弁護士(顧問契約)のメリットの8つ目は、コンプライアンスの向上を図れることです。
法令の改正や実務対応、個別具体的な場面における疑問等を相談することができます。
これによって、不祥事リスクを低減することができるとともに、企業価値を向上させることができ、継続的で安定した経営が可能となります。
1-9 メリット9:不安が軽減され経営に専念できる
顧問弁護士(顧問契約)のメリットの9つ目は、不安が軽減され経営に専念できることです。
法的な悩みというのは、経営者にとって大きなプレッシャーとなり、時に経営判断を鈍らせることになります。
また、日々の生活の中でも、紛争時のリスクを思い出してしまいストレスを感じてしまう方もいるはずです。
顧問弁護士がいれば、「万が一紛争になっても守ってもらうことができる」、と安心して経営に専念することができます。
顧問弁護士の名前を自社のホームページに掲載したいという声を聞くことがあります。
ホームページに顧問弁護士の名前を書くことにより、取引先からの信頼を得たいというのが、その趣旨です。
顧問弁護士の名前をサイトに掲載できるかどうかについては、個別の事務所ごとに異なります。
一概に顧問契約をすればどの弁護士でもサイトに名前を書くことを承諾してくれるわけではありません。
顧問契約を締結しても、その経営者の人柄やビジネスの内容、コンプライアンス状況を十分に確認した後でなければ、名前の掲載に消極的なことも多いです。
これは、その弁護士の責任感や危機意識が高いためであり、顧問弁護士としてはむしろ頼りがいのある対応でしょう。
そのため、顧問弁護士の名前をサイトに掲載したいと考えた場合には、その弁護士との間で十分な信頼関係を構築することが大切です。
2章 顧問弁護士(顧問契約)のデメリットはランニングコスト
顧問弁護士(顧問契約)のデメリットは、ランニングコストです。
顧問契約を締結すると顧問料を支払わなければいけないためです。
顧問弁護士費用(顧問料)の相場は、月額5万円/年額60万円程度です。
相談量やサービス内容等により、金額は上下することになります。
顧問料は、相談があるか否かにかかわらず、毎月定額で支払うことになる費用です。
そのため、弁護士の相談をあまり利用しない場合には、得られるメリットがコストに見合わない場合があります。
顧問弁護士の費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
3章 顧問弁護士の具体的な役割・サービス
顧問弁護士の役割・サービスの代表例を挙げると、以下3つが挙げられます。
役割1:法律相談・助言
役割2:法律書類の作成・レビュー
役割3:紛争時の対応
それでは、これらの役割を具体的にイメージできるよう、一つずつ順番に説明していきます。
3-1 役割1:法律相談・助言
顧問弁護士の役割の1つ目は、法律相談・助言です。
これが顧問契約の最も中心的なサービスの内容となります。
日々、企業が経済活動を行う中で生じる法的な悩みを解消するものです。
簡単なものであれば、メールや電話で弁護士に連絡して、弁護士がそれに回答することになります。
また、紛争リスクが顕在化しかかっているものについては、オンラインや対面などを用いて、会社の意向を踏まえた助言や方針の策定を行います。
3-2 役割2:法律書類の作成・レビュー
顧問弁護士の役割の2つ目は、法律書類の作成やレビューです。
契約書等の法律書面のレビューも重要な顧問弁護士の役割の一つです。
例えば、取引先から、契約書の草案が届いた場合には、顧問弁護士にメールで「レビューをお願いします。」などとメールして、契約書のデータを添付します。
これに対して、顧問弁護士が必要に応じて簡単な質問等を行い、気になる点や修正した方がいい点を回答します。
また、顧問契約のプランによっては、契約書や規則類の作成もサービス内容に含まれている場合があります。
3-3 役割3:紛争時の対応
顧問弁護士の役割の3つ目は、紛争時の対応です。
紛争時の対応については、多くの場合は別途の料金が必要となりますが、一定程度割り引いてもらえることが通常です。
紛争時の対応については、企業に代わって、交渉(通知書や連絡書面の作成、電話対応、示談書の作成等)、裁判対応(訴訟や仮処分の申し立て、主張書面の作成や証拠の収集、方針の作成、期日への出頭等)、民事執行(差し押さえ等)を行ってもらうことができます。
4章 顧問弁護士をつける必要性|顧問弁護士をつける目安
顧問弁護士をつける必要性があるか否かは、上記のメリットとデメリットを考量して判断します。
顧問契約による利益がランニングコストに見合ったものでなければ、顧問契約を締結したとしても長続きしません。
例えば、顧問契約が必要かを判断する目安として、以下のいずれかに該当するか否かを基準にするといいでしょう。
目安2:1~2か月に1回程度の相談がある
目安3:会社規模が従業員10人以上である
それでは、各目安について順番に説明していきます。
4-1 目安1:1~3年に1件以上の紛争がある
1~3年に1件以上の紛争がある場合には、顧問契約を締結する目安となるでしょう。
紛争自体を回避できれば大きな利益がありますし、もしも紛争になったとしても出費を抑えることができます。
4-2 目安2:1~2か月に1回程度の相談がある
1~2か月に1回程度の相談ある場合には、顧問契約を締結する目安となるでしょう。
取引先との契約や簡易な法律上の質問等や書面のリーガルチェック等が定期的に生じるようになってきた場合には、気軽に相談できる顧問弁護士がいると心強いです。
4-3 目安3:会社規模が従業員10人以上である
会社規模が従業員10人以上である場合には、顧問契約を締結する目安となるでしょう。
会社規模が大きくなってくると扱う取引の金額も大きくなってきますし、規則類の整備や人事労務トラブルなどもでてきます。
そのため、顧問弁護士を入れて法律面も盤石にしておく必要性が高まります。
