不測の事態に対応するために、上手なクレーム対応の方法を知りたいと悩んでいませんか?
実際にクレームが発生すると、どのように対応したらいいのか不安になりますよね。
クレーム対応は、お客様のクレーム内容を聞き、内容毎に適した対応をすることが重要になります。
なぜなら、クレームの内容にも色々あり、的外れな対応をしても意味がないためです。
適した対応を取るために、例えば以下のようなクレームの対応手順を採用することがあります。
手順2:解決策を検討する
手順3:解決策を実行する
手順4:再度の謝罪
手順5:クレーム内容と解決策を共有
しかし、クレーム対応が上手になっても、根本的な解決には繋がりません。
というのも、会社がクレームを減らすために行動しなければ、クレームの数自体は減らないためです。
実は、場当たり的な解決手段を採用する企業も少なからずあり、こうした企業では根本的な問題が後回しにされがちなのです。
この記事を通して、クレームを減らすために会社が取れる手段を知っていただければと思います。
今回は、クレームの発生原因を説明した上で、クレーム対応のポイントや会社が採れる手段について解説していきます。
具体的には、以下の流れで解説していきます。
この記事を読めば、上手なクレーム対応のポイントがよくわかるはずです。
目次
1章 クレームの発生原因3つ
クレームに上手く対応するには、大まかなクレームの発生原因を押さえることが重要です。
クレームの発生原因としては、例えば以下の3つがあります。
原因2:従業員への不満
原因3:勘違い
それでは各原因について順番に解説していきます。
1-1 原因1:商品・サービスへの不満
クレームの発生原因1つ目は、商品・サービスへの不満です。
お客様は、購入する商品やサービスが、要求を満たすものであることを期待しています。
そのため、購入した商品やサービスが期待を下回ると、不満を感じやすく、クレームに発展することがあります。
もっとも、不満を感じたとしてもほとんどの人は実際にクレームを入れることはなく、クレームを入れるのは4%程度とされています。
1-2 原因2:従業員への不満
クレームの発生原因2つ目は、従業員への不満です。
顧客体験の満足度は、商品やサービスの質に加え、従業員の対応が重要とされています。
例えば、従業員の態度が横柄であったり、言葉遣いが悪かったりする場合には、クレームが発生しやすくなります。
商品やサービスの質に問題なくても、従業員の対応が不適切だとクレームへと発展するおそれがあるのです。
1-3 原因3:勘違い
クレームの発生原因3つ目は、勘違いです。
商品の説明やサービス内容が不正確だと、顧客に誤った期待を抱かせてしまいます。
例えば、説明書の解説が難解であったり、広告の表現が過剰な場合には、誤った認識を与えやすいでしょう。
このような認識のズレから、期待を下回りクレームへと発展するおそれがあります。
2章 クレーム対応の基本!具体的な対応手順5つ
クレーム対応の手順があれば、クレーム対応がしやすくなります。
例えば、クレーム対応の具体的な手順は以下の5つです。
手順2:解決策を検討する
手順3:解決策を実行する
手順4:再度の謝罪
手順5:クレーム内容と解決策を共有
それでは各手順について順番に解説していきます。
2-1 手順1:クレームの原因を特定する
クレーム対応の具体的な手順1つ目は、クレームの原因を特定することです。
まずは、挨拶と謝罪をしてからお客様の話しを聞き、クレームの原因を特定することになります。
例えば、以下のようなフレーズで、クレームの内容を聞くといいでしょう。
「お困りのことで、ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。この問題について、もう少し詳しく教えていただけますか?」
「○○に関して、ご満足いただけなかったことを深くお詫び申し上げます。どのような点がご期待に沿わなかったのか、詳しくお聞かせいただければ幸いです。」
聞いた内容は、後で解決策を検討するためにしっかり記録しておきましょう。
2-2 手順2:解決策を検討する
クレーム対応の具体的な手順2つ目は、解決策を検討することです。
お客様からクレームを聞いた後は、その内容が確かなものか調査した上で、解決策を検討することになります。
解決策の検討では、クレームの内容や対応コスト等を考慮し、バランスの取れた対応を選択することが重要です。
2-3 手順3:解決策を実行する
クレーム対応の具体的な手順3つ目は、解決策を実行することです。
解決策が決まれば、迅速に解決策を実行することになります。
お客様の理解が得られるよう、わかりやすい言葉で説明することが重要です。
2-4 手順4:再度の謝罪
クレーム対応の具体的な手順4つ目は、再度の謝罪です。
解決策を説明した後は、お客様からの信頼を回復するために、再度の謝罪をすることになります。
例えば、以下のようなフレーズで謝罪することが考えられます。
「改めて、この度の問題でお困りをおかけしたことを深くお詫び申し上げます。お客様のご期待に応えられるよう努力して参ります。」
「もう一度、ご迷惑をおかけしたことに心からお詫び申し上げます。私たちはお客様の声を真摯に受け止め、改善に努めてまいります。」
他方で、自社に非がない場合には、以下のようなフレーズを用いるといいでしょう。
「ご説明させていただき、ご理解いただけたことを嬉しく思います。今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。」
「この度はご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございます。今後もお客様のご期待に沿えるよう、サービスの向上に努めてまいります。」
2-5 手順5:クレーム内容と解決策を共有
クレーム対応の具体的な手順5つ目は、クレーム内容と解決策を共有することです。
クレーム対応は、お客様に解決策を提示するだけでは終わりません。
クレームの原因となった問題が再発しないよう、会社内でクレーム内容と解決策を共有する必要があるためです。
例えば、以下の手段でクレーム内容や解決策を共有することが考えられます。
・クレーム対策会議
・データ上で共有(LINEやアプリ等)
3章 最強の話し方のコツは?クレーム対応が上手い人の特徴3つ
クレーム対応が上手い人には、共通しやすい特徴がいくつかあります。
クレーム対応が上手い人の特徴は以下の3つです。
特徴2:聞き上手
特徴3:剛胆
それでは、各特徴について順番に解説していきます。
3-1 特徴1:仕事の知識が豊富
クレーム対応が上手い人の特徴1つ目は、仕事の知識が豊富であることです。
これは、クレームの発生原因は多様であることから、仕事の知識が多いほど対応しやすくなるためです。
つまり、お客様のクレームの原因を迅速に特定し、適切な解決策を提供しやすくなるのです。
例えば、コンビニで電子マネーのチャージ方法がわからないといった場合には、その場でチャージの正しい手順を説明するなど、適切なアドバイスをすることができます。
こうした側面から、クレーム対応が上手い人として認識されやすいのです。
3-2 特徴2:聞き上手
クレーム対応が上手い人の特徴2つ目は、聞き上手であることです。
クレーム対応では、お客様が何に不満を持っているのかを素早く特定することが重要になります。
しかし、お客様の側から商品やサービスの不満点をすべて言語化するのは難しく、不満点が曖昧になりがちです。
聞き上手な人は、お客様の言葉を一つ一つ注意深く聞き、潜在的なニーズを把握しやすいので、クレーム対応がスムーズになるのです。
3-3 特徴3:剛胆
クレーム対応が上手い人の特徴3つ目は、剛胆であることです。
クレームでは、感情的なお客様も少なからずいるため、従業員はストレスの多い状況に置かれます。
中には、高圧的な態度で接してきたり、大声で叱責される方もいらっしゃいます。
剛胆な人は、こうした状況でも冷静に対処することができ、適切に解決することができるのです。
4章 実践的なクレーム対応のポイント6つ
クレームの適切な対応方法は、ケースによって異なります。
実践的なクレーム対応のポイントは以下の6つです。
ポイント2:電話でのクレーム対応
ポイント3:メールでのクレーム対応
ポイント4:返金要求でのクレーム対応
ポイント5:納得しない場合のクレーム対応
ポイント6:自社に非がない場合のクレーム対応
それでは、各ポイントについて順番に解説していきます。
4-1 ポイント1:接客でのクレーム対応
実践的なクレーム対応のポイント1つ目は、接客でのクレーム対応です。
接客でのクレームがあった場合、直接顔を合わせて対応することになります。
そのため、言葉だけでなく、姿勢や表情等にも気を付けなければいけません。
例えば、腕を組んでいたり笑顔でクレーム対応をすると、クレームを真剣に受け止めていないと解釈され、かえって怒らせてしまうおそれがあります。
他にも、以下のようなことはしない方がいいでしょう。
・言い訳をする
・感情的になる
・曖昧な回答をする
4-2 ポイント2:電話でのクレーム対応
実践的なクレーム対応のポイント2つ目は、電話でのクレーム対応です。
電話でのクレーム対応は、相手の顔が見えないため言葉や声の使い方が重要になります。