5章 顧問弁護士を最大限に活用するコツ
顧問契約を結んでも十分に活用できなければ、そのメリット十分に享受することはできません。
顧問弁護士を最大限に活用するには、いくつかのコツがあります。
例えば、顧問弁護士を最大限に活用したいと考えた場合には、以下の4つを試してみるといいでしょう。
コツ2:サービスを詳しく知っておく
コツ3:ちょっとしたことでもメールや電話で確認する
コツ4:話しやすい弁護士を選ぶこと
それでは、1つずつ紹介しますので一緒に見ていきましょう。
5-1 コツ1:会社にあった事務所を選ぶ
顧問弁護士を最大限に活用するコツの1つ目は、会社にあった事務所を選ぶことです。
法律事務所ごとに得意な分野や不得意な分野はありますし、助言の内容や解決の方針についても個々の弁護士により異なります。
まず、顧問弁護士を探す段階で、自分の会社で生じがちなトラブルに強い弁護士を見つけられるといいでしょう。
例えば、契約書のレビューなどの相談が多いのか、それとも人事労務などの問題が多いのか、取引先とのトラブルなどが多いのか等により、選ぶべき事務所も変わってくるでしょう。
また、処理方針についても、同じ事案を解決するにあたって、訴訟外の交渉に重点をおく弁護士もいれば、裁判所をとおした解決をすすめる弁護士もいます。
法律事務所のホームページなどで取扱い分野や実績、発信している情報の内容を見たうえで、自社の抱えている課題や考え方にあっている弁護士を選ぶといいでしょう。
5-2 コツ2:サービスを詳しく知っておく
顧問弁護士を最大限に活用するコツの2つ目は、サービスを詳しく知っておくことです。
どのようなことを弁護士に頼めるのかがわからなければ、活用することはできません。
顧問契約を締結する前に、その顧問料でどこまでの内容を頼んでいいのかということを確認しておきましょう。
例えば、顧問契約のプランを明確にしたうえで、料金ごとにお願いできる内容を明確にしているような事務所だと依頼もしやすいでしょう。
これに対して、その顧問料の範囲内でお願いできる業務の内容が不明確な場合には、契約後にどこまでお願いしていいのかということを確認しなければなりません。
そのため、顧問料を支払うことによって、どのようなサービスを受けることができるのかを知ることが大切です。
5-3 コツ3:ちょっとしたことでもメールや電話で確認する
顧問弁護士を最大限に活用するコツの3つ目は、ちょっとしたことでもメールや電話で確認することです。
こんな小さなことで本当に弁護士に相談していいのかなと気を使ってしまう企業があります。
しかし、顧問契約とはそのような些細なことでも気軽に聞くための契約であり、気を使う必要はありません。
とくに法的な問題はないとの回答が返ってくれば、それで安心することができるのです。
例えば、企業としては些細なことであると感じている場合でも、弁護士側ではもっと早く相談してほしかったと感じるケースもあります。
そのため、疑問に思ったら小さなことでもメールや電話確認するというのが顧問弁護士を活用するうえで大切です。
5-4 コツ4:話しやすい弁護士を選ぶこと
顧問弁護士を最大限に活用するコツの4つ目は、話しやすい弁護士を選ぶことです。
気軽に相談するためには話していてストレスを感じない相手であることが必須条件となります。
例えば、顧問弁護士に相談したら、なぜそんな相談をするのかとそっけない態度を取られたり、なぜこんなトラブルになっているのかと叱られてしまったりしたら、嫌ですよね。
弁護士にもパーソナリティがありますので、一度、実際に法律相談をしたり、案件を頼んだりするといいでしょう。
話の聞き方、助言の内容、説明順序、説明の仕方、話し方、人柄などから話しやすいと感じる弁護士を選ぶことが大切です。
顧問弁護士の選び方は以下の記事で詳しく解説しています。
6章 顧問弁護士はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
リバティ・ベル法律事務所では、企業の紛争を未然に防止する顧問業務に力を入れています。
リバティ・ベル法律事務所の顧問契約には、以下の3つのプランがあります。
弊所では、金額以上に質の高いサービスを提供できるように顧問先の企業を全力でサポートさせていただいております。
圧倒的な判例の知識や経験、ノウハウを蓄積しており、これまでに対応した多くの紛争案件の経験をもとに具体的な提案ができる事務所であることを目指しております。
顧問契約をご検討中の場合には是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
7章 まとめ
以上のとおり、今回は、顧問契約のメリットとデメリットを整理して説明したうえで、顧問弁護士をつける必要性や最大限活用するコツを解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・顧問弁護士(顧問契約)のメリットとデメリットを整理すると以下のとおりです。
・顧問弁護士の役割・サービスの代表例を挙げると、以下3つが挙げられます。
役割1:法律相談・助言
役割2:法律書類の作成・レビュー
役割3:紛争時の対応
・顧問契約が必要かを判断する目安として、以下のいずれかに該当するか否かを基準にするといいでしょう。
目安1:1~3年に1件以上の紛争がある
目安2:1~2か月に1回程度の相談がある
目安3:会社規模が従業員10人以上である
・顧問弁護士を最大限に活用したいと考えた場合には、以下の4つを試してみるといいでしょう。
コツ1:会社にあった事務所を選ぶ
コツ2:サービスを詳しく知っておく
コツ3:ちょっとしたことでもメールや電話で確認する
コツ4:話しやすい弁護士を選ぶこと
この記事が顧問弁護士のメリットがわからずに悩んでいる方の助けになれば幸いです。
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