そのため、お客様の話しをしっかりと聞き、まずはお詫びをして落ち着いた雰囲気を作る必要があります。
他にも、以下のよう事項に気を付けるといいでしょう。
・相手の話を遮らない
・否定的な言葉使わない
・シンプルでわかりやすい言葉遣いを心掛ける
・電話を切る際は締めの挨拶をすること
4-3 ポイント3:メールでのクレーム対応
実践的なクレーム対応のポイント3つ目は、メールでのクレーム対応です。
メールは、対面や電話の場合と異なり回答までの時間的余裕があるため、正確な回答がしやすいです。
しかし、メールは形として残るので、誤った文面を送るとかえって状況を悪化させることもあります。
例えば、メールの文面をSNS等で公開されてしまい、企業への信頼を大きく低下させてしまうこともあるのです。
そのため、内容を上司などにチェックしてもらい、より一層正確な回答ができるような環境を構築することが重要です。
他にも、以下のような事項に気を付けるといいでしょう。
・文面で共感と理解を示す
・丁寧かつ明確な言葉遣いを使用する
・解決策は具体的に提示する
・企業でメール対応のテンプレートを作成する
4-4 ポイント4:返金要求でのクレーム対応
実践的なクレーム対応のポイント4つ目は、返金要求でのクレーム対応です。
返金要求があった場合、まずは返金をすべき義務があるのか確認します。
しかし、返金義務の確認は簡単ではなく、単独で判断すると状況を悪化させることがあります。
例えば、実際は返金義務がないのに返金義務があるような回答をすると、顧客に誤解を与えてしまいかえって事態が複雑になってしまうのです。
そのため、返金要求のクレーム対応では、上司や専門家に相談してから回答の方針を検討することになります。
他にも、以下のような事項に気を付けるといいでしょう。
・クレーム内容を詳細に確認する。
・返金義務があれば具体的な手続を説明する
・返金処理はなるべく早めに行う
4-5 ポイント5:納得しない場合のクレーム対応
実践的なクレーム対応のポイント5つ目は、納得しない場合のクレーム対応です。
クレーム対応では、丁寧に対応していても納得してもらえないことがあります。
これは、顧客が求めている解決策と、企業が提案する解決策のニーズのズレが原因になっていることが多いです。
つまり、顧客は企業が提案した解決策に納得してないのです。
そのため、納得しない場合には、クレーム内容から顧客が求めている解決策を探っていくことが重要です。
4-6 ポイント6:自社に非がない場合のクレーム対応
実践的なクレーム対応のポイント6つ目は、自社に非がない場合のクレーム対応です。
顧客のある業種では、営業していれば必ずクレームは発生します。
自社に非がない場合、丁寧に説明をしていてもさらに不当な要求がされやすいため、適切なタイミングで切り上げることが重要です。
例えば、サービスの範囲を超えた要求がされた場合や、同じ顧客から繰り返し無根拠なクレームがされた場合等では、必要な説明をして切り上げるべき場面があります。
5章 業種別!クレーム対応の方法
クレームの適切な対応方法は、業種によって異なる場合があります。
業種別のクレーム対応方法は以下の3つです。
業種2:医療サービス業
業種3:製造業
それでは、業種毎のクレーム対応を順番に解説してきます。
5―1 業種1:飲食店(サービス業)
業種別のクレーム対応方法1つ目は、飲食店です。
飲食店では、以下のようなクレームを受けることがあります。
・サービスの品質(接客態度、待ち時間、店内環境等)
特に、異物混入や食中毒については慎重な対応が求められます。
異物混入のクレームでは、代金を無料にするか料理を作り直すことになります。
他方で、食中毒のクレームは、すぐに謝罪をして医療機関への受診を薦めて診断書をもらうよう促すことになります。
その結果、食中毒の原因が自社の料理にあれば治療費や慰謝料などの支払をすることになります。
5-2 業種2:医療サービス業(病院、クリニック等)
業種別のクレーム対応方法2つ目は、医療サービス業です。
医療サービス業では、以下のようなクレームを受けることがあります。
・治療方法
サービスの品質についてのクレームは、特別扱いはせず、患者の話しを聞いて丁寧に対応していくことになります。
医師は原則として診療を拒否できませんが(医師法19条1項)、正当な事由があれば診療を拒否することができるとされています。
正当な事由の内容については、以下のURLに行政解釈が載せられています。
※病院診療所の診療に関する件(◆昭和24年09月10日医発第752号)
5-3 業種3:製造業
業種別のクレーム対応方法3つ目は、製造業です。
製造業では、以下のようなクレームを受けることがあります。
・騒音
製品の品質については、製品に問題があれば市場での流通を調査して止めることになります。
騒音については、基準が設けられており、これを超えていれば謝罪をして防音対策を充実させることになります。
6章 クレームを減らすために会社が取れる行動3つ
クレームを減らすためには、従業員個人の努力だけでなく会社の努力も重要です。
クレームを減らすために会社が取れる行動は以下の3つです。
行動2:会社内で情報共有する
行動3:二次クレームの防止策を講じる
それでは、各行動について順番に解説していきます。
6-1 行動1:情報を正確に提供する
クレームを減らすために会社が取れる行動1つ目は、情報を正確に提供することです。
クレームの原因の1つに、会社が提供する情報が不正確なために、顧客が誤解してしまった場合があります。
これは、曖昧な情報によって顧客の期待が高められてしまうためです。
そのため、顧客に過剰な期待を与えないよう、会社が提供する情報は正確なものにすることが重要です。
具体的には、以下のような工夫をするといいでしょう。
・各宣伝媒体で一貫した情報にする
6-2 行動2:会社内で情報共有する
クレームを減らすために会社が取れる行動2つ目は、会社内で情報共有することです。
一度解決したクレームは、会社内で共有しておくことが重要です。
なぜなら、情報が共有されていれば、同じクレームや類似のクレームに対処しやすくなるためです。
6-3 行動3:二次クレームの防止策を講じる
クレームを減らすために会社が取れる行動3つ目は、二次クレームの防止策を講じることです。
二次クレームとは、会社のクレーム対応に対してされるクレームをいいます。
つまり、クレーム対応が不適切だった場合に、二次クレームが発生するのです。
二次クレームを防止するためには、従業員のクレーム対応を適切なものにする必要があります。
そのため、二次クレームの防止策として、クレーム対応研修を開講するなどして従業員のクレーム対応の知識を増やすことが考えられます。
7章 過度なクレームは弁護士に相談した方がいい場合もある
クレームの中には、弁護士に相談した方がいい過度なものもあります。
例えば、次のような場合には、クレーム対応を専門とする弁護士への相談を検討した方がいいでしょう。
・犯罪が絡む場合(脅迫、強要、業務妨害罪等)
・クレームが執拗で解決が難しい場合
これらのケースでは、専門的知識がなければ適切な解決が難しいこともあります。
そのため、上記のような過度なクレームがあった場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
8章 まとめ
以上の通り、今回は、クレームの発生原因を説明した上で、クレーム対応のポイントや会社が取れる手段について解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・クレームの発生原因は以下の3つです。
原因1:商品・サービスへの不満
原因2:従業員への不満
原因3:勘違い
・クレーム対応の具体的な対応手順は以下の5つです。
手順1:クレームの原因を特定する
手順2:解決策を検討する
手順3:解決策を実行する
手順4:再度の謝罪
手順5:クレーム内容と解決策を共有
・クレーム対応が上手い人の特徴は以下の3つです。
特徴1:仕事の知識が豊富な人
特徴2:聞き上手な人
特徴3:剛胆な人
・実践的なクレーム対応のポイントは以下の6つです。
ポイント1:接客でのクレーム対応
ポイント2:電話でのクレーム対応
ポイント3:メールでのクレーム対応
ポイント4:返金要求でのクレーム対応
ポイント5:納得してもらえない場合のクレーム対応
ポイント6:自社に非がない場合のクレーム対応
・業種別のクレーム対応方法は以下の3つです。
業種1:飲食店
業種2:医療業
業種3:製造業
・クレームを減らすために会社が取れる行動は以下の3つです。
行動1:情報を正確に提供する
行動2:会社内で情報共有する
行動3:二次クレームの防止策を講じる
・次のように過度なクレームは弁護士に相談した方がいい場合もある。
ケース1:損害賠償が絡む場合
ケース2:犯罪が絡む場合(脅迫、強要、業務妨害罪等)
ケース3:クレームが執拗で解決が難しい場合
この記事が、上手なクレーム対応の方法を知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
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